アニメ「最強の王様、二度目の人生は何をする?」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「最強の王様、二度目の人生は何をする?」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

 

「なろう系」のテンプレの様な導入設定から始まる物語なのですが観進めていくとじっくりしっかり丁寧に描いていることがわかる他の「なろう系」とはちょっと違うと感じた作品。
これは「最果てのパラディン」や「最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。」にも同じことを感じましたね。ストレスフリーな展開やテンポの良さ(都合の良さとも言う)を優先せず時間を掛けて世界観、物語展開を描いていく点が他の「なろう系」と異なる、これらの作品に共通している点となりますね。
で、wikiを見るとこの作品って「なろう系」ではないのですね。海外のオンライン小説(海外なろう系?)が原作みたいで、なるほど…日本の異世界転生のフォーマット(導入設定)/「なろう系」のガワだけを借りて書かれた海外作家の小説ということで他の「なろう系」とは違うものを感じたのでしょうね。

 

 


続いて、作品の内容について語っていくと…「最果てのパラディン」や「最弱テイマー~」みたいと述べましたが、先の二作品と比べるとちょっと俗っぽいというか「なろう系」寄りなのですよね。「~パラディン」や「最弱テイマー~」と比べるとヒロインの配置や若干のハーレム要素を感じる点が先の二作品と異なり他の「なろう系」に近いものを感じるのですよね。とは言っても即ハーレム展開にはならない(エルフ娘と合流しない)あたりはじっくり丁寧に話を積み重ねる意志を感じられ他の「なろう系」とは違うのも確かなのですよね。

 

 

 

あと、観ていて俺が疑問に感じたのはタイトルにもある「最強の王様」という設定について。「最強の王様」だった頃の記憶/経験/知識を引き継いで転生する主人公なのですが、作中で描かれる主人公は特に最強の存在という訳ではないのですよね…。子供にしては規格外に強い、ということみたいですが大人も含めた世界全体で見れば特に規格外に強いということはない…他の多くの「なろう系」の主人公の様に主人公が最強・次元の違う強さ、ということにはなっていないのですよね…。

 

その主人公の描かれ方を見て、えっ!?だったら「最強の王様」の設定って意味あるの?と思ったのですよね。一応いま現在子供である主人公の肉体では技術に体が追い付いていないみたいなことが語られるのですが、大人になったからと言って/成長したからと言って「最強」になるとはとても思えないのですよね。

 

というかそもそも「最強の王様」というのはどういう意味で最強だったのか分からないのですよね。兵を率いての戦術・戦略、智謀知略に優れた「最強の王様」だったのか、それとも「個」として「最強の武力の王様」だったのかよう分からんのですよね。
作中の映像描写からするにおそらく「個」として「最強の王様」っぽい感じはするのですが…、その最強もどれくらい最強なのか分からんのですよね。あくまで一対一で対峙した場合に誰にも負けない最強の王様なのか、一対百・一対千でも負けない一騎当千の異次元の強さの最強の王様だったのか強さの程度が分からんのですよね。もし一騎当千の異次元の強さだったとしたならばその最強っぷりが全く引き継がれていない…、全然「最強の王様」に見えない描かれ方で納得がないのですよね…。智謀知略で「最強の王様」という設定だとしてもその優秀っぷりが見えない描かれ方で納得が感じ慣れないのですよね。

 

 

今の状態の主人公の設定/見せ方ではただ前世の記憶を持っているだけで、例えばそれは大人の知識を持ったまま小学生に戻って小学校~中学校時代くらいまでは無双してイキってられるが大人になったら周りの人間の知識も追いつき「普通」に埋もれるだけという様な「最強」とは程遠い様な主人公にしか思えないのですよね…。最強とタイトルに銘打ってるからには納得を作って欲しいのですよね。。。

 

 

 

じっくり丁寧に描いているためか物語は最終盤を迎えても特に大きな山場・ドラマで盛り上がることもなく終わって俺戦エンドとなりましたね。2期が決まっている様ですが次はもう少し盛り上がりのあるエピソード、構成が観れれば、と思いますね。また最強の名に相応しい強さ、納得のある設定を見せて欲しいですね。

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上