アニメ「CUE!」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「CUE!」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


まず、キャラ多い、多過ぎ…。
第1話の冒頭、キャラが次々と事務所に集まってくるシーンにおいて10人を超えた辺りでもう「おいおいおい、いつまで続くんだ…、あと何人出てくんだよ」と観ていて怖くなって震えが起きたほどでしたよ…。
結局メイン15人現れましたよ(物語中盤でもう一人増えて最終的に16人になりますが)。
アホか、と思ったね。1クールで絶対に捌ける人数ではないよ(当初1クールものだと思ってた)。

 

いや、物語最序盤を観て思ったのは、ある程度印象に残った登場人物達の内の
声優チーム:主)、声優チーム:相棒、アイドルチーム:元気っ娘、ラジオチーム:子役上がりっ娘、声優チーム:寺っ娘
の5人くらいで良いんじゃないの?それくらいに絞った方が当番回+深掘り回が出来るちょうど良い人数だと思うのだけど…。。。


それとあと気になったのは、
主人公達?は声優に関する知識がない全くの素人なの?養成所に通ってたという設定ではないの?専門学校なり養成所を卒業しての事務所所属組じゃないの?
街で急にスカウトでもされて声優になった訳ではないんだから・夢、希望をもって自ら声優の道を選んだのだろうからさぁ、普通にアニメを嗜んでいる人間が知ってるくらいの知識は持っておけよと観ていて感じたのよさ。。。

 


そして設定周りについて。
主人公達の所属する事務所の社長は有名声優という設定で独立して事務所を起ち上げたらしいけど、声優の卵を・新人のみを雇用して事務所経営って無理あるだろ…どんなパトロンがついてんだ…。
まぁここは導入・設定の部分なのであまり深く考えず飲み込みますが…。


あと、声優にスポットを当てた話…アニメ制作の現場を描いた作品という事でどうしても「SHIROBAKO」と比較してしまうのですが、
この作品の声優の卵の娘たちはなんやかんやで上手く行ってる(仕事に対する悩み等はあっても生活に苦しんではいない)みたいなのよね…。
バイトして食いつないだりしないでもやって行けてるみたい(一部はバイトしている様ですがバイトしないと生活していけないという感じではなさそう)。
飯付き?の寮みたいなところで集団生活してるけど、家賃とかもないのかね。ホントどんなパトロン付いてんだこの事務所、なんかもう逆に怖いわ。。。

 

そして「設定周り」より問題なのが「脚本」問題、なんですよね。
登場人物達の言動がおかしいというか不自然というか流れに沿ってないというか納得がなく低レベルなアホな会話をしている…、
なんだろ?お話を小学生向けにでも作ってるのかね?(子供相手であれば不自然な会話・流れに合わない会話に気付かないと考えているのか)
それともただ単に脚本家の技量の問題か?おそらく後者でしょうね。。。

 

一つ具体的な例を挙げると、
第6話の迷い猫を拾うお話において迷い猫の飼い主が事務所に現れ、
メインキャラの内の一人の猫を拾った娘(…以下「メイン(猫)」)が別れを惜しんでいる様子を見て、メインキャラ(子役上がり)が猫の飼い主に話しかけるのですが…。
飼い主に対し「飼い主の方ですよね?」だって…なんじゃそりゃ。。。
いや、今更何言ってんだお前と感じるセリフを吐くのですよ。
迷い猫の飼い主ですと言って事務所に現れてからもうある程度は時間がたった頃合なのよ…。別に街中で突如飼い主と出くわした訳でもないのに…、
どうしてそういう問いから会話に入るの?と全く物語の展開の流れに沿っていない納得のないセリフを吐くのですよ。

 

そして、その後吐いたセリフがまた訳分らんのよ。
「まず、メイン(猫)にお礼を言ってあげて」とお礼の強要。。。なんじゃその展開…、全く納得のない訳の分からない会話・流れ・物語展開を繰り広げる…気持ち悪い。。。

 

いや、この回で描きたかったのはメイン(猫)の当番回とメイン(子役上がり)の関係を深める様な話をやりたかったのだろうけどさ、
もうその目的しか見えてなくて、そこへ至るまでの話の構成や細かな会話の流れというものが全くできておらずそのため不自然さ、違和感、訳分らん話の展開をする事になってるのよね。


第6話を例に挙げましたが第1話から話の構成、会話の流れがおかしい所はちょこちょこあって…特に序盤の話は強く話の構成、会話の流れのおかしさ、不自然さ、違和感を感じますよね。
で、そのおかしなお話の元凶はというと序盤の脚本家でシリーズ構成担当の浦畑達彦さんて人なのよね。。。
この人の脚本は中盤、終盤になってもそのおかしさ・不自然さ・違和感が目立ってすぐにあー浦畑脚本だな、と分かる程でしたよ。

 

中盤、終盤の話でおかしな話の例を挙げると
16話のタイムカプセルの話…タイムカプセル保管してますの連絡を受けて学校へ行ってみるとタイムカプセルは埋め直されてて掘り出す所からやるってアホか…。
普通タイムカプセルってクラス単位とかでまとめて埋めるよね?学校側はなに?どゆこと?一度タイムカプセル掘り起こして他のクラスメイトの分は取り出したけどメイン(子役上がり)の分だけまたタイムカプセルに入れて埋め直したって事?それどんな嫌がらせだよ。。。保管してますの連絡を出しておいて勝手に埋め直して欲しかったら掘り出せって普通に考えておかしいだろ、なアホな展開をする脚本。

 

20話のメイン(ピアノ)キャラが留学する話…事務所に所属していてアイドルプロジェクトも進行している中で留学って…。で、その話のオチはというと短期留学だったというもの…いやいやいや短期と長期とかそういう話ではなくて
お披露目も控えている中でこれからが追い込みの時なんじゃないの?そんなときに短期とはいえ海外留学なんてアホじゃないの?そもそもそんな短期の留学で本当になにか得る物があるのか甚だ疑問…なアホ展開をする脚本。

等々浦畑脚本はツッコミどころ満載の納得のない脚本でしたとさ。


他に浦畑脚本のキャラクター設定についても少し述べると。
第12話
メイン(声優チーム:主)がアフレコ現場にて、アニメ上での役名で呼ばれて「え?」と返すシーン。
いやいやいや、初めて台本を目にしたわけじゃないよね?事務所で自分の役名聞いてたよね?それならアフレコ現場でのやりとりについても話の流れ的に理解できるでしょ?(メイン(主)は現場では話を聞き流してたのかな?)
また事務所のシーンでも、周りから「(メイン(主)の役は)原作に出ていなかったよね?」という旨のセリフに対しメイン(主)が「え?そうなの?」みたいな返しをするのですが…、
それを聞いて自分は、え?メイン(主)は原作読んでないの?自分には役が与えられていないから・モブ役だから必要ないと考えて原作読んでないの?そういう考えをする不真面目な娘なんだメイン(主)のキャラクターって…。
…ホントにそういうキャラクター設定で良いの?シリーズ構成さんよぉ…と納得がないのです。

 

で浦畑脚本とは逆に良かったのが土田脚本でしたね…う~ん、正確には土田脚本というか18話19話辺りのメイン(悪魔っ娘)脚本ですかね。
メイン(悪魔っ娘)は中二病的なキャラなのですが、実はまじめで周りの事もよく見えてる良い娘でキャライメージの強さ・インパクトもあってこの娘が中心に居た方が(メイン(声優チーム:主)より本当の主役っぽいし)面白くなると思うけどな、キャラクターなんですよね。
このメイン(悪魔っ娘)が絡んでくる中盤以降の話は面白かったですね。
18話19話は面白く土田脚本良いじゃんと思っていたのですが、その評価を下げたのが21話のメイン(元気っ娘)の回。
メイン(元気っ娘)のキャラをこの回で急に壊しに来たからね。これまでそんな片鱗を全く見せなかったのにキャラが180度変わる様な事をやってて、あーこんなアホな展開するのはこれ浦畑脚本だな…と思っていたら土田脚本でガッカリしましたとさ。
って事で土田脚本が良かったのではなくメイン(悪魔っ娘)関連話が面白かったのだなと認識を改めたのでした、というお話。

 

そして次にシリーズ構成について。
序盤
声優組(4人)、
アイドル組(4人)、
の活動をしてる8人とあぶれ組(7人)に分かれますが
あぶれ組もその後
ラジオ組(4人)
演劇(4人)
に分かれます。

…こんな少人数グループに分けて話を構成するのなら最初から全体の人数を減らしゃあ良いのよ、と感じるアホ構成。
総勢16人はどう考えても多すぎる。2クール物だとしても声優組と演劇組の8人くらいが限界じゃないかね。

 


あと、あぶれ組(ラジオ組、演劇組)が事務所所属のタレントしてどうか…と思うのは、
演劇組はボランティア公演してるみたいだからまだ良いけど、
ラジオ組ってなんだよ、お前ら一番何もしてねぇなと感じたのよね。
趣味で遊んでるだけの様に見えるのよ。
ラジオは毎日録ってんのか週1更新なのか分からんけど別に4時間、5時間、6時間も話してるわけじゃないでしょ?
せいぜい1時間、長くても2時間てところでしょ(それ以上だったら聴く方もキツイわ…)。

それ以外の時間ラジオ組は何やってんの?遊んでんの?
他のグループはそれぞれの仕事だったり、練習したり(アフレコだったりダンスだったり演劇だったりの)やってんだろうけどさぁ…、
ラジオ組…お前ら何やってんの?せいぜい1時間か2時間喋るラジオ以外の時間なにやってんの?遊んでんの?良いなぁうらやましいな…ヒマそうで…。

 

それに知名度もない声優の卵のラジオなんて一体誰がどれくらいの人数聞いてんだか…せいぜい再生回数三桁いくか行かないかくらいでしょ。
いや、所属タレントしてもっと事務所の利益になる事やろうとせんかね?(ラジオに広告とか付けてるのかもしれんけどさ、そういう事ではなくて)
まぁ中盤以降でこのラジオが仕事につながる事になるんだけど…ご都合も良いとこだよね…、
まだ本格的にデビューすらしていない知名度皆無の声優ラジオをたまたま?どういう経緯かさっぱり分からんが金持ったファン・リスナーが仕事をくれる事になったというご都合もご都合で呆れ返るほどアホな展開する脚本。

 

ホント浦畑脚本は毎話ツッコミどころがあると思いますよ、逐一メモ取ったりしてないので全部は挙げられないですが…。


そして、最終回、ラス前の構成。
ラス前はアイドルプロジェクトのお披露目回になるのですが、これまでの集大成みたいな話には全くなっていなくて
ただワヤクチャになって16人がデビューしたってだけのお話でしたね。。。
最終回は次に・新しい仕事につながるみたいな話でしたが、まぁこれもこれまでのは話が活きてきて最高に盛り上がる展開・構成になっているかというと全くそうはなっていない、
2クールという時間・話数をほぼほぼ無駄に使っただけと感じる最終回(ちょっと言い過ぎかな…)、まぁ大して盛り上がる事もなく特段面白くない最終回でしたよ。

 

作品の評価としては、色々と書きましたが「不可」とするまでは酷くないので
可もなく不可もなくとなります。


以上