漫画「ワールドトリガー 25巻」 ~感想

漫画「ワールドトリガー 25巻」を読みました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


「嘘つきブロッコリー、ヤバいな。ヤバいやろ、え?ヤバない?」な水上の嘘つきブロッコリーの真価が発揮された巻でしたね。

 

前巻に引き続き閉鎖環境試験の話となりますが、いやぁ、やはりキャラが良く造られてるから大きな事件や展開が起きなくても読ませる事ができるんですよねぇ。キャラさえ上手く構成・設定できていればそれだけでお話が出来る・面白くなるという良い例ですね。
試験対象者+A級の審査員、そして大人たち(上層部)これでもう80人くらいになるんじゃないかな?良くこれだけの数のキャラを登場させて混乱せずしっかり管理(あーこのキャラならこう言うよなぁ、と納得のあり自然な会話を展開)できるよなぁと、葦原さんのキャラ造り、管理、構成(見せ方)に感嘆するばかりですよ。

 

今一番続きが気になる・次巻が待ち遠しいコミックスですよ…でも、葦原さんには無理せずに描いて欲しい。。。


今巻ももちろん面白かったのですが、個人的には前巻(24巻)の方がよりニヤニヤしながら読めたかなぁという感じ。
色んなキャラの色んな面を見れるのが面白かったのよね、24巻は。今巻はなんというか嘘つきブロッコリーの印象が強いというか異常さ・ヤバさが目立った水上回(水上巻)という感じでしたからね。
もっと玉狛第2のキャラの活躍(修以外の)を見たかった、と感じたのよね。
いやね、もちろん今巻でも水上以外のキャラもしっかり描かれていますよ。
別役太一のキャラなんかは今巻で魅力が深まりましたよ…「鈴鳴の先輩たちに申し訳ない…、試験では役に立ちたかったけど…俺ってホントに何にもできないんだな」と落ち込む太一のキャラ。
そしてそれを励ます影浦のキャラとその後の太一の「犬飼先輩は恨みます」も良い(面白い)ね。

 

で、意外な一面が見せてくれたキャラとして、選抜試験で水上9番隊に居る照屋ちゃん(柿崎隊)。柿崎隊に居るときは隊長を支える健気な女性キャラかなと思っていたのですが、水上相手に結構攻撃的というか立ち向かっていく…そんなキャラだったのね、とキャラの色んな面を見せてくれるお話は面白いですね。

(ネットでワートリ25巻の感想を見てた時、照屋ちゃんが柿崎夫人と呼ばれているのは笑った)

 

そして、今巻で一番に取り上げるべきはやはり表紙(中央)にもなっている嘘つきブロッコリーこと水上敏志(漫画家の方と間違えそうですが)…今巻はホント水上回(水上巻)でしたよ。
(水上中心回(巻)となっているため、主要キャラ(修以外の玉狛第2のキャラ)の出番が削られる結果となってる?)


初登場時で見せたのは、アステロイドと言いながらハウンドを撃つという様なまだかわいい嘘つきブロッコリーだったのですが、閉鎖環境試験で見せた嘘つきの度合いが異常・ヤバいね。。。

 

で、作中でも議論となっていた「水上のやり方アリ派/ナシ派」ですが、自分は『ナシ』だと考えますね。
この問題は、本質的には24巻でヒュースが提案した共通課題のカンニング解答法と同じだと思うんですよね。
やはりこれが「試験」である事を考えるとたとえ「カンニングしてはいけない」や「一人で戦闘シミュをやってはいけない」と明示されていなかったとしても、
「試験」を通して個別の能力を見る事が本質にあると考えると『ナシ』になると考えます。
水上のやり方は戦術的にはありだけど「試験」として考えた場合やはり『ナシ』になるかなぁ。

 

まぁ共通課題と戦闘シミュでは個人戦/チーム戦の違いはあるのですが…、しかしそれでも嘘つきブロッコリー(以下嘘ブロ)が「独断」でやっている事が問題となる訳で、
これがもしチームメイトと相談した上で皆が納得して「一人で戦闘シミュを行う」(1日目は照屋、2日目は荒船、3日目は樫尾…の様にローテーションする等)ならば『アリ』になると考えます。

 

…嘘ブロは納得が得られる公算が低いと判断し独断専行するのですが、これだと「戦闘シミュ」での水上以外の隊員の評価・試験が出来ない事になるんですよね、というお話(ポイントだけを競うただの「ゲーム」なら全然アリだけど)。
まぁその分「戦闘シミュ」以外のところでA級隊員は評価しているみたいなのですが…、「戦術的にはありだけど、これじゃあ評価できなねぇじゃん(少なくとも他のチームと同様の基準では評価が出来ない、評価が難しい)」、という文句がA級隊員から出ないのかなと疑問はちょっとありますが。。。
(しかし、この「戦闘シミュ」ゲームで何を評価したいのか今のとこよう分からんのですがね…弓場みたいにゲーム操作が苦手というパターンもある訳でその場合は何を評価されるのか…)

 


戦闘シミュは2日目になりユニット数も増えて、嘘ブロのネタも割れたのでこの後大きく動きそうで面白くなりそうで、
(嘘ブロの処理能力的には3日目にたとえ倍になったとしてもイケるのかね?一瞬で何手も先の盤面を何パターンも考えられる様なプロ棋士(候補生)ならまだ余裕か?)
今、一番続きが読みたい・次巻が待ち遠しいコミックスです…。

 


以上