アニメ「惑星のさみだれ」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「惑星のさみだれ」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


惑星のさみだれ」、原作漫画は連載当時からコミックス買って読んでいたので知っていました。
まぁ当時からそこそこ有名でしたからね…自分も当時ネットで話題になっていたのをきっかけに読み始めました。
この作品、連載時からアニメ化の話は出ていたみたいなんですよね。しかし作者の水上さんの作品が連載中の間はアニメ化しない(アニメ化するのは漫画が完結してから)という意向を受けてアニメ化されていなかったんですよね(という話・噂を当時聞いた事があったけど、wikiみるとスポンサー不足って書いてありますね)。

 

そんな作品の待ちに待ったアニメ化という事でファンは期待していたと思うのですが…、それがあの最底辺作画。。。ファンはガッカリしたでしょうね、怒りを覚えたでしょうね。


「はたらく魔王様の感想」でも述べた事ですが、おそらく同じ事が起きていてるのでしょうね。
ネットの評判(今こそアニメ化して欲しい漫画作品ランキングみたいなの)を見ただけの様なポンコツプロデューサーが、作品に対して特に思い入れ・情熱もない様なプロデューサーが、自分で原作を読んで面白いと思ったから・好きだから、どうしてもこの作品を制作したい、という熱い思いの様なものはなく、
自らの熱量ではなく話題性だけを見て制作された結果があの最底辺作画…
「人気あるみたいだから最低限の作画・アニメーションでも売れるんじゃない?」という考えで制作された作品、だからこそのあの出来・あの有様なのではないでしょうか。

 

と、作画面についてはここまでで、以下はお話の中身について語って行きたいと思います。

 


水上悟志作品って大きく分けると「散人左道」や「戦国妖狐」の様な『「おとなりさん」・「妖怪」』モノ作品と、今作「惑星のさみだれ」や「スピリットサークル」の様な『サイキック』モノ作品(SF、ロボモノもここに入れて良いかも知れない)の二つに分けられるんですよね。

 

で、俺が好きなのはどちらかというと『妖怪モノ』の方なんですよね
(水上作品の中で「散人左道」が一番好きかも…「戦国妖狐」は月刊コミックブレイドが紙媒体の時までは読んでたけどオンラインへ移行してから読んでないから結末知らんのよね)。

『サイキック・SF』モノも「スピリットサークル」は途中までは結構面白かったけど(特に未来編の、死んだ人間の魂が解放されず閉じ込めたままである事で輪廻転生のバランスが崩れるという設定やブラックホール爆弾のシーンなんかはメチャクチャ面白いと思いましたね…うろ覚えですけど)、終盤・締めがあまり盛り上がらなかった感じなのよね。

 

で、「惑星のさみだれ」はというと、う~ん…決して面白くない・つまらないという事はないのだけど当時の世間・ネットの評判ほどには熱く深くはハマれなかったかなぁ。
いやね、全然悪くはないのよ、水上作品好きなのよ。好きだからこそ今も水上作品を追っかけてる訳で(「最果てのソルテ」も読んでる)。。。

 

でもねぇ水上さんはキャラを作るのは上手なんだけど、そのキャラクターと巧いこと絡みあったストーリーを作る事があまり巧く行ってない感じなのよね。
決してキャラクターとストーリがちぐはぐという事ではないのですが、別々で作ったものが一緒に乗っかってるだけという感じを受けるのですよね。
おそらく水上さんの漫画の作り方ってまずキャラクターや設定(大まかな路線、ジャンル)から作られてるんじゃないですかね?
シーンから(作中一番の盛り上がり所・一番魅せたいシーンやラストシーン)作り始め、そこから逆算的にストーリー、設定の肉付け、キャラクター形成…という手順ではないのでしょうね…知らんけど。
どちらが良いというのはないと思いますが(キャラ特化モノ作品なら前者でしょうから)、俺個人としては綺麗な・計算されたストーリーが好きだから後者(ストーリーから逆算的に作る)の方が好みではあるんですよね。

 

惑星のさみだれ」はキャラクターは良いと思うし、お話自体も熱くて燃える展開であったりとキャラクター単品、ストーリー単品で見ると良い感じなのですが、いざ一緒にしてみるとあまり巧く絡んでいない…と感じられるんですよね。あとはまぁ最初の設定(ビスケットハンマーの設定や魔法使いアニムスの設定)に上手く入っていけない・あまり引き込まれる様な設定ではなかった、というのもあるんですよね。

 


そんな感じでキャラクターは良いけど、お話や設定面でちょっとう~ん悪くはないけどイマイチという感じでしたね。
そこに加えてあの残念作画・アニメーションとなる訳でより損している感じに。。。

 

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。


以上