アニメ「姫様“拷問”の時間です」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「姫様“拷問”の時間です」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


なんか話題になっていた作品で2期も決まっている様だけど…、個人的には全然ハマれなかった作品。
基本的にはギャグ・コメディな作品なので一貫して欲しいと感じたのですよね。

それは物語の導入・設定部分。
中世ファンタジーRPGな世界観で姫と魔王軍と普通に戦っている描写がダメよねぇと感じた。
剣とか魔法で命のやり取りをしているバトルの描写が要らんだろ、ダメだろと感じた訳なのですよ。
この真面目な本気なバトル描写が「振り」になっていてその後の拷問がギャグ・コメディ展開への落差、緩急が笑いになるという構成は理解するのですが…、
やっぱり気になる。。。主人公・姫とのバトルの中で命を落とした魔族がいるのかも…そんな中で(仲間・同胞が殺された状況の中で)あんなギャグみたいなぬるい拷問って有り得んだろ…と。

 

これを例えば、物語冒頭に人間と魔族が争っているというもっとおどろおどろしいナレーションベースで説明しているだけで実際のバトル描写がない様にしたり、若しくは戦いの描写するにしてもピコピコハンマーで殴り合ってる様なギャグ・コメディ調の世界観として最初から描いていればまだ一貫して納得があると感じたのですが、初っ端の導入・設定説明の時にだけ使える落差、緩急ネタのためだけに剣で魔族を切り裂いている描写を挿入している事で、殺し合いが前提にある魔族との争いの延長にあのぬるいギャグみたいな拷問があることで一貫性のない納得のない構成になってしまっていると感じるのですよね。

 


本気で殺し合い・命のやり取りをしている関係なのなら、ギャグで「姫は話した」みたいになってるのも自国民の命を・安全を・未来を売っているってことだからね。そう考えると自分の欲望のために自国民を売る姫はとんでもない売国奴であり全然笑えないよ、というお話になる。


なのでそもそもの魔族との争いも命のやり取り/殺し合いという様な重い設定を見せない様に/軽いノリの平和な世界観を見せていれば納得があったのになぁと感じたのよ。

 

 

実際のバトルシーン(姫と魔族との戦闘)を描かずに適当に濁していればこちら側(視聴者側)で勝手に想像する余地もあったのだけど、しっかり描いちゃってるから言い逃れできない状況になってんのよね。
たとえ原作でそう描かれていたとしても、アニメ化する際に納得を持って作るためにそこら辺りの改変or敢えて表現を濁す演出が取られていればまだ評価出来たのですがね…。

 


あと、物語を観ていても人間側はともかく魔族側はなぜ人間と争っているのかよう分からん連中だったね。

 

 


ギャグ・コメディなら最初から最後まで笑えるような設定で納得を作ってやって欲しいですわね。
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上