アニメ「プラチナエンド」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「プラチナエンド」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


DEATH NOTE」、「バクマン。」の大場つぐみ×小畑健作品だったので期待していたのですが、設定、ストーリー展開、結末等々、色々とガッカリな作品でした。


まず、13人の神候補という設定やそのバトルロワイアル的な展開から思い出されてたのは、「未来日記」でした。

 

ガワは未来日記に似てるなーと感じたのですが、なんか不思議ですよね。。。
未来日記っておそらくDEATH NOTEで行われた様な頭脳戦・心理戦に影響を受けて描かれた漫画だと思うのですが、

今作プラチナエンド未来日記のガワ設定と酷似しているのは、影響を受けたのか、大場つぐみが「もし自分が未来日記のガワ設定を使って物語を描くならこうする」という
挑戦だったのか分かりませんが、DEATH NOTE未来日記プラチナエンドの流れがなんか変な感じというか不思議で面白いですね。

 

しかし、設定(特殊能力の設定)はともかくストーリー展開がいただけませんね。


赤の矢、白の矢の設定はまだ良いです(特段面白い設定でもありませんが…)。。。
矢の設定自体は『デスノート』の能力を分割したものですね…死の直前の行動を操れるというノートの能力を、他人を(惚れさせる事で)意のままに操れる赤の矢と刺した相手を絶命させる白の矢という能力に分割したもの。
デスノートの能力では「他人を操る」能力と「確実な死」がセットになっていたので、赤の矢の能力は多少は汎用性があるかな?…しかし、同じ人間には一度しか効果がないという制約が汎用性をほぼほぼ消してますがね。まぁ能力設定的には『デスノート』より『コードギアス』の絶対順守のギアスの方が近いですね。
(これも以前書いていますが、『コードギアス』は元々『DEATH NOTE』の影響を受けて制作されていると自分は考えているので、デスノートコードギアスプラチナエンドの流れになっているのがまた面白いですね)

 

矢の能力設定自体は目新しくもなく特に興味を惹かれる事もない設定なのですが、別にマイナス評価にはなりません。
問題なのはそのストーリー展開ですね。バトルロワイアル的な展開は、まぁ…まだ良いですが、そのバトルの見せ方に問題があると考えます。

 

DEATH NOTE大場つぐみに期待していたのは、頭脳戦・心理戦なんですよね。それなのに…物語前半のあの展開。。。真正面から矢を打ち合ったり銃火器使ったり、と「武力・暴力」の使い方、見せ方が期待していた「頭脳戦・心理戦」と巧く噛みあっていないのよね…(それは例えば、DEATH NOTEの第2部(ニア、メロ編)の序盤の誘拐やらミサイルやらマフィアやらの「頭脳戦・心理戦」を無視した・お構い無しに全力で「武力・暴力」で殴りつけてくる展開の様なつまらなさなのです)。
別に「頭脳戦・心理戦」と「武力・暴力」を作品中に同居させるな、という話ではないのよ…「頭脳戦・心理戦の上にある武力・暴力」という巧く絡みあったストーリー展開なら良いのです(それか『嘘喰い』の様に知能担当と武力担当を分けてバトルさせるか、ですね)。


そしてなにより、物語前半の敵役のヒーロー野郎が下衆すぎてね…小さな子供相手に躊躇なく白の矢をぶっ刺したり(そもそも天使は何を思って色々と未成熟な子供なんかを神候補に選んだのかというところから納得がない)、人質を取ったりとただただ下衆でしかない。

そしてそのヒーロー野郎の過去やそこまで下衆な事をやって何がしたいのかという目的もとんでもなく弱く全く納得がないのです。主人公と対峙する敵役に魅力がなければ物語は当然面白くなんかなりませんよねぇ…。
「キラとL」の様な関係の物語を描けなかったのかねぇ…、「バクマン。」でも魅力的な敵役の重要さを説いていたのにねぇ…(DEATH NOTEのLはホント超魅力的なキャラですよね、Lというキャラを創造できた事がDEATH NOTE大ヒットの要因ほぼ半分を締めていると自分は考えています)。

 

また、後半の敵役の博士も特に魅力的でもないし、前半戦は身を潜めて事の成り行きを見守るだけで姿を現す事もなく物語後半になって急にポッと現れた様なキャラに魅力も何もありません、というお話。

 

その後の展開も…。
神だのクリーチャーという話の展開や最後のあの全滅エンド…。
いや…最後の最後に文字だけ出てきた神々?(クリーチャーども)の言葉がこの作品のテーマなのかもしれんが、
大場つぐみは、あの全滅エンドで読者・視聴者が「あ~面白かった、読んで(観て)良かった~」となると本気で・真剣に考えていたのかと疑問・納得がないのすよ。


これならDEATH NOTEの派生作品である「未来日記」の方が面白かったよ…。


作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

あと、どうでも良い事ですが、前半戦の終盤にジョジョ5部の暗殺チームリーダのリゾットが出てきたのは笑った。

 

以上