録り貯めしていたアニメ「日本へようこそエルフさん。」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。
出ましたHJ文庫の微妙なチョイスのアニメ化作品…。
今作「日本へようこそエルフさん。」といい以前感想を上げた「夢見る男子は現実主義者」といい「モブから始まる探索英雄譚」といい、HJ文庫アニメ化作品って、異世界転生してチート能力で無双しハーレムする様なTHE・なろう系のテンプレート展開な作品ではないのが特徴という感じがあります。
今作「~エルフさん。」の導入・設定においても主人公は異世界転移はするのですが、それは夜眠った時、夢の中で異世界へ転移する(夢の中の異世界で死んだり眠ったりしたら目が覚めて現実へ戻る)という設定になっています。
その導入・設定が多くの「なろう系」作品とは違う設定なのですが…、それだけ、、、なろう系テンプレではないだけ(トラックにはねられて転生したりチート能力で夢想してハーレム展開だったり…というテンプレ展開でないだけ)で導入・設定こそ目新しさを感じるものの物語構成、設定的にも大して面白くならない作品が多い、それがHJ文庫作品…、、、HJ文庫が書籍化するなろう系小説のチョイスは、ただ他の多くのなろう系作品と導入・設定だけがちょっと異なる・珍しいというだけでチョイスしている様で(小説の導入・設定部分だけ読んで作品を選定している様で)作品の中身・本質、面白さが見極められていない/中身をしっかり読んだ上で選定されていないと感じられるのですよね。
今作も例に漏れず他のHJ文庫アニメ化作品と同様に微妙な感じの作品なのですよね。
タイトルから想像される内容は、異世界から転移してきたエルフがカルチャーショックを受けつつ繰り広げられる日常系ファンタジーな作品・作風なのですが…、まぁそういう側面も確かに描かれてはいます、が作品の方向性、物語の終着、主人公の目的が示されず色々と中途半端なのですよね。
まず日本へ転移してくるエルフ(ヒロイン)は元の世界へ帰れない訳ではなく夢を通って(主人公と共に眠ることで)普通に現実の世界と異世界を行き来できるのですよね。
元の世界(異世界ファンタジー世界)に戻れず現代日本で生きていくしかなくなったエルフの悲喜こもごもを描く日常系という訳でもなく、夜は(夢の中で)異世界ファンタジー世界での冒険譚が描かれる、というほっこりまったりな「日常系」と剣と魔法の世界での冒険「異世界ファンタジー」という両輪で進むお話が描かれているのですが、そのどちらもが中途半端、目的・ゴールがない/見えないのですよね。
例えば、エルフとの日常系をメインに描くとすれば主人公とヒロインの男女の関係を進める~現代日本での結婚を目的とする~ならば戸籍等の問題を解決するための紆余曲折を描くという物語展開になるかと思うのですが、そんなゴールを見据えた設定・お話の流れにはならないのですよね。
かといって、異世界ファンタジーをメインに描くにしても特に魔王を倒すとかなんでも願いが叶う宝を探しているとかの目標・目的がない/示されていないのですよね…。。。
いやね、ヒロインのエルフさんの反応とかは可愛く描かれているとは思うのですがただそれだけ…、物語作品としての中身が恐ろしいほどに何もないのですよね…さすがHJ文庫チョイス作品(皮肉よ)。。。
ホントこの物語は何処へ向かおうと、どう執着しようとしているのかね?「日常系」としても「異世界ファンタジー」としてもゆるゆるふわふわなままでいつまでも終わることのない物語を続けようと考えているのかね?
知らなかったことを知り知識も経験も増えていくだろうからいつまでも終わらない物語/サザエさん時空様なお話は作れないのは自明だろうにどういう作品構想をしてるのか分からん、理解できない、物語構成に納得が感じられないのよね。
ホントHJ文庫のアニメ化作品って導入・設定の最初のもの珍しさだけで作品の中身・本質が空っぽの作品が多いのよね…もう少し構成のしっかりした作品を選ぼうや、これ以上続くとHJ文庫作品というだけで観る前から偏見が生まれそうだわ。
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。
以上