録り貯めしていたアニメ「道産子ギャルはなまらめんこい」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。
タイトル、コンセプト、物語構成から始まりキャラ造り(性格設定、属性付け、配置・環境)までおかしいと感じる残念な作品でした。
まず、タイトルから想像したのはこの作品は「八十亀ちゃんかんさつにっき」の様な特定地域のあるあるネタや県民性(今作「道産子～」で言えば道民性になりますが)にフィーチャーする、そんな作者の地元愛を基にした／生まれ育った地元の魅力を語る作品だと考えていました。
しかし、この作品は「八十亀ちゃん～」ほどには地域あるあるネタや道民性、地元愛、地元の魅力を語る様な作品構成にはなっていないのですよね。
序盤も序盤に申し訳程度にほんの少し雪の大変さや雪まつりについてのお話があったくらいで地元ネタを中心とした物語構成になっていないのですよね。
タイトルに「道産子」を含んでいながら「八十亀ちゃん～」ほど地元ネタ(北海道・北見では常識な事象が世間一般的には非常識である様なネタ)を中心とした物語にはなっていないことが残念なのですね。
地元ネタを中心とした物語構成・作品コンセプトにしないのであれば敢えてタイトルに「北海道要素」を入れる必要がないだろ…と納得がない構成となっているのです。
続いて問題なのが…というかこちらの方が重大な問題なのですが、キャラクター(性格設定、属性付け、配置・環境)について。
まずは主人公について。
高校生の主人公がこれまでカップ麺を食べたことがないというちょっと訳分らんお坊ちゃま設定…。
いやいやいや、都会から北海道にやってきた主人公が「都会の常識(一般常識)」とは異なる「北海道の常識」を知って／体験して驚く、というのが作品コンセプトとしてあるのならば、「一般常識」を知らないという設定の主人公なんか設定／配置したらダメでしょ。。。
「都会の常識(一般常識)」とは異なる「北海道の常識」に主人公が触れて驚くということが出来なくなるじゃん・そもそもの「一般常識」がない／知らないなんて設定は、作品コンセプトがブレるじゃん…アホなの？と主人公のその設定に全く納得がない。
なぜ一般常識がないお坊ちゃま設定にしたのか、なぜ普通のノーマル属性の主人公にしなかったのか、なぜ作品コンセプトがブレる様な設定にしたのか納得がないのです。
次に、ヒロインについて。
なぜギャル設定なのか。道産子のJKはおしなべてギャルということなのか(おそらく違うだろう…)。
また仮にヒロインのギャル設定を飲み込んだとしてもギャルである必然性が感じられない造りとなっているのですよね。
北海道ネタをやる／紹介するのにギャル設定が都合が良いことがあるの？それともただ単に受け身な主人公と絡ませ易いからという理由だけでギャル設定にしたのかな？
なぜギャルではない普通のJKではダメだったのか？見た目に分かり易い特徴的な表面的な属性付けだけのため？とその設定の付け方に納得がないのです。
更に言うと、ヒロインの性格(誰にでも物怖じせずガンガン攻める)やギャル設定から考えると、同じギャル仲間が居ても良さそうなもんだけど全く出てこないのよね…。
なんだろ？ヒロインはあの高校でただ一人ギャルをやってる娘なのかね？性格も良さげで人望もありそうな感じで描かれてたけど主人公が転入してくる前にヒロインと仲良くしていた(同性の)特定の人物・友達／親友キャラというのがクラスまたは学年に居ても良いはずなのに一人も出てこない不自然さ。なんだろ？ヒロインが嫌われていたのでないならばヒロインはクラスの皆とは浅く広く付き合ってた感じで誰とも特別仲良くはなかったってことなのかな？とヒロインの交友関係／配置・環境について描き方に納得がないのですよね。
あとは、第2ヒロイン、第3ヒロインについてもキャラとして弱い…表面的な属性付けのみで魅力／深みがなく主人公とのストーリーの絡め方も無理やりというか雑というか適当というか…、これまで述べてきたキャラ関連全てにおいて上手くない、設定・構成が出来ていない、納得がないと感じるのですよね。
この作品って原作はジャンプ＋で連載されているみたいだけど…、ジャンプ作品って何よりもキャラを大切にする／重きを置いて描くことを求められると考えてたんだけど、、、ジャンプ＋は違うのかね？それともただ単に担当編集の能力によるものなのかね？
この作品って全くキャラが造れてないと感じるのだよね。この作品がアニメ化されるってことはそれなりに人気があったということなのだろうけどなぜ人気だったのだろうね？まぁおそらくエロ描写によるものかな、とは想像するけどさぁ…。
タイトル、コンセプトから、そして何よりもキャラ造り(性格設定、属性付け、配置・環境)が問題だと感じられる残念な作品で
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。
以上
