稀代の天才漫画家「三浦建太朗」

今の世の中、漫画家は数いれど真の天才漫画家はほんの僅かです。
「真の天才漫画家」は総合エンタメクリエイターだと自分は考えています。

 

映画やドラマで云う、
作品の方向性、描きたい事・テーマ、話の構成を決める「監督、脚本」業を行い(→プロット、ネーム、ストーリー構成)、
絵コンテ、カメラワーク、構図を決める「演出、カメラ(撮影)」業を行い(→コマ割り・頁構成、構図)、
(上記、演出に付随する効果音(→擬音演出)もあり)
物語に深みを与える登場キャラクターを決める「俳優のキャスティング、演技指導」を行い(→キャラクターデザイン(性格、容姿))、
またアニメや舞台で云う、
背景(撮影場所)や小物・小道具の作成「美術、大道具・小道具」業を行い(→漫画の背景の描写・世界観の描写、漫画に登場する特殊な道具の作り込み・設定)、
等々、
映画やドラマ、アニメ、舞台であれば分業体制で行われるものを一人でこなしてしまう…
作者の頭の中にあるイメージを余すことなく紙面に表現できる能力を持った人、それが総合エンタメクリエイター「真の天才漫画家」だと考えています。


三浦建太朗さんは、その説得ある画力で世界観・設定を、物語に深みを与えるキャラクターを造形し、そして何より、最初から最後まで緻密に計算されたストーリー構成が出来る「映像、演出」面でも「世界観・設定、脚本・構成」面でも
高いレベルで表現…読者に伝えてくれる(それを可能にする能力のある)、今の世に居る数少ない「真の天才漫画家」の一人でした。


他の日記でも何度も語っていますが、自分が考える真のエンタメは
「何度読んでも(観ても)面白い作品」、「たとえ物語の先の展開が分かっていたとしても次もまた楽しめる作品」なのです。

 

ベルセルク」のガッツの「鷹の団と出逢い~蝕」までの流れ、構成はホント惚れ惚れするほどで何度読んでもゾクゾクするんですよね。

暗い過去を持つガッツが出会う光のグリフィス、
鷹の団の仲間たちとの関係、
小道具・重要アイテムである気持ち悪い真紅のベヘリットの造形、
異形の怪物の交戦、
拷問を受け再起不能となったグリフィスと光のガッツ(光と影が逆転)
…このグリフィスの心の描き方が秀逸であるからこそ「捧げる」にも納得が生まれるのです。
そして、訪れる「蝕」…あの絶望感たるや半端ないですね。

 

緻密なストーリー構成、キャラクター造形、圧倒的画力で描かれる重厚な世界観、
本当にこんな「面白さ」と「納得」を作れる漫画家を、自分は指を折って数えられるくらいしか知りません。


三浦建太朗さんの描く「ベルセルク」、完結まで読みたかった………。

 

ネット上の声で「誰か引き継いでベルセルクを完結まで描いてくれ」というのを見ましたが、上記で述べた様に、三浦建太朗さんの様な「真の天才漫画家」は…ベルセルクを引き継いでかける様な人なんていないのです。
三浦建太朗さんは唯一無二の漫画家だったのです。

 

三浦建太朗さんの頭の中で創られるイメージの表出、世界観・設定、物語の構成、キャラクターのセリフの一つ一つが「ベルセルク」を作っているのです。


もう、「ベルセルク」は読めない、のです……。

 

以上