アニメ「政宗くんのリベンジR」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「政宗くんのリベンジR」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


第1期感想で、特に語る事はない、と書いている事からも察せられる様に、物語作品・内容に特に惹かれる所はなかった事、それに加え第1期が6年も前という事からほとんど内容を覚えていなかったですね。

覚えていたのは、(第1期感想と同様の事を語りますが)主人公とヒロインの関係性が「彼氏彼女の事情」(以下「カレカノ」)のサブキャラである十波と椿の二人の関係性まんまであるというパクリ設定の事のみでしたね。

ホント何故この作者そして出版社の担当編集はいくら20年以上前の作品のサブキャラの設定とは言えアニメ化もされた作品であり多くの人が知ってるであろうにどういうつもりでまんまの設定を使ったのか、そして何故6年もたった今第2期がアニメ化されるのか謎な作品だなと感じる訳なのですよね…。

 

 

 

で、第2期の内容について語っていくと…、
前半6話と後半6話で作品のテイストが明らかに変わっているのですよね。
前半はドタバタラブコメみたいなノリで後半は三角関係のラブストーリー物という風に、なんか1クールで収めるために無理やり繋げて構成したみたいな物語になっていて…、雑で粗くて綺麗くないのよね。。。

 

そして、その物語後半で明らかになる主人公がヒロインに復讐を決める事となった「豚足」発言が実は勘違いというか人違いだったという最悪につまらない落ちが示されます…、なんじゃそれ、ともう驚き(呆れ)ましたね。
しかもその流れの納得がないのが…、、、幼少期の主人公とヒロインはお互いに信頼関係が築かれていた事の描写があったのですが、主人公はヒロインの「豚足」、「お前なんか好きになる訳ない」発言(実はヒロインの発言ではなくメイド娘だった)をこれまで描かれていたはずの信頼関係なんか関係なくその一言だけで一気にヒロインに対する想いが恨み・復讐対象に変わるという話の流れに全く納得がないのですよね。。。

 

 

ホント、これは第1期感想でも語っている事ですが、今作「政宗くんのリベンジ」は「カレカノ」の設定の焼き直しであるにもかかわらず「カレカノ」の設定の方が断然面白いし優れているし「カレカノ」の設定の劣化版になっている事が問題ですよね。


政宗くんの~」の方は復讐のきっかけは、「豚足」、「お前なんか好きになる訳ない」と容姿を理由にキッパリ振られた事からになりますが、
カレカノ」の方は<無関心>、好きでも嫌いでもなく自分に対して<無関心>だった事に対する復讐となっています。

 

カレカノ」の方の話(設定)ですが…、
幼少期に太っていた事でイジメられていた十波を椿が助けてくれた理由について本人に尋ねるのですが…(もしかしたら自分に気があるのかも知れないと淡い期待を抱きながら)、返ってきた答えは「先生に頼まれたから」、という好きでも嫌いでもなくただ単純に先生に/大人に頼まれたから助けた、構ってあげていたという好き嫌いそんな段階以前の<無関心>であったという残酷さ、自分に対して<無関心>でいられなくしてやるという復讐になってるのが面白い、納得がある展開なのですよね。

で、さらに面白いのは十波の心の表層的には椿への「復讐」が目的となっているのですが、十波の深層は実は椿に惹かれていて、心も体も弱い今の自分では好きな椿が振り向いてくれるはずもない<無関心>枠の【自分】に対するコンプレックス・劣等感・嫌悪感…、【自分に対する復讐心】、自分自身へのリベンジというべきものがあったという事なのですよね。

 


それに比べて「政宗君の~」の方は…、、、信頼関係を築いていたはずがたった一言で憎悪、復讐対象へ変わるという流れ、物語展開、導入設定に全く納得がないのです…。「カレカノ」の後発作品であるにもかかわらず(面白くなっているならまだしも)つまらなくなっているというのが意味分からんのよね。。。(設定をパクるのならせめて原典より面白くしろよ、超えてみせろよ…と)

 

 

 

で、後半の三角関係展開についてですが、
終盤(10、11話以降)の流れから、もしかしてこのままメイド娘エンドになるのかと不安に感じていたのですが…、なんとか(メイン)ヒロインエンドになりホッとしましたね。
いやね、もしメイド娘エンドになっていたらホント何から何まで納得がない物語作品になってしまっていたからね…(主人公がメイド娘に惹かれるだけの納得できる理由(メインヒロインを差し置いて惹かれるだけの主人公との接点、イベント)がなかったからね)。特に褒めるべきところではないのですが、まぁ当たり前にメインヒロインエンドになって良かったですよ、というお話。

 

 


あとは、前半のドタバタラブコメ展開中のフランス娘の登場の意味。
ドタバタ場をかき乱しただけで空気みたいなキャラになっていて登場した意味がほぼなかったですね。

 

上記の様な無意味なキャラクターの設定、物語の構成からも、作品全体を見据えたキャラクター配置、設定、物語展開・構成が出来ていない作家だなぁ感じざるを得ないのですよね。

 

 


作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上