アニメ「転生したらスライムだった件 第2期 第1部、第2部」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「転生したらスライムだった件 第2期 第2部」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


分割2クールの作品。
第1部の方は、侵略受けて、仲間が死んで、生き返らせるまでの物語として構成が出来てたと思います。
(まぁ蘇生はご都合展開ではありますがね…)

 

しかし、第2部の方は酷いね。第2部の半分以上が「会議回」でしたよ…どゆこと?
普通、原作小説をアニメ化する際、1クールで小説2~3巻分を消費しますが、半分以上が会議回てどういう事よ?
原作小説丸々1巻分が会議回だったって事?それともアニメが引き延ばし引き延ばしのシリーズ構成をやってるのかね?

 

まぁ原作通りだとしてもアニメ用編集だとしてもどちらにしてもダメなんだけどね…。
以前の日記でも書いたけど、
「アニメ化するにあたりその1話の中での見どころ、盛り上がりを創りきれていない制作側の問題。
話の密度を濃くしてテンポよく次の章へ話を進めるべき。ただ単に原作を忠実に同じペースで進めるのではなくその話の内での見どころ見せ場というものを計算し、時には原作の話を思い切り端折ってテンポを変え、視聴者につまらなく感じさせない、飽きさせない工夫が必要」
これに尽きる…相も変わらず同じ事やってる。

 

会議のみで進む話に視聴者は退屈だろう、とは考えんのかね?

 

別のアニメオリジナル作品の例ですが、某大御所監督は毎回必ず2回は戦闘シーンを入れる事、それさえ守ればあとは自由に書いて構わん(当然チェックは入るが)、として
脚本を書かせていたようです。その2回のアクションシーンで視聴者を退屈にさせない様に意識していたのでしょうね。

 

翻ってこの作品の監督、脚本はただただ原作通りに動く画にする事だけに終始し、視聴者を意識した話作り、画面構成が出来ていなのです(第1期の頃から)。
脚本の仕事って、原作小説を転記する事なの?違うでしょうよ。会議、会話ばかりで退屈だろうと、視聴者目線になって少しでも考える頭があれば1話1話の見どころを意識して話を作れば良いのにそれをしない…、その発想もないのか…。


原作小説の会話を一字一句会話形式でアニメにするのではなく、ナレーションベースで要点を纏めるとかすりゃ良いのに…そういう工夫をしてテンポ上げて1話1話の話の魅せ場を作れないのかね…。

 

と、ここまでアニメーション制作側の問題について述べましたが、原作小説も問題なんですけどね。
2部の半分以上を会議回で消費したので、後の展開は怒涛の盛り上がりだろうなと考えていたのですが、何だあれは…。あまりにも呆気なく終わった。
散々引っ張って引っ張った結果がアレかよ…という感じです。怒涛の盛り上がりを期待していたからこそ会議回にも多少は我慢が出来ていたのですが…盛り上げ方がヘタよね。。。
あんな結果なら余計に、長々と会議回をやらずサッと終わらせて、戦闘もサッと終わらて次の章に行く構成にすりゃ良いのに…。
一応、シリーズ構成としては纏まってはいるけど、ツマラナイ物語でしたね。。。

 


あと原作問題ついでに一つ、前々から思ってたけど強さ設定がよう分からんのよね。
暴風竜の強さ分からん。勇者(人間?)に封印されるような奴だから知る人ぞ知る的な強さかと思っていたら、魔王クラスもビビるみたいね…魔王もピンキリみたいだけど。

そして魔王となった主人公スライムの強さもよう分からん。
多分魔王の中でも上から数えた方が早い位置に居るとは思われるけど、その力量差がはっきり示されておらずよう分からんのよ。
ザコ敵には余裕かましてるけど真の強者には焦ってる、という描き方。覚醒して強くなったんじゃないの?それでもまだ上が居るの?どのくらいの差があるの?

一度敗けたあの人間の剣士には勝てる強さになったの?そして部下の強さはどれくらいなの?部下が魔王(覚醒前)に勝ってたけどその強さ設定で良いの?前は異世界召喚された人間に敗けてたけど魔王超えるほどに強くなったという事なの?それとも魔王が元々異世界召喚された人間以下という事なの?
等々…まだまだ在りますが、作者の「強さ設定」が出来ていない様に感じるのです(そこもあまり好きくない所なのよね)。

 


第2部のストーリーについての疑問、納得できない点もありました。
それは、第1部では仲間が死んで生き返り、第2部でその復讐に生き返った仲間も連れて行く事、についてです。
え?強敵相手なんでしょ?また死ぬかもとは考えないの?それとも確実に無傷で勝てる算段でもあるのかと疑問なのです。
下手したらせっかく生き返られたのにまた死ぬよ?不安じゃないの?何か策でもあるの?それとも生贄さえあれば何回も蘇生可能なの?
復讐するなら二度と仲間を失わないために主人公一人でやる覚悟で挑めよと思ったのですよ。(多分一人でやれる実力あるんでしょ?)
とその主人公の思考・行動に納得がないのです。

 

 

作者の創る物語にも納得がない(酷く貶すほどではないにしても)、アニメーション制作側にも視聴者を意識した話が造れていない等の問題がありますが、構成がメチャクチャという訳はないので、
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

以上