録り貯めしていたアニメ「世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。
そのタイトルからそこらにゴロゴロ転がってるなろう系だと思っていました。
しかし、いざ視聴を始めるとしっかり丁寧に作ってありゆっくりと物語が進んで行きます。
主人公が成長するまでの話、主人公の仲間が集まるまでの話が8話か9話くらいまでかけて描かれているのです。
じっくりゆっくり時間かけて描いているなぁ~、とその丁寧な造り、しっかりとキャラの過去・主人公との出逢いの経緯を描き納得を作ろうとする構成には好感が持てるのですが…、
その納得を作ろうとしている物語が物語ではない…。
物語ではない、というのは語弊がありますが(ちょっと言い過ぎ感はありますが)、
ゆっくり丁寧に描かれている、主人公の思考や魔法の構成、各キャラの過去、等々…納得を作ろうとしているのは理解しますが、
それらが全て「説明」なんですよね。物語ではない…ワクワクドキドキする様な面白い「物語」ではない、エンタメではない、ただの「説明」になっているのが難点なんですよね。
描かれてるキャラの過去や心情は理解できますが、「キャラクター」としての魅力が薄いため、「物語」を描いてるはずが「紹介・説明文」の域を出ず物語に熱く入っていけないんですよね。
納得を作ろうとしている構成自体は良いけど、お話そのもの、魅力的なキャラクター造りが巧くないのがこの作品の欠点ですね。
また、キャラクターの魅力以外にも、本筋・家業となる暗殺業務の話も面白くないのよね。悪くはないけどハラハラドキドキする展開がない~主人公が最強であるためピンチに陥らない、という話ではなく、いけ好かない敵をぶっ飛ばす爽快感や痛快な展開がないという事…。また人身売買や薬物など扱うお話が重く暗いのも問題~なのです。
じっくり丁寧に描き納得を作ろうとしている点に好感は持てるのですが、お話そのものが巧くない・面白くない、というのが残念ですね。
あと、アニメでのシリーズ構成について、少々問題が…。
第1話で主人公とその仲間が全員集合しているエピソード…時系列的には全12話中一番最後の話を最初に持ってきている訳ですが…それだけなら別に良いのです。
問題は、最終エピソード(11話、12話)で描かれる話がメインヒロイン?(銀髪の娘)の生死に関わるエピソード、だという点です。
いや…第1話で主人公と行動を共にしている無事なメインヒロインの姿を見ているので、何事もなく11話12話の事件が解決するのがもう分ってるんだよね…。
最終エピソードにメインヒロインの生死に関わるエピソードを持ってくるつもりなら、第1話に時系列的に最後(最新)となる話を持ってきちゃいけないでしょ…という問題。。。
緊張感がまるでない最終エピソードでしたよ、というお話。
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。
以上