アニメ「異世界薬局」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「異世界薬局」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

第1話を観てまず気になったのは、
アニメ「ナイツ&マジック」 ~感想でも同じ事を語りましたが、この主人公が転生を自覚するのは10歳くらいになります…では、それ以前の主人公の肉体に存在していた人格はどうなったのか?元々居た人格は消えたのか?消えた元人格の立場は?という問題が出てくるのです。
説明はされていませんが、まぁおそらく設定的には雷に撃たれたときに元の人格・魂は死んで消滅し、空になった肉体に主人公の人格・魂が入ったという事なのでしょうけど…上述した様に消えた人格の立場は?親・身内の心境としては?(息子が生きていたと思ったら中身は別人・別人格だったという実質死別と同義)という問題が残るのですよね…そういうところ気にならんのかな、俺は気になるけど。。。
別に難しい設定・変に凝った設定にする必要はなく、生まれたとき・最初からor物心ついた頃から前世の記憶を持って育った、で良いんじゃないの?

 


続いて設定面で気になるのが、
魔法という力がある世界で現代医学というか医者や薬って意味あるの?という点。
魔法による治癒なら外科・整形手術は不要となり、またドラクエで言うところのキアリーの様な毒消し関連の治癒・解毒魔法があればある程度ウィルスにも対応できる気がします。
まぁ先天的な遺伝子異常からくる病や長い時間を掛けてゆっくり進行してきた病気は治癒魔法があったとしても対応できないでしょうがね…。

 

しかしねぇ、ファンタジー世界の治癒魔法というものの設定って基本的には「人間が元々持っている自然治癒能力を強化・増幅させる」という設定ではないのかね?
自然治癒力を強化・増幅させるという効果が(治癒)魔法により与える事が出来るのであれば、自己再生/修復や免疫機能を高める事が可能となり、ほぼほぼ全ての病気に対して有効な手段となり得るんですよね。
そうすると(治癒魔法が存在するとしたら)、現代医学の知識・薬学を持っての転生って8割以上意味がなくなる事も理解するので、治癒魔法がない?という設定なのかもしれませんが…まぁ納得はないよね。
いやね、設定的に変に魔法(ファンタジー)要素を入れるからおかしくなる・納得がなくなるのよね(しかし、魔法要素がなくすと主人公の知識にある物質ならなんでも生成できるという能力がなくなってしまうので必要な物質/素材・必要な薬を作れなくなっちゃうんですけどね…、、、これは設定が作り込まれていないから屋台骨がガタガタになってる訳よね)

 


と、設定周りには色々と気に点はありますが、まぁしかしそこに目を瞑れば観れない事もないかなという感じ。

 

 

設定周り以外のストーリ面について、
いやぁ、敵という敵が登場しない・敵はウィルスというのが新しくて良かったですね(最終盤の展開除く)。
最後に「THE・敵」、「ラスボス」という奴が出てきましたが、あれホント要らないね、余計な事したね、敵は目に見えない敵・ウィルス、で最後までずっと展開して良かったのに…残念という感じ。

 


まぁ最終盤以外のお話の展開についても特別面白い訳ではないのですが…特別悪くもないという感じ。色々と気になる点はありますがね。。。


まず思ったのは影がないと分かった時点で影の問題どうにかしろよ、大問題だろ、さっさと誤魔化す方法考えろよとは思ったけど、大事になる(異端審問官が出てくる)まで放置ってどういう了見よ、と納得がなかったり、
薬局ギルドから追い出された店主の店が半壊させられていて、おいおいギルド連中とんでもねぇ輩だな、嫌がらせのレベル超えてんぞ、と納得がなかったり等々、あるのですがね。。。

 

あと最後に気になった点は、この作品って行き詰まるの見えてるのがなんとも…。
現代医学で治療法が確立している病気しか扱えない~その内必ずネタ切れするのが分かっている~のがキツイよね。

 

う~ん、物語を創作するにあたっての設定制作や先々の展開を見据えたお話の構成諸々、色々と作り込みが甘いんじゃないかと感じずにいられませんね。

 

 

色々と書きましたが貶めすほど酷くはないので
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。


以上