アニメ「Re:ゼロから始める異世界生活(第2期)」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


好きくない作品。
悲劇を前提とした話作りだから面白くない。別の日記でも語っていますが、悲劇でしかドラマを創れないのは二流三流だと思っています。
あとは「死に戻り」の都合の良いセーブポイントの更新に納得がない。
これがもし、死んだら常に一番最初(1期の第1話)に戻り、そこからやり直している、というのならば納得しますが、ある難問をクリアしたらその後にセーブポイントが更新されるというご都合に納得がないのよ。
シュタインズゲートの主人公は最初から全部やり直してたよ、と気になるのです。

 

「死に戻り」の発想自体は面白いけど、単発の映画とかなら良いと思うのですが、長期シリーズには向かないよね…どう考えても。
話がワンパターンになるのが目に見えてる。

主人公or主人公の仲間に悲劇が起こる→解決するために「死に戻り」発動→試行錯誤→解決→セーブポイント更新→主人公or主人公の仲間に悲劇が起こる→…の繰り返し。

 

しかも、どうせ戻るから…と色んなパターンの仲間の死、主人公の死を描く…。ワンパターンでは飽きられるのを、誤魔化すためかショッキングなグロい話も挿入してくる(どうせリセットされるからね、いいでしょ…みたいな作者の浅はかな発想・構成が透けて見える…)。
そういうところが第1期の頃から好きくない作品でした。

 

で、その1期から4年ぐらい空いての第2期。第2期作られるほど人気なんだと驚きました。

 

第2期もやはり第1期のワンパターンの繰り返し。
主人公or主人公の仲間に悲劇が起こる→解決するために「死に戻り」発動→試行錯誤→解決→…の繰り返し。

(最序盤では、「死に戻って」も主人公が望むセーブポイントに戻れないのが描かれますが、やはりそこが良く分からんのです。
セーブポイント更新してるの誰なの?「このポイントなら(主人公は)やり直しが利く(主人公の仲間の生死については考慮されていない)」みたいな設定が語られますが
その「誰か」は未来が全て視えてるの?
全ての分岐が視えていてこのポイントなら主人公が助かる道があるとセーブポイントを設定し、主人公に「死に戻り」の能力を与える…。
全てが視えて、超常の能力を他人に与える事が出来るのに、主人公を助けるため?になんかよう分からん回りくどい事してんなぁ?そんな色々な事が視えて凄い能力持ってんなら、その「誰か」が直接助けりゃ良いじゃんと思うのですが、そこに「納得」のいく設定が果たしてあるのでしょうか?

多分ない、この作者は深く考えてない。


戦翼のシグルドリーヴァ」の感想でも書いたけど
この作者は最初から全部構成してなくて、行き当たりばったりで書いてると感じるのです。

第2期で描かれたオットーの能力や特異点である、みたいな描写、ペテルギウスの過去、これらの事は絶対後付けだろと感じるのです。
第1期観てたとき、そんな伏線が描かれてるように全く感じなかったよ…(アニメーションの演出・表現の問題ではなく、キャラクター、お話の構成の問題です)。

綺麗じゃない物語は好きくないのよね…。


これ原作はどこまで行ってんだろ?完結してんのかな?王選の話は終わったの?
1期のメインの話だったと思うけど、2期では全く話題に上らんよね。どこに向かって進んでんのか、ゴールが良く分からん作品です。

第2期、2クールを使って描かれる物語は、獣人たちの聖域開放みたいな話がメインでしたが……、
その聖域開放で世界のあり様が全く変わるとか、世界に大きな変革をもたらすという様な話ならば2クール掛けてやる意味も分かりますが、
どっかの一部地域の獣人たちのための聖域開放って話だけに2クールも使われて、盛り上がらんし長いしとかなり辛い時間でした。

 

終盤は「死に戻り」を使わない・頼らないみたいな宣言を主人公がしますが、ホントか?この後どう展開するんだ?主人公の特殊能力を封じて面白くなるのか?
そこに興味はありますが、最初から綺麗に物語を構成する事が出来ない作者ではそれも不安なのです。


キャラクターの描き方も微妙、というか面白くなく、今作で主人公はヒロインに「好きだ好きだ」みたいに連呼するシーン・お話があるのですが、
なんか軽い言葉だぁ、と感じるだけの話作りでつまらないのです。
そもそも主人公はヒロインを本当に好きなのか?(第1期の話になりますが)最初に出会って優しくしてくれたってだけじゃないの?それだけの理由で?
好意を寄せてくる健気な鬼娘(妹)よりも好きって言われてもよう納得できんのですが。。。
その鬼娘(妹)との関係も良く分からんのよね。リセットされた世界線ではその鬼娘(妹)は容赦なく主人公をやってんのに、好意を寄せる事になるってどういう事よ。
ちょっと世界線が変わったからってそうなるのおかしいんじゃない?なるべくしてなったのなら最初から・鬼娘(妹)初登場時から主人公に何かしら惹かれる様子を描くという構成をしていれば良いのに…そうすれば多少は納得も生まれるのに…。
そういう構成が出来ていないのがダメなのよ。
ちょっと何かが違えば鬼娘(妹)は主人公をやっていた訳だよね?それは裏を返せば何かのきっかけで同じ様に急変するって事じゃないの?
出会ってから長い時間を掛けて築いた関係性ならともかく、セーブポイントからのやり直し期間はそんな長くはないはずで、ちょっとした出来事で急変する
そんな精神状態の娘を描かれても怖いと思うだけなのだが…この作者はそこはなんも気にならんのだろうね。

 

お話、キャラクター共に好きくないのですが、物語や設定が破綻している、とまでは行かないので(個人的には納得いかないところは多いですが)
作品全体の感想としては、可もなく不可もなくとなります。


以上