録り貯めしていたアニメ「義妹生活」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。
親の再婚で同学年の男女がひとつ屋根の下で暮らすことになるという漫画やアニメで擦りたおされた様な設定で始まる物語。
しかし、この導入設定の場合って通常はラブコメ作品になりがちなのですが今作「義妹生活」はコメディ要素が薄いというかほぼない感じなのですよね。
ドタバタコメディ感がなくローテンションで地味に物語が展開されるというのが他の作品では見ない珍しいパターンだったので序盤はその物珍しさで面白く観ていたのですが…、終わってみると残念な作品でしたね。
いやね、物珍しいローテンションで繰り広げられるのひとつ屋根の下の男女同居生活という始まりだったのが結局は他の作品と同じ収まるべきところに収まったというだけの何の捻りも面白味もない結末でただ奇を衒っただけの作品にしか映らなかったのですよね…。
また、物語展開や登場キャラにしても結局は他のラブコメ作品と同じ様な物語展開、同じ様なキャラが出てくるだけなので主人公やヒロインのテンションが常にローテンションという以外は代り映えのしないただコメディ要素が薄いだけ(ラブコメから単純にコメディをオミットしただけ)のラブコメ作品だったという残念さ…、物珍しさだけで気を引こうとしたつまらない作品という印象しか持てなかったのですよね。
まぁそんな残念作品の設定なのでキャラ設定とその設定を受けての物語展開についても納得がない…。
ヒロインのキャラについて。
ヒロインが金髪でギャルっぽい恰好をしてるのは武装だという。で、そんな見た目であっても(派手な遊んでるっぽい見た目にも関わらず)侮られない様に/下に見られない様に成績は上位を取りたいと勉強を頑張っているというヒロインの設定。
しかし、赤点を取ってしまい補習・再テストを受ける事になるという物語展開になります…。いやいやいや、赤点取るなんてよっぽどだよ…。帰国子女で日本語が分からないとかの設定ではなないよね?で、しかも再テストに向けての勉強会の中で他キャラがヒロインは地頭は悪くないとか言ってる始末。。。
いや、地頭悪くなくて赤点取ってるってそれはヒロインが勉強を怠けてただけじゃん、分からなかったところを分からないままにしといたそんな程度の覚悟で「勉強頑張ってた」の結果の赤点じゃん、とヒロインのアイデンティティに関わる部分の設定がグラグラ、ボロボロなのですよね。
なぜ作者は物語を構成していてそういう所に気が付かないのか…、気付くことが出来ないのか…。。。自分が創ったキャラクター、自分が創った物語展開に矛盾・支離滅裂(までは言い過ぎかもしれないけど)が生じていることにおかしいと思わないのか・違和感を覚えないのか…、、、そこが残念作品・残念作者の残念たる所以なのですよね。
あとは、この作品のローテンションな導入を観た時は今作「義妹生活」は親の再婚で義理の兄妹となった関係の「リアル」を描こうとしている作品で、同じ設定の他の多くのラブコメのアンチテーゼみたいな意味もあるのかなと思っていたのですよね、最初は。
まぁ観進めていくと分かるのですが、結局はただローテンションなだけの他の多くのラブコメ作品となんら変わらない、何の意味もない作品だったのですが。
リアルなんて程遠い…、ヒロインの女友達である学年トップクラスの頭の良さでそのうえ陽キャなパリピで人望もあるという現実では見たことない、フィクションの中でしか存在しない様なキャラを描いていることに始まり、友達がほぼいない様な陰キャな主人公が何故かバイト先の年上お姉さんから好意を寄せられていたり、オープンキャンパスに行った先の大学の先生が個別で対談したり(催し・イベント等ではなく)とリアルではあり得ない様な、漫画・アニメ・ラノベのフィクションの世界でしか起きない様な「非リアル」を確実に描いていて、ホント何故こんな「リアル」寄りでもないただ地味・ローテンションなだけの物語を描いているのかその意味・意義が分からなくなったのですよね。
(結局やってること(登場キャラ、物語展開)はいつもの/他の多くのラブコメを同じじゃん、とこの作品がやってることの意味、やろうとしていることの意味が分からない…無意味なものに映っちゃうのですよ)
更に言うなら(これは余談ですが)、親が再婚した子供どうしの/義理の兄妹での恋愛について悩んでいる主人公とヒロインが描かれていますが…、正直そこはどうでも良いというか、、、某少女漫画のサブキャラがこの設定(親の再婚で義理の姉弟となる)で結婚してるからさぁ(作中でも義理の姉弟って結婚できるの?というセリフがあってからの結婚)、親の連れ子どうし・義理の兄妹って結婚できるんだなぁと分かってる/知ってるから俺的には何も悩まなくても良いじゃんという感じなのよね。というかネットでも使ってそこら辺について主人公かヒロインが調べろよ。別にそれで(義理の兄妹で恋愛・結婚したって)親が悲しむとかないだろ、と。
物語の導入・序盤は新鮮さを感じ面白さを期待していたのですが、ただただ奇を衒っただけの様な、その物語構成・テーマに意味・意義を見出せなかった残念な作品でした。
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。
以上