アニメ映画「コードギアス 反逆のルルーシュⅢ 皇道」~感想~「復活」への不安増

映画「コードギアス 反逆のルルーシュⅢ 皇道」を観てきました。

 

以下、TVシリーズ含めてのネタバレ感想となります。ご了承ください。

 

TVシリーズがベースにあるのでどうしても其れとの比較になってしまいますがこの劇場3部作最終章には色々と期待していただけに残念な点が幾つかあり正直、次の「復活のルルーシュ」に対する不安が増した、そんな劇場版でした。

 

劇場3部作のⅠ「興道」、Ⅱ「叛道」は観ていません。
「復活のルルーシュ」の為の劇場3部作だと思っていたので、元から「復活のルルーシュ」の新情報が公開されるであろうⅢ「皇道」のみ観るつもりでした。Ⅲ「皇道」を観るに当たってⅠ「興道」、Ⅱ「叛道」の予習として某検索サイトの映画レビューを見てから行ったのでシャーリーの生存については知っていました。

 

知っていましたが、このシャーリーの死が覆った事については今回映画を観た上で幾つかある残念な点の一つとなります。

 

TVシリーズでは、父親を殺され、記憶を消され・弄られ終いには殺されるというギアスに翻弄され救われる事のなかったシャーリーですが、劇場版では、死という結末からは免れる事になります。

 

有り得たかも知れないシャーリーが生存した世界を『劇場版』で描いたと割り切って「復活のルルーシュ」はTVシリーズの続き、であるのならば文句はありません。しかし、公式HPでも明言されてる様に「復活のルルーシュ」は今回の劇場版の『次』となります。

 

劇場版はあくまでも総集編だと考えていたのでTVシリーズ世界線を変えてくるとは思ってもいませんでした。

 

ここで問題になるのがシリーズ構成・脚本の大河内一楼が「復活のルルーシュ」について述べた「主人公はルルーシュで別世界のルルーシュや偽物という事はしない」という言葉になります。

 

劇場版の『次』として「復活のルルーシュ」が描かれるのであればそれはTVシリーズの物語とは別世界・平行世界のルルーシュです。

公式HPで監督の谷口悟郎さんは劇場版について「TVシリーズを否定するものではない」と一応フォローのコメントを載せていますが、「別世界のルルーシュではない」と語っていた当の本人大河内一楼は特に悪びれる様子もなく次がどうのと宣っておられます。

革命機ヴァルヴレイヴ」のシリーズ構成・脚本の酷さからも分かりますがコードギアスはこの脚本家ではなく谷口さんがいたからこそ面白いのでしょう。

思えばこの大河内一楼については、「機動天使エンジェリックレイヤー」の脚本で、別の方が担当されたある回の脚本で盛り上げ咲かせた話の華を、次の回の大河内脚本で満開にさせることなく切り落としてしまう様なつまらない決着をさせた時からダメ脚本家、能力的に信用できない脚本家だと思っていました。
「~ヴァルヴレイヴ」でそれが確信に変わり今回の件で改めて思い知らされた感じです。これならいっその事メインライター変更して「スクライド」や「ガン×ソード」で谷口監督とも仕事経験のあるスタジオオルフェ組の黒田洋介さんか倉田英之さんの方が良かったのではないかと思います。

 

シャーリーの生死については脚本家独断ではなく監督とも話し合っての事だとは思いますが何のコメントもないのがあまりにも無責任に感じられ腹が立ちました。

 

そもそもシャーリーの死が劇場版で覆るという事は、TVシリーズでのシャーリーの死には物語的必然性はなく特に意味がなかったという事でしょうか。
シャーリーの死は、ユーフェミアの死の様な悲劇的展開、物語的に必須なものではなく別に生きようが死のうが関係なくただ何となくの思い付き・その時の気分で、特に深い考えもなく悲しみ・怒り要員として配置され殺されたという事でしょうか。
そして、劇場版でシャーリーが生き残った事の意味というものが何かあるのでしょうか。「復活のルルーシュ」でまた死ぬような事があれば本当に救われないのですが…

シャーリーが生き残った事の意味を考えるならば、Ⅲ「皇道」劇中C.C.とシャーリーが接触していた事から、ルルーシュの『業』を共に背負う為にC.C.と契約しギアス能力持ちになったのかも知れません。さらに、C.C.の目的(人間として死ぬ事)やルルーシュが不老不死になった(ルルーシュがシャルルのコードを継承し不老不死になった前提ですが)事をC.C.から聞いたのであれば、シャーリーがC.C.の願いを叶えC.Cのコードを継承しルルーシュと共に不老不死として生きていく事という役割があるのかもしれません。

 

上記の「シャルルのコードを継承し不老不死になった」という昔からネットで議論になっていた「ルルーシュ生存説」ですが、今回の劇場版Ⅲ「皇道」ではこの「ルルーシュ生存説」が補完されるものと思っていました。
しかし今作の劇中で補完となる様な新作カット等は無く、逆にTVシリーズからの映像がカットされていました。そこがまた今回残念な、期待を裏切られた点になります。

 

具体的に述べると、
シャルルの最期となるシーンにおいてシャルルからルルーシュにコードを継承する様な明示的な描写が追加されるのかと思っていたのに何もなかった事、そしてさらにガッカリというか驚いたのがルルーシュの最期のシーンにおいて、ナナリーがルルーシュに触れた際、TVシリーズはコード継承者であるC.Cが行った様な記憶流出のシーンがあったのですがそのシーンがカットされていた事です。
わざわざカットしたという事はコード継承による生存とは別の方法でルルーシュは生きているという事なのでしょうか。そうでないとカットする意味が全く理解できません。
「紛らわしい演出で勘違いさせた様だからカットした」としか受け取れませんがコード継承以外での生存が果たして納得できるものになっているのでしょうか…不安です。

 

「復活のルルーシュ」について、期待あり不安ありだったのですが今回の劇場版を観た結果、不安の方が増してしまいました・・・

 

「復活のルルーシュ」にファンが望んでいたもの(少なくとも自分が望んでいたもの)は当然、TVシリーズの「続き」の物語です。シャーリーが生きていたり、TVシリーズでは存在していたシーンがカットされたりという「可能性のひとつ」という世界での続きの物語ではありません。

 

予想の斜め「上」を行く展開というのなら嬉しいのですが今のところ予想の斜め「下」を行く展開となっています。。。

どうにか面白く納得のできるものになって欲しい・・・と願います。。。


(2018年06月16日00:21mixi日記投稿分)