アニメ「その着せ替え人形は恋をする」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「その着せ替え人形は恋をする」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


物語の導入・設定を大雑把に説明すると、男子高校生の主人公が同級生の女生徒に服を作るお話。
この導入・設定だけを見ると同じ様な作品として「ランウェイで笑って」がありますが、う~ん、この作品は「ランウェイで笑って」の劣化版ですね。

 

「その着せ替え人形は恋をする」より「ランウェイ~」の方がキャラの造形・設定、話の展開のさせ方、キャラの言動に納得・説得力があるのです
(「ランウェイ~」ではキャラのセリフにハッとさせられるシーンとかあったからね)。
まぁこの辺りはスクエニ講談社の編集者の差かな?(もちろん作者のセンスの差もあるだろうけど)

 


お話の内容について。
まず思ってたのと違ったのが、主人公の人形師としての話・物語がほとんど語られない事。
タイトルにも「~人形~」とあるので、人形師話とコスプレ話が【5:5】くらい(最悪【4:6】くらい)で描かれるものと考えてましたが、
人形師の話はほぼなかったですね…【1:9】くらいしかありませんでしたよ。

人形師としての設定の意味は、雛人形の服を作った事がある、服飾のスキル・服飾制作の経験があるという導入・設定以上の意味はないのです。
作中、「コスプレ」についてはめっちゃ熱く語ってんだけど(俺的にはそんなに響かない内容でしたが…)、「人形師」の事はほとんど語られないのよね…、
これならタイトルに「人形」の文字入れるよりもっとコスプレ感を前面に出したものにすれば良いのに…、このタイトルの付け方からも作者、担当編集のセンスが足りなさが見て取れますね。

 

で、引き続きタイトル問題。
「その着せ替え人形は恋をする」の「着せ替え人形」ってコスプレイヤーを着せ替え人形に例えている・人形扱いしてるのが気になるのだけど…良いの?
着せ替え人形って雛人形の事ではないよね?そんな描写なかったし。。。
コスプレイヤーについて作中あんなに熱く語っていたのに、コスプレイヤーを服を着させれるだけの意思のない「人形」扱いするその言い回しをタイトルに付けるそのセンスのなさ…、このタイトルの付け方からも作者、担当編集の(以下略)。


次に、ヒロインの描写というか作風についてですが、ちょいエロを通り越して「下品」なんですよね。
もしかしたら担当に求められてエロをグイグイ押し出してんのかも知れんけどさぁ…、ヒロインの性格が物語序盤は性に対してオープンな性格を描いていたにも関わらず中盤~終盤はウブな感じを見せていて、
もうヒロインのキャラクターがよくわらかんくなってるのよね。。。まぁこの辺りもスクエニ講談社の編集者の(以下略)。


で、最後の問題。シリーズ構成について。
あの最終話なに?1クールの物語として全然締まってないじゃん。
最終盤の第11話、第12話…あの話の内容って最終盤でやる話ではないよ…。
あれって7話とか8話の中盤でやる話だよ…そんな内容の話でシリーズを締めるなんてどういう構成なんだろね。
普通の構成だったら、ヒロイン3人での撮影会の話を最後に持ってきて3人のヒロインそれぞれが主人公への好意を自覚する、というちょっとしたハーレムエンドでタイトルの「その着せ替え人形(達)は恋をする」につないで終わるのが一番良い形だと思うのだけれど…それなのに特に主人公とヒロインの仲が大きく進展する話でもないどうでもいい内容の話でシリーズを締め括ろうとするその構成の意図が分からんのよね。

 


と、タイトルに始まりヒロインのキャラクター、シリーズ構成と「ランウェイ~」と比べて劣化版となる当作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。


以上