アニメ「終末のワルキューレ」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「終末のワルキューレ」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


この作品の感想を一言で述べるなら、頭の悪い「Fate」ですね。
歴史上の偉人・武人・傑物を召喚して戦わせるというところだけ見るとFateの設定と同じとなっていて、違う点は対戦相手が神であるというところですね。

 

しかし、この対戦相手が「神」であるという点がこの作品の納得のなさ・この漫画の(作者の)頭の悪さを感じるダメな点なのですよね。
人と神は違う「種」という設定でありながらこの作者の頭の中では、神というのは人間に毛が生えた程度の差しかないみたいなのよね。
神という種は別に人間より膂力があるとか強靭な肉体を持っているとか不老不死であったり超常的な能力・特殊能力持っているという設定ではないみたいなのよね。
この作者の中での「神」という種の扱いに納得がないのよ…(途中アダム回で人間は神に似せて造られている、というお話がありますがそれって外見、ガワだけの話でしょ…)。

 

そりゃ神話の中で、神が毒で死んだり謀殺されたりというのが描かれてるけどさぁ…。
おそらくこの作者はそれらの話を真に受けてというかそのまま鵜呑みにしてその結果、なんだ神って人間と変わらないじゃん…と人と神の差が毛の生えた程度しかない設定になってんでしょうね。。。

 

いや、普通の感覚で考えて神って超常の存在になると思うのだけれど、この作者の中では人と変わらないという設定になるみたいなのよね…その普通の感覚がない事にまず納得がないのよ。
この作者のベースにある神話の物語って人間界で・人間の手によって描かれた物語だよね…人間が・自分達の理解が及ぶ存在という形で描いた物語をどうしてそのまま額面通り受け取るかな?想像力ないのかな?と納得がないのですよ。。。

 

そしてさらにこの作者の駄目なところは、神々について描かれた神話は額面通り受け取るけど、人間側の偉人・武人達の話は史実通りには受け取らず「史実・歴史書ではこう描かれていますが本当はこういう事でした」というのを勝手に作ってる、そのダブスタが駄目で納得のなさにさらに拍車をかけてんのよ。

 

これがね神vs人間ではなく、人間vs人間(歴史上の偉人・武人同士)の戦いなら別に良いのですが(まぁその場合は完全にFateになってしまいますがね)、対戦相手が神々なんて
考えの足りない・浅はかな考えでFateとの差別化を図ろうとするからこんな納得のない設定・物語になるのよ。。。もう少ししっかり納得・説得力を持たせようね…。

 


また次に問題なのがキャラクター。
13対13の団体戦で先に7勝した方が勝ちという設定なのですが、この設定も良くない…センスないのよね。。。
この作品は基本的にはバトルがメインで展開するお話ですが、上述した通り勝ち抜き戦でもトーナメント戦でもなく1人1戦ずつの戦いのため、1バトル終わればそのキャラの出番は終わり…つまり使い捨てなのですよ。こんなんじゃキャラも何もあったもんじゃないよね、というお話。

 

人間側のバトル担当のキャラクターの過去が描かれたりしていますが、過去を描く事がキャラを描く事じゃあないのよね…。その過去があってのそれから…を描かなきゃいけないのに
バトルが終わったら使い捨てる団体戦設定…、そんなんじゃ魅力あるキャラクターなんて描けるわけないじゃん、描く気ないじゃんとダメダメ設定なのですわ。
(人間側はまだ過去が描かれてましたが、神側は過去回想やキャラクター描写もなくもっと酷いですね、特にポセイドンなんて最後まで全くキャラ分かんなかったわ(中身なさ過ぎ))

魅力のないキャラ同士が特殊能力・設定だけでバトルする漫画…似た様な漫画「テラフォーマーズ」がありますが、この作品と同じ臭いを感じますね。

 


お話の構成自体はまぁ普通ですかね。さすがに人間側全敗では終われないでしょうからね。俺達の戦いはこれからだ的な1クールの終わりとしては妥当だと思います。
(しかしこれも最初想像していたのは13対13というところから1話1バトルで勝敗が決着し1クール(13話)で話が完結する作品だと考えていました…アニメ「十二大戦」の様な、ね)

まぁ1クールの締めの構成自体は悪くはないのですが、1クールでは3試合しか消化できず1試合につき3~4話使う構成は良くないですね…。
なにが良くないのかというと、使い捨てるキャラを描くためにその時間を割いているのが無駄なのですわ。。。
3~4話を使って描いたキャラがその後の話にも活きてくるのであれば時間を割く意味も分かりますが、先述したように勝ち抜き戦でもトーナメント戦でもない団体戦方式なのでキャラが活きる場面がもうないのよ、全くの無駄な時間なのよ。。。

せめて勝ち抜き戦・トーナメント戦であれば時間を使って描いたキャラがその後も活きる場面があったのですがね…。

 

 

ホント色々とダメなところが目立った作品でした。

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。


以上