アニメ「最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


なろう系作品の様ですが、意外としっかり丁寧に描かれていてる感じでなろうっぽさは薄い作品なのですよね。
なろう系でありながらなろうっぽさが薄いこの感じは「最果てのパラディン」を思い出しましたね。
(まぁ「最果てのパラディン」と比べるとなろうっぽさ、設定、構成の甘さ・納得のなさが目立ってしまいますがね)

 

安物なろう系の様なポンポンポンポンテンポ良く主人公が無双して都合の良い様に物語が進んで行く感じではなく一応主人公は最弱設定で無双はしないのですよね。
星無しという最弱設定であるため、最弱である希少スライムを退治/倒しきることなくテイム出来たと解釈してますが合ってるかな?その最弱設定に嘘はなく意味があったということなのですね。
(最終話の最後のおまけアニメ的な最弱スライムの誕生シーンは良い演出でしたね)
あと、あの黒豹はテイム能力とは関係なく懐いているということだよね、多分。

 


チート能力を持った最強系主人公が魔王や魔族等の巨悪を相手にするのではなく、人間の犯罪集団を摘発するのに協力するというストーリーであり(まぁ意外とデカい組織ではあったのですがそれにしても比べると)スケールが小さい感じですが丁寧に描いてある感じで良かったですよ。

 

 

 

しかしそれでもなろう系っぽさというか納得のない点もいくつかあります。

まず、最初の星無しで村から追い出される展開について。
なんかあまり世界観・設定が良く分からない内だったのもあってか、星無しと判定されてからの対応の急変ぶりに納得がない。
それまで普通に仲良く暮らしていた家族のはずだったのに星無し判定で急に愛情もなくなったかの様な対応に納得がない…。家族はどういう情緒や…、全く共感、納得がないのよね。
愛情を持って5歳まで育ててきた娘に、例えるなら病気の判定が下った、みたいなことで家族が急に態度を急変させるというその世界観設定に説明/納得が全く与えられていないのですよね。
物語の導入・設定という重要な部分で納得のないことをされるとちょっと物語に入って行けなくなる・遅くなってしまうのよね、その物語導入設定部分がまず残念。
(「星無し」が絶対に人から受け入れられない訳ではない/災いの元になるとかの理由で確実に排斥されるという設定の訳でもないのですよね。実際に後半に出会う仲間からは普通に受け入れられている。。。だから余計に家族が「星無し」だから理由だけで態度を急変させることに納得がないのですよね)

 

 


次に、前世の記憶の設定。
別人格というか主人公の中にもう一人居る感じで脳内で会話してる様なのですが…、、、この前世設定要る?
ちょこちょこアドバイスしたりアイデア出したりしてるけど、そこまで大して役に立ってないというか…役に立ってない訳ではないけども主人公が脳内で声を聴いてるだけという形だから「キャラクター」というものもないし、基本的に声だけの存在なので窮地に陥った主人公を能力で以って直接的に助けるということもないし、アドバイスやアイデアにしても凡人の域を出ないものだし…と存在意義が薄いのですよね。。。なんだろ?なろう系で書くためには転生設定を入れないとダメなの?なろう系で書くために無理やり入れた転生設定なの?と感じるほど無駄な設定だと感じたね(普通に転生なしのファンタジー物で良かっただろと思う)。

 

 


で、あとは最弱スライムの特殊能力について。
犯罪集団の摘発に役立つ悪者を見分ける特殊能力…まぁここはご都合だよな。
なんだよそれ、何を以って判断してんだよ。嘘をついてる人間?、悪意を持っている人間?そんなん全員だろ。嘘つかない人間、悪意を一切持っていない人間なんて居ないだろ、だったらどう判別してんだ。
摘発しようとしている犯罪組織と関係なく悪意を持っている人間と一体どう区別してるんだ?嘘や悪意だけで判別なんてできないだろ?と納得がないのですよね。

 

 

あまり深く考えたら話が進まないので目を瞑りますがもう少し気を遣って納得を作る様にして欲しいですね。

 


なろう系の中では良い方というかマシな方ではありますが、
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上