アニメ「グレイプニル 他3本」 ~感想

 録り貯めしていたアニメを一気観しました。


以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

かぐや様は告らせたい(1期2期)」

ジャンルはラブコメってよりかはギャグの作品。ギャグ作品としては普通に面白いです。
ただ、「天才」設定があまり生きてないかな、と。まぁ設定の意味は分かるんですけどね…、天才という設定があるからこそ生まれるギャグがあるんでしょうけどね、と。


しかし、そんなかぐやや会長の設定・キャラクターよりも良いキャラなのが書記の藤原千花ですね(1期での千花ダンスと呼ばれている特殊EDからも愛されているキャラなんだろうなと感じられます)。藤原千花役の小原好美さんの演技も相まって、笑うところは大体が藤原関連のシーンでした。
(小原好美さんは「とある科学の超電磁砲T」のドリーや「からかい上手の高木さん」の太眉の娘など、『アホの娘』をやらせたらピカイチですね)

 

1点、気になるエピソードがありました。それは、2期の5,6話辺りでの会長の目のクマが取れた事で周りからはモテモテとなるがかぐやはゲンナリしてしまうという話。


かぐやは会長の見た目に恋していたのか?会長の努力し結果を出すその姿勢や性格に惚れていたのではないのかと疑問に感じこのエピソード失敗だったんじゃないの、と感じられたのでした。
会長の見た目に関わらず、かぐやの対応に変化はない、という話で良かったと思うのですが、なぜ会長に対しガッカリするというマイナス方向に心が動くエピソードにしたのか疑問です。

 

あとは石上エピソードがちょっと長いかなと感じたくらいで基本的には良作でした(やはり藤原書記の良キャラが大きいですね)。

…OP曲、鈴木雅之の起用は原作者がファンだったのかな?

 

 

 

かくしごと

原作は、かってに改蔵絶望先生の久米田 康治の漫画の作品です。原作漫画は未読です。
可もなく不可もなくという作品でした。姫がかわいいアニメでした。


母親が出てこない事・その生死について語られない事に関して、ギャグ作家の久米田なら悲劇にはしないだろうと考えていたのですが…、悲劇っぽい(一応まだ生死不明?)感じでしたね。

 

久米田の事だから後から聞いたらなんじゃそりゃっていう理由で別々に暮らしている・特殊な形の別居(本編中にも出てきた母方の祖父が理由で無理やり別居させられてる等)、もしくは何らかの理由で離婚している・娘にも会うに会えない状況なのだと想像していました。
だからこそ(直接会えないからこそ)、未来のプレゼントが用意してあるのだと考えていたのですが、まさか生死不明の状況だとは、本当に悲劇的な状況だとは考えていませんでした。そこはちょっと残念でしたね、なんじゃそりゃって笑って言える状況であって欲しかったです。

 

最後の展開もちょっと疑問です。10年以上前の海難事故以来、私財を投じて妻(姫の母親)の捜索をおこなっていた事を美談として語られ、もうギャグ作品はかけないと筆を折ったその後、記憶喪失となりますが、姫の尽力もあり記憶(姫の事に関してのみ?)を取り戻します。


ここで問題なのが、主人公は再び漫画を描く事になるのですが、妻の捜索を美談として取り上げられた事・もう笑えないと評された事は思い出していないのか?、思い出しているとしたら何を以て再び漫画を描くに至ったのかよく分かりませんでした。


(…自分が記憶喪失ネタが嫌いというのもあります。この作品に限らず都合よく一度失われた記憶が戻る話に納得が行かないのです)

 

上記の、母親に関する真相、記憶喪失展開について残念な点がありマイナス評価寄りの作品だったのですが、姫が良い子で可愛かったのでギリギリ「可もなく不可もなく」という評価の作品となりました。

 

 


八男って、それはないでしょう!

タイトル詐欺の作品。マイナス評価の作品となります。
貴族の八男という設定の意味がほぼないと言って良いです。タイトルから期待したのは権謀術数渦巻く貴族社会の中で、前世での知識を生かして成り上がっていく物語だと思っていました。
しかし、物語の1話・ふたを開けてみると、魔法の才能があった主人公がその力を基に成り上がる話でした。八男設定は物語終盤、様々な思惑の中で長男と争う話くらいでしか意味を見出せません。


貴族や八男という設定が全く生きていません。これならばタイトルは「運よく持っていた魔法の力で成り上がり」なんかの方が正しいでしょう。


内容を見るにこの作者は特に貴族社会に造詣が深いという訳でもなさそうで、なぜこの様なタイトルの作品を描こうと考えたのか理解できません(この作品なんかよりオーバーロードで描かれる貴族社会の方がよほど見応えがあり面白いです)。

 

物語全体としても、魔法の才能がある主人公の周りに打算を以て色々な人間が集まるというその流れは「賢者の孫」と同じですね。
しかし、「賢者の孫」より酷いのはその周りに集まる女性キャラの描き方です。主人公の周りに女性キャラが集まるハーレム展開はまだ良いですが、その女性キャラが悉く打算のみで主人公に近づきます。主人公にピンチを助けられて惚れたり、その性格に惚れるという事はなく主人公の持つ地位や名声、お金などを求めて近寄ってくるのです。この出てくる女性キャラの描き方に作者の考え方の気持ち悪さ(全ての女性に対する偏った認識)を感じずにはいられません。


そして主人公もその様に近づく女性をあっさり受け入れます。え?お前、根っからの貴族じゃないよな?転生してきた現代の日本人だよな?何故そんなあっさり受け入れらるんだ?クズなの?と主人公の行動に全く共感・納得できません。この主人公が作者自身を投影したものであるとするとさらに作者に対する嫌悪感が増して行きます。

 

(…この主人公の転生についても問題あると思っています。以前(2017年09月30日の日記)「ナイツ&マジック」の感想でも同じ事を語りましたが、この主人公が転生を自覚するのは5,6歳くらいになります。では、それ以前の主人公の肉体に存在していた人格はどうなったのか?元々居た人格は消えたのか?消えた元人格の立場は?という問題があります。何か事故で元の人格・魂が抜けて代わりに主人公の魂が入ったという状況ではありません…ただの食事会の場です。意味が分かりません)

 

タイトル・設定の無意味さから、物語の展開の詰まらなさ、キャラクターの描き方の気持ち悪さと褒めるところを探すのが難しい作品で疑い様のないマイナス評価の作品となります。

 

(タイトルに意味を持たせ様とするなら、長男を倒して次は次男、三男、四男…と次々と上の兄たちを倒して成り上がって行く…「あと6人も打倒さないといけない、そりゃないよ」という血塗られた物語にするしかないですね)

 

 

 

「グレイプニル

マイナス評価の作品となります。

ちょっと変化球ではありますが、基本的にはデスゲーム系?になるのかな、と思います。終盤デスゲーム要素は薄れますがね…

 

マイナス評価となるのは、その物語の構成の雑さです。行き当たりばったり、継ぎはぎの話の構成・キャラクターの作り方にガッカリなのです。

 

まず、ヒロイン・クレアの姉です。あの姉のキャラクターは最初と終盤でそのキャラクター変わりすぎでしょう。物語序盤に主人公の首もいだ時のキャラクラーと終盤のキャラクターは同一人物と思えんぞ、という造りになっています。
おそらく原作が途中で構成、設定を変えたんだろうな、だからこんな支離滅裂なんだろうなと思われます。

 

他にも、物語全体的に構成が雑いです。

 

終盤の物語の核心となるシーン(塾関係者の過去回想)について、
親友がいじめで悩んでいるの知っていたのなら何故コインの力で解決・救おうと考えなかったのか?
コインの力で生き返らせる事は考えなかったのか?(可能不可能は置いといて)

 

また、ラスボスと思われるタテガミ君(海斗)が壊れるまでの話が雑いです。タテガミ君の思考回路やその行動が観ている側は納得できないのです。

タテガミ君の心が壊れるという終着がありきで、そこに向かわせるために点と点を無理やり繋げたような話の構成を雑に感じたのです。

 

そして最終話、Aパート5分くらい観てあれ?このペースで進んでいったら話たためないんじゃね?と思っていたら案の定…、おそらく原作が未完とかの事情があるのでしょうが、もうほぼクライマックスというところまで話が進んでいてよくあんな中途半端に終わらせる構成にしたなと…。


2期(13話)をやるほどの話は残ってないと思う(もうあと2,3話あれば終わるような感じがする)のですが…変な構成、、、と感じてしまいます。

 

あとは細かいところですが、あの太眉の娘なんかもエピソードとして必要だったのかな?物語に全くと言っていいほど絡んでこないし…、と気になりました。

 

上記の様な、物語全体の構成、キャラクターが定まっておらず、行き当たりばったり感がすさまじく色々なところで違和感を覚えるのです。
漫画原作としてもう少し論理的に物語を組み立ててほしかったですね(最初から読んでいる漫画原作ファンは物語の展開に納得・付いて行けているのでしょうか?)。アニメ作品の構成としても切りの良いところで終わらせる構成にすれば良いのに…と残念な構成なのでした。

 

(2020年07月30日23:20mixi日記投稿分)