録り貯めしていたアニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン」(全76話)を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。
感想としては特に語るほどの事もないのですが、せっかく1週間ほどかけて全76話を観たので何かしら残そうと思い書いてみます。
全体通しての感想は、一言でいえば良くも悪くも「子供向け」アニメでした。
「子供向け」に「見て分かりやすい」アニメ作りが為されていますが、全体構成や設定(敵：キトラルザスの背景、メカ：シンカリオンの技術等)の詳細な部分がぼやぁっとしています。
例えば
・敵であるキトラルザスとはどういった存在なのか
地底人である彼らはどの様に進化して、そして今どういう状況で絶滅しようとしているのか。
なぜ地中で生存(進化)できたのか。なぜ地上より進んだ技術を持っているのか。地上の人間と生物的にどこが異なるのか。
また、イザ博士が事故後、地底に行った過程や博士が人間から地底人(キトラルザス)に変異している(石化している)のはなぜか。
・シンカリオンの超技術の設定は？
アニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン」の舞台は「現代」の設定ですが現実の新幹線はロボットに変形したりしませんし、そんな技術力もありません。
では、そのオーバーテクノロジーはどこから来たのか。超進化速度とは何なのか。捕縛フィールドを可能にしている技術は。
等々…。
エセ科学でも何でも良いのです。地中にだけ存在する摩訶不思議な黒い粒子の力のためでも良いのです。その理由や説明をアニメの中でして欲しかったのです。
もしかしたら設定自体は細かく作られていたのかも知れませんが子供向けという事で出てこなかっただけなのかも知れません。
しかし、もしそうだとしたらそれは「子供見くびり」に他なりません。あまり細かく説明しても子供には分からないだろうと高を括り大人が勝手に子供に対し諦めの感情を持つのは間違いなのです。
本当に真剣に一生懸命に「シンカリオン」を観ている子供であれば、多少細かい設定であっても、難しい言葉を避けて分かりやすく説明しさえすれば子供は自分の頭で考え大人が思っている以上に理解しているもなのです。
「子供向け」に大人が勝手に決めつけた「分かりやすさ」のために、可もなく不可もなくという作品になってしまっているのが少し残念でしたね。
決してマイナス評価になる様な作品ではありませんでした。
主人公ハヤトは、分かり易くブレない性格で好感の持てるキャラクターで良かったですね。
新幹線ロボというモチーフも分かり易くロボもカッコ良くて良かったです(ただね、実在の新幹線をモデルにしているためどうしてもデザインが似たり寄ったりになってしまうのが難点ですね。武装に若干違いがありますが基本カラーリングで見分けるみたいになってました)。
あともう1点、本編とは別のところで良かった点を挙げると「オープニング」になりますね。1年以上放送された作品となりますがオープニング曲が一度も変わる事なく最後まで走り抜けました。
長寿番組を除けば、最近は1年間(以上)放送される作品はほとんどありません(プリキュア枠くらい？)が、一つの作品でオープニング曲が変わらないのはやはり良いですね。
オープニングは作品の「顔」なのです。最近のアニメでたまに2クール(半年)の作品があっても1クール(3ヶ月)でオープニングが変わったりします。その様なようやく聞きなれてきたところでコロコロ「顔」が変わられた困る訳ですよ。
「シンカリオン」はオープニングが作品の大事な「顔」である事を理解して制作されているのが良いですね(これはアニメ制作側というよりスポンサー・タカラトミーの意向でしょうか)。
最後に、本編の内容とは関係ないけど、気になる点について。。。
・発音ミクの声問題
本編に「初音ミク」ならぬ発音ミクが登場します(初登場時、初音ミクに似てるなーと思ったらまんまでびっくりしました)が、その声がボーカロイド「初音ミク」が喋っている様な機械的な音声なのです。
どうやらわざとその様に加工しているらしいのですがその意図が全く不明です。これが「発音ミクはアンドロイド」という設定なら納得・理解できるのですが、普通の人間の女の子の設定であり、その機械音声に激しく違和感があります。何の目的で機械的な音声を使うのか？実験的にボーカロイドをアニメに使っているのか？
あの機械的な音声でも子供相手なら違和感に気付かない・構わないと考えているのか、その真意が全く分かりません。
・フタバさんの私服問題
初めて私服のフタバさんが登場した時からなんかダッサいなぁと思っていましたが、作中でも登場人物(本庄とアズサ)からもそのダサさを指摘されます(本庄はモノローグで)。
その指摘を受けてフタバさんの私服が変わるみたいなゆる～い回が欲しかったかなぁ。何故あんな今どきの女子とは思えない格好してるんだろうとずっと気になってたからね…。
以上
(2020年11月25日23:51mixi日記投稿分)
