アニメ「千歳くんはラムネ瓶のなか」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「千歳くんはラムネ瓶のなか」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

 

2025年秋アニメとして始まった作品だったのですが色々あってつい先日最終回を迎えた様なので一気観をしました。


放送当時から主人公のキャラクターが不評で炎上騒動があったりそのあおりを受けてか放送延期が起きたりと色々と悪い意味で話題になっていた作品と記憶しています。

 

 

そんな情報を得ていた中で、炎上するほどの主人公のキャラとはいったいどれほど酷いのだろうかと観ていたのですが…、なんだろハードルが下がっていた?ためかそれほど酷いキャラクターには感じられなかったのですよね。


まぁちょっと鼻につくのが文学的な詩的な表現の多用…まるで~のようだの比喩を用いた表現がウザったかったですね。しかしこれは主人公のキャラというか原作小説の地の文な感じがするのですよね。
(主人公と他キャラ/ヒロインとの会話内でもポエム語りをしていたので主人公のキャラというのも多分にあるとは思うのですが…)

 


いや俺が思ったのは、この作者は意識高い系というか「俺様の描いている小説は他のラノベと一線を画す高尚なものだぜ」的な意識・感覚から文学的な詩的な表現を用いているのではなかろうかと感じられた、透けて見えたのですよね…、それが鼻につくのですよね。

 

周りの環境、状況、主人公のキャラやその相手のキャラ、それらを全て踏まえた上での会話のやり取り・流れ・展開とそのキャラに即したセリフとして決めの一言/決めゼリフ的にここぞという時に刺さるセリフとして用いらなければならないのに、この作品(の作者)はそれを所かまわず常時浅く薄っぺらい陳腐な比喩表現を多用しているから…、それでいて意識高い系な自分は高尚な事をやってるぜ他の凡夫のラノベとは違うぜ的な臭いがするからちょっとイラっとするのですよね。

 

 

まぁ一言でいうならこの作者はセンスがない、という事。この作者のセンス(センスがない/マイナスセンス)と対極にある(センスがある/プラスセンス)のが「違国日記」の作者・ヤマシタトモコさんですね。「違国日記」でのとある状況下での会話の中で吐かれる槙生の言葉/セリフが深く鋭く入り込んで染み込んでいく感覚に(作者が考え紡いだその言葉のチョイスや発想・考え方に)感心させられる・唸らされるのですよね。

 

薄っぺらい陳腐な比喩表現をただ多用すれば良いってもんじゃないというのが分からない…、そこに/それが分からないという所に「千歳くん~」の作者にセンスを感じないのですよ。

 

 


と、作者のセンスについては言及しましたが、主人公のキャラ自体にはそこまで(炎上するほど)の嫌悪感はなかったのですよね(ポエム語りは鼻につきますが)。

 

 

で物語の内容についてですが、主人公はスクールカーストのトップに居て容姿端麗成績優秀モテモテリア充という設定となっています(どうでも良い事ですが、主人公はイケメン設定らしいですが、如何にもなラノベ主人公顔で他のラノベで主人公と変わらない同じ様な冴えない系の男子にしか見えなかったですね)。

 

この導入・設定を観て思ったのは、この作品は物語をどう展開させる気なのだろうなと疑問だったのですよね。通常ラノベの主人公ってどちらかというと底辺(高くても上中下の中止まり)に居る冴えない目立たない系の男子でそこからの出逢い、変化/成長を描く事で物語を展開させていくが常なのですよね。しかし、今作の主人公は最初から既にトップ層に居る事で、成長物語・成り上がり的なお話を描けなくなっていてどうやって物語を面白く展開させるのかと疑問だったのですよね…。

 

そんな中で描かれた最初のエピソード…引き籠り男子をリア充にしてやろうぜみたいな展開から、あぁもしかしてこの作品は「弱キャラ友崎くん」をやろうとしているのかなと考えました。「弱キャラ友崎くん」は主人公の男子が非リア充でありそんな主人公をリア充キャラなヒロインが引っ張り導いてリア充を目指すというお話なのですが、今作「千歳くん~」は「弱キャラ友崎くん」でのリア充キャラなヒロインに当たるポジションに主人公・千歳が位置して他の非モテ・非リア充な男子たちを引っ張り上げていくという「弱キャラ友崎くん」の変化Verの作品かと考えたのですよね。

 

ところが、この「弱キャラ友崎くん」パターンはいちエピソードで終わってしまい後は既にリア充である各ヒロインのエピソードへと移行するのですよね…。なんだったんだ、この「弱キャラ友崎くん」パターンの導入は…、いや物語の方向性を示す最初のエピソードとしての選択がおかしいだろ、間違っているだろと納得がないのですよね…。


また非モテ・非リア充からの脱却のお話も「弱キャラ友崎くん」のそれと比べて雑で強引で説得力がないただの劣化版「~友崎くん」となってしまっているのですよね。「~友崎くん」を観た時に感じたのは諭すように教え導くハウツー本・自己啓発本的な教えだったのですが、今作「千歳くん~」のそれは上からの説教・正論でぶん殴るみたいな…主人公がカーストトップのリア充という設定も相まってイラっとする内容だったのですよね…。そういうところに考えが及ばないのも作者のセンスが…。。。

 

 

 

で、続いて問題となるのはお話自体のつまらなさ、構成の悪さについて。
ストーカー編の話がつまらない上に長い、という最悪の構成。。。この作品の作者って上でもちょろっと述べた様に文学的詩的な表現の多用という意識高い系からストーリーで魅せるよりドラマで魅せたいと思っている作者であると俺は考えています。


ストーリーの起伏…逆転に次ぐ逆転や衝撃の展開みたいなもので魅せる「ストーリー仕立て」の作者ではなく、キャラクタ造形・人間関係・会話のやり取りで魅せる「ドラマ仕立て」の作者であると考えています。

 

しかし、作者の意識高い系が前面に出てしまっているためキャラ造形も弱く薄っぺらいし会話も上滑りしてるしとつまらなく退屈なのですよね…。ストーカーというストーリー設定も面白くない。ストーカーや不良の先輩等の暴力・犯罪みたいな要素を入れてしまうとそれだけでつまらなくなるのですよね…。暴力・犯罪要素の解決法ってだいたい暴力脅迫犯罪シーンの録音録画で相手を黙らせる展開だったり数の力で黙らせるだったリ、もっと単純に相手より強い主人公の暴力で黙らせて解決するだったりと大して展開が面白くならないのですよね。それなのにこのつまらない(最初の設定からキャラも展開も構成ダメな)ストーカー編を6話か7話も引っ張る構成にして…、何考えてんだ、アホかと思ったね…。

 

 

他のエピソードが大体3話くらいで収まっているのにこのとんでもなくつまらないストーカー編を倍くらいの話数使いやがって…、つまらないだけでなくいつまでもダラダラと続く冗長に感じる最悪の構成だったのですよね。

 

 


そして構成についてももう1点。冒頭でも述べた様に今作って放送延期してつい最近ようやく最終話が放送されたのですよね…、いや普通にこれで終わると思うじゃん。。。
先輩エピソード…13話まで行っても終わらないでやんの…。え?これだけ待たせておいて終わらないの?どんな構成だよ?アホなの?分割2クールみたいだけどさぁ終わるのなら一旦綺麗に終わらせようや…。これどう考えてもストーカー編が無駄に長いのが問題でしょ。つまらないんだからさっさと手短に終わらせて各ヒロインのエピソードを3~4話ずつくらいで済ませれば良いのに…。例えば「青ブタ」なんかは小説1冊をアニメ3~4話配分で終わらせてたと思うけどね。それを…ストーカー編を6話とかアホの所業やで。。。

 

 

 

と、炎上した主人公のキャラはともかく、お話の導入・設定、キャラクター造形・設定・配置、物語展開・構成、作者の意識高い臭さ等々そもそもの原作小説に問題があると感じる作品で、それに加えてアニメとしてのシリーズ構成の酷さ(というか何も考えて無さ)もありかなり残念な作品でしたね。

なんかwiki見るとこのラノベがすごいで1位を獲得したとか書いてありますが…、マジかよこの作品が?ラノベレーベル発の作品1位がこれではそりゃなろう系に席巻されるわという感じ。。。
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上