アニメ「ダンダダン」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「ダンダダン」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

 

原作漫画についてはちょっと知ってる…、数年前まだ原作コミックが2~3巻しか出ていなかった頃でしたが既に話題作人気作となっていましたからね、物語序盤の数話を読んだ事があったのですよね。
コミックス1巻分くらいの話数を読んだのですが俺的にはあまりハマらずそのままそこで止まっていたのですよね。
まぁ俺としてはそんな感じの漫画作品のアニメ化で放送中アニメが話題になっていたのは知っていたのですがそこまで期待はしていなかったのですよ。

 

 


で、アニメの内容についてですが、序盤を観て思ったのは、この作者ジョジョ好きなのかな?ということ。
てめーは俺を怒らせた的なセリフを聞いてまず「ん?」と感じ、次いで「この深さが良いんだよ、この深さが」みたいなセリフでこの作者絶対ジョジョ好きだろ!?と確信しましたね(その他にもド腐れ野郎、ビチグソ的なセリフをあったかと思います)。
…まぁ序盤の興奮ポイントはそんな所ですかね。。。

 

 


この作品を観ていて思ったのは、この作者はキャラ造りがあまり上手くないのよね、ということ。
主人公やヒロインのキャラクターにしてもオタクやギャルの属性が与えられているだけでリアルな人間性や魅力を感じない造りであるし、中身のない/魅力が薄いキャラ同士を絡めて物語を展開させるために無理やり強引に勢いで物語を進めてる感が強いのですよね。
(おそらく、数年前に漫画で物語序盤の数話を読んだ時にも感じた、勢いとノリで進む物語展開に俺があまりハマれないと感じたこととも共通するのでしょうね)

 

 

ヒロインなんかは良い娘だけど、今時の女子っぽくないと感じるし、今時の娘・普通の娘と違う個性だと描くのならばその背景を描くべきなのですがそれも出来ていない(ばあちゃんのオカルトを揶揄われたエピも普通の子と同じ反応というエピにしかなっていない)のですよね。
主人公、ヒロインより酷いのが第2ヒロインとヒロインの幼馴染のキャラ…、キャラの言動がぶっ飛んでるというか非リアルな理解・共感できない、属性設定が与えられただけの主人公、ヒロインのキャラに輪をかけてヒドイ勢いだけのキャラになってしまっているのですよね。

 

 


また、物語の展開のさせ方(バトル展開への導入のさせ方)が勢いまかせと感じますが、その終結(バトルの決着のさせ方)もなんかあまり納得がなく、ジョジョ読んだ時の様ななるほど感、そうきたか感の決着がないあまりお話造りも上手くないなと感じるのですよね(この深さが良い、の回は良かったけど)。

 

 

 

あと、ちょっと納得がないのがエロ、サービスシーンについて。
かつて作者が少年だった頃、ジャンプに載ってたエロ、サービスシーンにドキドキした自分を思って同じドキドキを今の少年たちにも与えたいという思いからサービスシーンとして描いているのか、それともただ単にサービスシーンを入れた方が人気が取れやすいという打算故か、それともただの作者の癖なのか…、、、物語上必須ではないエロ、サービスシーンの過剰(必然性がないのにやたら脱がすの)が気になる、無理やり漫画に入れた感があまり好きくないのですよね。
作者の性癖ではなくそういうシーンをどうしても入れたいのならばもう少し自然にというか納得を持って入れて欲しい、その努力をして「漫画」を描いて欲しいと感じるのです(今はそれを感じない、無理やり入れてる感が強い)。

 

 

 

他には、イチモツや金玉などを連呼する質の低い下ネタ・下品さが好きくない…。
小学生中学生ならウ○コチ○コで喜ぶのか知らんけども、しつこく金玉連呼されても面白くないよ、早よ金玉探し終わらないかな。。。

 

 

 

ここまで不満・納得ない点を書いてきましたが、ここからは良かった点について。

アクさら回は良かった、あのアクさらの過去回想シーンね。サイエンスSARUの真価をみたと感じたね。
原作読んだわけじゃないけどおそらく原作漫画をより良い形に昇華してる…原作では(ページの都合で)描き切れなかったをアニメーションとして膨らまし、さらにアニメーションとしての画の流れのテンポ巧い(~漫画はそのシーン/コマ/ページを自分のペース/テンポ/間で読み進めることが出来ますが、アニメーションの場合は制作側によって決められたテンポとなります。アニメーションとしての画が流れるテンポ/間が、漫画を読む際のテンポ/間と一致していないとその内容が視聴者に上手く伝わらないのですよね(特にセリフがなく画だけで見せる様なシーンでは)。アクさら過去回想シーンは原作漫画の当該シーンを制作側が深く理解しその良さを最巧の形でアニメーションとして昇華してると感じましたね~)。

 

 

 

あと、これはアニメとは別の話で原作漫画について/「ジャンプ+」での連載・更新頻度について。
「ジャンプ+」での連載作品って曜日更新(毎週更新)なのですが、人気作やアニメ化した作品って更新頻度が落ちがちなのですが、今作「ダンダダン」は「ジャンプ+」で基本的に毎週更新を守っている…、漫画描くのが好きなんだなとは感じ、その点は素直に凄い好感が持てるのですよね。また、wikiで作者の来歴を見たら余計に頑張って欲しい、その直向さが報われて欲しいと感じましたね。
(いやね、俺が好きくない漫画家というのは「漫画を描かない漫画家」なのよね…。ちょっと小金を持って食うに困らなくなったら漫画を描かない、完結させないという作家が好きくないのですよね…作者の色々な事情はあるのでしょうが毎週は無理でもせめて隔週でコンスタントに描いて欲しいね、と多くのジャンプラ作品について思ってしまう…そんな中、人気枠話題作でありながら毎週更新を守っているのが「ダンダダン」作者は素晴らしいと感じるのですよね)

 

 


で、最後に大問題となる点を一つ。
あの終わり方・最終回にガッカリというか腹が立ったね…。
あんな普通に来週に続くみたいな感じで終わってアレで半年以上空くんだろ?ふざけんなよ!

以前「MFゴースト ~感想」でも書いたことだけど、
視聴者の事なんかまるで考えていない…、『作品』の一つの区切り/1クール作品の区切りとしては完全に中途半端なところで終わってる…、物語の内容云々以前に『作品』を作っていない・最初から作ろうとしていない制作側のその姿勢の納得なさに苛立ちを感じるのですよ。

 

ある程度切りの良い所で終わらせる様にシリーズ構成しろよ!シリーズ構成としての仕事をしろよ!とMFゴースト(第1期)に続く酷く中途半端にぶった切りで終わった視聴者無視/エンタメ無視の空いた口が塞がらないアホな構成の作品で、アクさら回の演出が良かったサイエンスSARUでしたが、このぶった切りエンドのシリーズ構成にはホント失望しましたね(「デカダンス」は好きだったけど シリーズ構成・瀬古浩司にはガッカリだな(監督の意向もあったかと思うので監督も同罪ね))。

 

 


あの最終回を観て俺の中では一気に評価が落ちて
作品の評価としては、
限りなく「不可」寄りの可もなく不可もなくとなります。

 

 

以上