アニメ「異世界スーサイド・スクワッド」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「異世界スーサイド・スクワッド」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


スーパーマンバットマンのDCコミックのWB(ワーナーブラザース)が製作してるアニメ作品で、異世界要素はない様ですが実写映画が元ネタというかオリジナルみたいですね。

お金があるのか作画は良いのにもったいないと感じる残念な作品でした。

 


元ネタ(バットマン?)を知っていれば今作の登場キャラの中身/キャラクターのことが理解できて面白いのかも?知れませんが、しかしキャラクターの問題より何より脚本・シリーズ構成の問題の方が致命的で物語展開が面白くない、つまらないのですよね。

 


主人公たち全員が悪人・犯罪者である、というのが本作の見所というか面白いポイントだと思うのですが、いやね、分かりますよ…悪人である主人公たちが行動するのは「正義のため・人のため」ではない、としたい制作側の意図・お話の造りは…。


しかし、主人公たちが爆弾解除のために動く、敵役の配置も爆弾を簡単に解除させないための配置という展開が続くこと、そして済し崩し的に最終回へ進むこと…、、、物語の指針が示されない・主人公たちの目指す大きな目的/ゴールがないまま話が展開するのがつまらない、物語に惹かれないのですよね…。
(政府側には目論見があるみたいだけど(政府と言ってもおばっちゃん一人しか出ないけど)それも面白くないし、その目的・目標もツッコミ所ありのガバガバ設定であり取り敢えずの・取って付けた様な目的という感じ…)

 

 

 

あと、物語の脚本・構成の中で悪人である主人公たちのキャラクターが魅力的に描けていないというのも大きな問題。
物語中で描かれている主人公たちの悪役・悪人ぷりって、お話の中で「人が死ぬことに頓着しない、人を殺すことを気にしない」ってことだけであり、「人の死がどうでもいい」=善人じゃない=悪人…、ってことじゃないでしょう…。。。

 

DCコミックでネームドの敵キャラを張ってるくらいだからそれなりに悪役として魅力的に描かれてるはずだと思うのよね…。
ただ「人の死がどうでもいい」と思っているだけのキャラクター達ではない…、悪は悪なりの矜持を持って行動している、ただそれが多くの人が考える「正義」と異なる…、という悪役・悪人として魅力的に描かれてるはずだと考えるのですよね、原典では…(読んだ事ないから知らんけど)。

しかし、今作では「悪人」である主人公たちのキャラクターが全く魅力的に描けていない、アニメを観ていて悪役である主人公たちに魅力を感じない…これは原典(DCコミック/元ネタ・バットマン?)を知ってる/知らないは関係ない、今作「異世界スーサイド・スクワッド」の脚本・構成での主人公キャラクターの魅せ方・描き方の問題なのですよ。

 


ホント物語の展開のさせ方といい作中での主人公キャラクター達の魅せ方・描き方といい、脚本・シリーズ構成としてのセンスの欠片も感じない、画が良いだけに残念な作品なのですよね…。。。

 

 


また、そもそもの設定で異世界に行く前/現実世界において、サメ人間や泥人間という人外が普通に存在しているという世界観、設定が訳分らん…いやもう現実世界が異世界やん…。
サメ人間や泥人間設定を物語の導入設定だとして一応は受け入れるにしても、異世界転移後に異世界の魔法か拘束具で主人公たちの特殊能力が封じられるという展開があるのですが、この設定がまた意味分からん、というか都合が良い設定だと感じる…。
異世界の魔法や特殊な拘束具で封じられるということは特殊能力は異世界の魔法とかと同じ原理ということなの?だから封じられるのだろうね?だとしたら魔法の意味、異世界の特異性が失われる設定だけど…世界観設定、舞台設定が壊れる様な意味分からん設定なのですよね。
まぁ制作側が何も深く考えてないのでしょうね…、監督、脚本、シリーズ構成の仕事が雑い、粗い、残念な作品だと感じるね。

 

 


他に、これはどうでも良いことだけどイラっとしたのが、ED映像。
本編ではろくに登場しないおばっちゃんキャラを躍らせている映像、あれなに?意図は何?面白いと思ってる?ウケると思って作ってるの?とそれを考えるとイラっとくる。

 

 

 

あと、バトルシーン自体は良く動く良い作画・演出なのですが、ただよく動くだけ/ただ作画が良いだけであり、バトルの展開はつまらない…ドラマを感じないしドキドキワクワクも感じない、良作画を眺めてるだけという「脚本」としてのバトルのつまらなさ…。

 

 

物語展開、キャラクター達の魅せ方、バトルの魅せ方、脚本・シリーズ構成を真摯に取り組んで制作して欲しいわ、と感じた残念作品で
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上