アニメ「お兄ちゃんはおしまい!」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「お兄ちゃんはおしまい!」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


放送期間中話題になっていた作品だったのでちょっと気になっていたのですが、なぜ話題になったのか良く分からんかった作品。

 

まず、これは個人的な好き嫌いの問題だけど俺はTS物ってあまり好きくないというか楽しく観れない・楽しみ方が分からんのよね。

 

 

まぁそれは良いとしてもこの作品、TS物コメディとして観れば良いのか、兄妹のハートフルストーリー物として観れば良いのか、日常系萌え作品として観れば良いのか分らんのよね…。おそらく全部盛りという感じがしますがね。。。

 

 

しかし、TSコメディとしてもギャグ・コメディが弱いし、兄妹物としても二人をメインにしたストーリーが弱いし、日常系萌えとしても主人公のTS設定のせいで萌えとしても弱い/素直に萌えとして観れない、といういずれにしても中途半端な作品のですよね。

 

TS+兄妹+萌えと全部盛りで欲張ろうとした故か、この作品は作品構成・物語構成がメチャクチャになっていてどこへ向かおうとしてのか訳分からん事になってんのよね。

 

TS物コメディって元男であるという設定が芯にあってそこに男女のギャップみたいな事を描く事で笑いを作るお話になると思うのだけど、この作品は最序盤は多少はそういう面もあったけど3話とか4話辺りで(話数は定かではないけど物語中盤に入る前から)もう既にTS設定の笑いがなくなってきてんのよね…。それにギャグそのものも面白くない…作者にギャグのセンスを感じない…同時期作品で言うなら「トモちゃんは女の子」のギャグ・コメディの方が断然面白かった。


で、TS要素が薄くなってからはコメディから萌えへとシフトして行った感じでスコープが定まらずフラフラフラフラしてる感じを受けるのよね。

 

どういう見方をしたら良いのか分からないから作品・物語にも入って行けずあまり面白さを感じない…そういう事からなぜ話題になったのか良く分からんかった作品という感想なのです。

 

 


まぁただ画はヌルヌル動くね…なるほど、「無職転生」のあのスタジオバインドね。

 

しかし、ヌルヌル動くだけなんですよね。ただヌルヌル動く作画には興味ない。
魅せるべき画を意識してアニメーションしないとそこに全く価値を見出せないのですよね。

 

例えば料理シーンがやけにヌルヌル動いていたけどただの料理シーンを丁寧にヌルヌルで描かれても…そこに何かこの作品で魅せたい画があるというの?料理を扱った作品であるならば分かるけどさぁ今作はそうではない…。

 

 

なーんかスタジオバインドってさぁ、注力作品に「無職転生」を選んでしまうあたりのセンスのなさだったり(今作「おにまい」にしても…)、魅せるべき画を意識しないで無駄にヌルヌル動かすだけの作画だったりと残念なスタジオよね。

 


魅せるべき画を意識して作画している「明日ちゃんのセーラー服」や主人公を魅力的に見せるために主人公の細かい所作まで描いている「ぼっち・ざ・ろっく!」を制作しているClover Worksの作画・表現を見習って欲しい…何でもかんでもヌルヌル動かせばよいという事ではなく魅せるべき画を意識して作画して欲しいと感じますね。

 

 

と、ちょっと話が逸れてしまったので作品・物語内容に話を戻します。

 


最終回のあの展開・締めもどうなの?という感じの終わり。
薬の効果が切れて男に戻れるチャンスだったのですが、旅行中の状態では戻るに戻れず再度薬を服用し(しばらくは)女であり続ける事を選択する主人公が描かれます。
え、それで良いの?主人公・「男」まひろはその存在自体がなくなる・居なくなるというお話になるの?というちょっと怖い話にも思えてくるのよね。。。


女まひろの中学生の友達3人娘…、主人公・まひろが「実は男なんだ…」と真実を告げたとして、3人娘達は「中身はまひろちゃんだから問題ないよ」とはならないのは容易に想像が付く事からも男まひろの存在自体がなくなるお話は充分考えられるんですよね。また男まひろに戻る場合でも女まひろの存在が消える事になる訳で3人娘達にとっては悲しいお話になるのよね。


男に戻るにしても女になるにしてもハッピーエンドとは言えない形になると考える訳なのですよ…、ホントどう終わらすのだろうね、、、一旦男に戻って自分の本当の性は女だと感じてそこから性転換して(外科手術的に)女になって3人娘たちと再会するみたいな終わりになるかもね。
なんにしてもとんでもない終わり方になりそうな気がする。。。

 

 


物語・お話の展開、ジャンル(TS物コメディか兄妹物か日常系萌えか)がフラフラしていたり(どのジェンルだとしても中身が中途半端)、またどうにも先を見据えた物語が出来ている様には思えないその構成から世間の話題・評判程には評価できない作品でしたね(おそらくヌルヌル作画が評価されてた・話題になっていただけなんじゃないのかね)。

 

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。


以上