アニメ「帰還者の魔法は特別です」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「帰還者の魔法は特別です」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


そのタイトルから「なろう系」だろうなと考え全く何の期待しないで観始めたのですが、思いのほか面白かった作品。
(wikiを見ると「なろう系」ではないみたい…、韓国のWEB小説みたいだけど韓国版なろう系な感じなのかな?)

 

「なろう系」に有り勝ちな、話がポンポンポンポン都合よく進んで行く…良く言えばテンポがイイ、悪く言えば粗雑に納得なく物語が展開されるというパターンではなく、丁寧にしっかりと(それでいて間延びしているとかスローテンポという事はなく)描くべきところは描いて物語が納得を持って展開されていきます。

 


物語は、一度主人公が死亡?して記憶を有したまま十数年前に戻り学園入学時点からやり直す感じで開始される事になります。
次こそは死なない様に/同じ失敗を繰り返さない様に、と優秀な能力を持っていながらも前の世界線では十数年に及ぶ戦いの途中で命を落としてしまった仲間達を救うべく(死なない様に鍛える)主人公は行動を起こす事となります。


まぁこのやり直し/リセット設定は「リゼロ」や直近で言えば「ティアムーン帝国物語」辺りが思い出されますが、今作「帰還者の魔法~」は「リゼロ」ほど都合良い設定(何度もリセットできる、セーブポイント更新も何故か主人公に大変都合が良い)ではないし、「ティアムーン~」ほど主人公に都合よく粗雑に話が進む(納得の無い展開)という事もないので好感が持てる作品となっているのですよね。

 


また序盤の入学試験から中盤(終盤)のランキング線までの構成も良かったですね。
1対1の勝負に拘った結果アゼストが主人公に敗北するという入学試験とランキング線とで同じ構成になっているのが良いですね(ランキング戦の場合は二重三重に罠を張り思考誘導をしていたりと入学試験とは全く同じにはなっていないというのも良い)。

 


ホント全く期待していなかっただけに結構楽しく観れましたよ。

 

 

 

が、全く問題がない訳でもないのですよね。
まず、キャラクターが弱い。表面的な属性のみが与えられた様なキャラクターであまり魅力を感じないのですよね。

あとは世界観の設定もよう分からんというか「影の世界を攻略」とかいうゲーム感覚な物言いが気になりましたね。なんか大本の世界観設定が雑かなぁという感じはしますね。

 


他には、物語の展開の見せ方というか、主人公の目的が詳しく語られないまま話が進むのがちょっと気になるのですよね。
いや、大きくは「前の世界戦では戦い最中命を落としてしまった仲間達を救うべく/死なない様に鍛える」という事なのですが…、もう少し詳細に、次の話/エピソードでは主人公は「こういう目的のためにこういう行動をとってアイツを救う」みたいな考えを教えて(モノローグででも示して)欲しいと感じるのですよね。
まぁそこは敢えて詳らかにしない方が良いという作者の判断/さじ加減なので、俺が個人的にもう少し教えてくれても良いのになぁと感じる程度なのですがね。。。

 

 


今回(第1期で)は(上述した様に、丁寧にしっかりと物語が展開されて行っているので)まだまだ物語全体で言えば序盤という段階で終わっていて、主人公はなぜ帰還者となったのかという謎や最終話に出てきた敵の正体みたいなのも放置のままでしたが、第2期があるみたいなのでそちらに期待したいですね。

 

 

最終話の最後のシーンの未搭乗の仲間たちの画、、、今後αクラスβクラスの垣根がなくなる展開になるのか…、前の世界戦では出会いすらしなかった(βクラスで埋もれていた)仲間たちとの邂逅、他には、仲間達や速水奨魔塔主には帰還者である事を打ち明けたのか、も気になるところ…、と続きを観たい・最後まで観たい、2期が楽しみな作品です。

 


最後にもう1点残念な点を述べると…、物語内容と同じくらい丁寧にしっかり作画の方も頑張って欲しかったかなぁ。

 


作品の評価としては、「良」寄りの可もなく不可もなくとなります。

 


以上