漫画「食戟のソーマ」について思う残念な点

以下、食戟のソーマについて、多少のネタバレを含む感想となります。


まず始める前に述べておくと、食戟のソーマ好きですよ。
コミックスこそ買ってはいませんが、ジャンプで連載していた当時は毎週読んでいました。

 

きっかけはTVアニメシリーズの第2期(~スタジエール編まで)からで、アニメ放送終了後から追いかけて本誌連載に追いつきました。
アニメでは第2期終了時点で主人公・ソーマは十席入りしていなかったのですが、さすがに本誌の方では、第七席くらいにはなっているだろうなと想像していました。
が、追いついた本誌連載の方でも主人公・ソーマは十傑入りしていませんでした。…なかなかスローペースなのねと感じましたよ。

 

…おそらくその様な声が多くあったのと、担当編集が変わったのでしょうかね。
VS久我戦までは面白かったのですが、以降の薊編(~連隊食戟)やBLUE編はちょっと残念な感じになりましたね。
それまでのスローペースが嘘の様な急展開で遠月十傑の第一席となり世界が舞台へと広がって行く展開となります。

 

遠月十傑がようやく本格的に登場する薊編ですが、強敵・遠月十傑のその見せ方が残念なんですよね。
その見せ方の残念な点というのは、十傑全員の名前とビジュアルの紹介後、初めてのまともな食戟が行われる連隊食戟で遠月十傑が次々と負けて行くという展開です。


話の筋として主人公側が負ける訳にはいかないので仕方がないのですが、十傑の初食戟が負け展開というのでは十傑の凄さ・強さというのが全く伝わないのですよね。
連隊食戟前の残党狩りでモブとの食戟は描かれますが、雑魚相手に圧倒してもその強さが全く魅せれてないのですよ。その十傑の強さの見せ方が残念なのです。
もっと早くから十傑を登場させ、黒木場や葉山なんかとぶつけて十傑の強さというのを見せるべきだと感じました。

 

(ここでちょっと話を「ワンピース」に持って行きますが、「ワンピース」にも同じことが言えるんですよね。
それは頂上決戦編の白ひげとエースの見せ方です。世界最強の海賊・白ひげが初めてまともに戦闘行なうシーンが負け戦という展開…。
エースもVS黒ひげでほぼ初めてまともに戦闘を行うシーンが負け戦となります。初登場時から「強い!」と噂だけされていたキャラクターの初戦闘が負け戦ではその凄さ強さが伝わらないんですよね。
頂上決戦編は白ひげも死んでエースも死んでという白ひげ側の完全敗北で終わるから余計にそう感じます。せめて海軍大将3人を白ひげ一人で相手にし余裕で二人を沈めるくらいの(しかも頂上決戦後も後遺症が残るくらい深手を負わせる)圧倒的な力を見せて欲しかったです。
白ひげの完全敗北に「世界最強」の納得が感じなれなかったのです。
…一方、ハンター×ハンターのネテロ会長のVSメルエム戦。人類最強とされるネテロの初めてのまともな戦闘でこちらも負け戦となりますが、VSメルエム戦についてはなんか納得があるんですね。冨樫の見せ方が巧いんでしょうね。。。)

 


そして、
そもそも十傑になるための条件が良く分からないのが問題ですよね。(もしかしたら単行本に詳細が載っているのかも知れませんが…)
十傑入りする条件は、ただ単純に座学と実技の上位10人が選ばれるのでしょうか?
三年生が卒業したら成績上位者10名が自動的に十傑入りするのであれば、年度によって同じ第一席でも相当の差が生まれる事が考えられます。

 

例えば、同じ難易度の試験で平均点が80点の年度(A)の第一席と平均点が60点の年度(B)の第一席では相当の差があり、
年度(B)の第一席の実力というのは実質、年度(A)の下位九席、十席辺りの実力という事にもなり得ると考えています。

同じ第一席(第二席)でも銀や城一郎と司、四宮の実力にも当然差はあるだろうと考えられるのです。(おそらく城一郎が飛びぬけてる?)

城一郎、銀、薊の「玉」の世代の十傑が90点~100点で第一席の座を争っていたとしても、「玉」が卒業していなくなった後の「路傍の石」の世代では60点や70点でも第一席になれてしまう~必ず席次が埋まるというのが問題だと感じるのです。

 

それを避けるためにも、試験や審査が必要である一定ラインをクリアしないと場合によってはその年度は第一席は空席になるというのがあって良いと考えます。

…作中でその辺りが明示されていればすっきりしたのになぁと感じます。そしてそれが強さを保証するラインにもなったと思うんですよね。。。

 


主人公・ソーマが第一席になってからはBLUEという世界大会にまで話の規模が大きく進みますが、盛り上がりにはちょっと欠けたかな…、料理のネタも尽きてきたのかなとも感じました。

 

序盤~中盤は面白かっただけに以降の失速は残念で、本当にジャンプで欠かさず読んでた漫画が一つなくなってしまい寂しいです。

 

以上、好きだからこそ感じた食戟のソーマについて思う残念な点でした。