アニメ「蜘蛛ですが、なにか?」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

プロローグに長い長い時間…1クール(3ヶ月)を掛けた作品。
2クール作品だからこその構成だろうけど、プロローグが長すぎて辛かった作品です。


物語のプロローグとなる1クール目は、主人公が洞窟の中にいる話だけで完結します。
洞窟の中でコツコツ地味にレベルアップし、ちょい格上の相手とバトルを繰り返すだけの展開で、1クールまるまる消費します。
この洞窟編がホント同じ事・単調な繰り返しで観ていて辛かったぁ…多分主演が悠木碧さんでなかったら途中で飽きてイライラを募らせていたと思います、悠木碧劇場だけが唯一の救いでした。

 

ゆっくり丁寧に描いていると言えば聞こえは良いですが、基本主人公一人なのがねぇ…、洞窟の中で誰とも関りを持たないから、関係性の変化や物語の大きな展開というのも訪れず、先も述べた様に、同じ事の繰り返しとなりそれが1クール(3ヶ月)続くのが辛いのです。これがもし洞窟内で掛け替えのない仲間と出会うなどのドラマがあればまだ良かったのですが…。
…一応、勇者サイド(主人公は魔王サイドとなります)のストーリも同時に描かれていてそちら側の話は展開はするのですが、でもあくまでメイン(主人公サイド)は洞窟編だからねえ…。


2クール目からは洞窟の外に出て色々な人間や魔王との関りも広がり話が進み面白くはなるのですが、ちょっとプロローグの洞窟編長すぎでしょ…と感じてしまうのです。

 

原作がどんなだか知りませんが(原作がTVシリーズ同様に洞窟編が超長編なのか?それとも2クール構成でやろうとした場合原作に追いついてしまうorキリの良いところで終われない等の事情がありTVシリーズ用に構成を変更しているのかも知れませんが)
洞窟編をもう少しコンパクトに纏め(7話くらい?)、以降の話をもっとじっくり見せる構成にして欲しかったですね。


あと、洞窟編の構成以外にもダメなところ、気になる部分があります。
それは、蜘蛛のモンスターである主人公が「人間を○○して△△る」のはどうかと…。前世(人間だった頃)の記憶があり、心までモンスターに変化した訳ではないのに
躊躇なくそれをやってしまう主人公の設定はどうなのでしょうか?
心までモンスターになったのかと思えば、命を狙われてる赤ん坊を助けたりと人間らしい心が残っている様で、そこら辺の性格設定がよう分からんですな…。

 

他に、物語全体の構成も巧くないです。。。
異世界転生時にクラスメイト全員を転生させ、そして物語の流れ上、クラスメイトを対立させて悲劇展開ネ、としたいんだろうけど
ろくにキャラも分からない、思い入れもないクラスメイト達の対立を描かれても、観てるこちらは何のドラマ性も感じらんのよ…。
(まあ唯一面白くなりそうな気がするのが女性転生した男子生徒キャラの話ですが…、どう決着するんだろうね、今の時代下手に扱えないテーマじゃないのかって気がするけど…一番無難な決着は女性転生した生徒に死に際に告白させる、みたいな展開でしょうけどまさかそんな事しないよね?)


最終話、主人公は大勢にのみ込まれるように魔王側に入りますが、2期あるとしてこれ面白くなるのかね?
勇者側、魔王側と別勢力としての主人公が居てどちらに付くのか!?、みたいな話ならまだ楽しみも残るってもんだけど、魔王側に付いちゃうんだ…とこの先の展開に不安しかないです。


以前からタイトルを耳にしていたので面白いのかなと期待していたのですが…、その期待値分ちょっとガッカリな構成、設定の作品でしたね。
それと作画について…、一部不安定(動くべき所が動かず止め画になってる等)な所があったりしましたが、まあ作品全体の評価としては可もなく不可もなくとなります。

 

以上