2021年「良」アニメまとめ ~2021年ベストアニメ~

年も明け、2021年に観たアニメ(2021年に放送されたアニメ)も百を超えたのでここらで
2021年(に放送され完結したアニメ)のベストアニメを決めようと思います。


まだ録り貯めている作品が残っており全ての2021年アニメを観た訳ではないですが、
おそらくこれ以上観たとしても「良」「優」作品が出る事はない(今、自分が心の中で決めている2021年ベストアニメを超える作品は出てこない)と思うので、ここで決めてしまっても問題ないと判断します。

 

つい最近、今回の日記のためにカテゴリ【「良」アニメ】を追加しました(【2021年アニメ】の感想を見直して「良」評価した作品をカテゴリ分けしました。漏れは…多分ないと思います)。

 

「優」評価作品はなかったので、2021年ベストアニメは「良」評価作品から選ぶこととなります。
対象は下記8作品となります。

・「月とライカと吸血姫」
・「魔道祖師」
・「月が導く異世界道中」
・「さらざんまい」
・「恋と呼ぶには気持ち悪い」
・「聖女の魔力は万能です
・「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」
・「ワールドトリガー

 

ちなみに全くの余談ですが、
次点としては「限りなく良寄りの可もなく不可もなく」評価作品の
・「サクガン
・「かげきしょうじょ
がありました。

 

で、対象8作品の中からベストを決める訳ですが、
過去の日記でも何度か述べている様に、自分が重きを置いているのはお話の構成・展開の綺麗さで、綺麗に構成されたお話が好きなんですよね。

その基準からいくといくつか候補から落ちるものがあります。
それは完結していないシリーズ作品、になりますね。1クールor2クール作品としてきちんと完結していれば、綺麗な構成になっていれば良いのですが、「続き」を前提として終わってる作品はちょっと候補から落ちてしまいますね。
(…しかしこれはシリーズ物作品が決してベストアニメになり得ないという事ではありません。シリーズ物であっても、それでもその「続き」が気にならないほど1クール(2クール)として作品が綺麗にまとまってさえいれば充分ベストアニメになり得ます。ただし今回は、そこまでのシリーズ作品はありませんでしたね)

 

そうすると候補に残るのは
・「月とライカと吸血姫」
・「さらざんまい」
・「恋と呼ぶには気持ち悪い」
・「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」
になります。

 

で、ここから評価内容について言及しさらに絞ると…、
さらざんまい」はやはり自分が幾原ファンという事もありちょっと甘い評価になっているかな、というのもあり脱落、
恋と呼ぶには気持ち悪い」には前半部分にちょっと納得のなさがあるのと、終盤の展開が急でちょっと物足りないというので脱落、
ウマ娘 プリティーダービー Season 2」は俺的にはライスシャワー編が一番の盛り上がり所だったので最終盤の展開ではそこまで盛り上がれず…という事で脱落、
となった結果…、
2021年ベストアニメは、
「月とライカと吸血姫」
となりました!
以下、ネタバレを含む感想となります。

 


月とライカと吸血姫」はシリーズ物で今回アニメ化された内容は原作小説の1、2巻(おそらく1巻がイリナ編、2巻がレフ編なのかな?)らしいのですが、
3巻からは連合国編になるみたいで「共和国」側の物語としては1、2巻の内容できちんと完結してるみたいなんですよね。
それに、別に消去法で選んだ訳ではなく、「月とライカと吸血姫」は本当に綺麗に構成された物語なんですよね。

 

何度も言いますが、自分は綺麗に構成された物語が好きなのです。

最終的なゴールがまず決められていて、そこから逆算的に物語が造られると、最初から最後までが綺麗に構成された物語になるのですが…、

 

綺麗に構成された物語として例を挙げるとすると(以前日記にも上げていますが)やはり「ベルセルク」の1話~蝕までの話(~黄金時代編)になりますね。

 

まず物語の最初に、烙印を押され使徒に命を狙われる主人公ガッツが描かれているのですが…、この時点で既に蝕という(黄金時代編の)最終ゴールが決められている事が分かります。
この蝕(最終ゴール)に辿り着くために~グリフィスの「捧げる」に繋げるために~「捧げる」というしかないグリフィスの絶望を描くために~「鷹の団」、「ガッツとの別れ」や「拷問」や「王女」や「ゾッド(人外の存在)」、「真紅のベヘリット」が配置されていて、
蝕の絶望感を描くため鷹の団の輝かしい活躍を描かれ、キャラが描かれ、そして団の活躍やキャラが深く描かれれば描かれるほどその絶望感も深くなるという、何度読んでも飽きない、何度読んでも唸らされる素晴らしく面白い感嘆の声が漏れるほど綺麗な物語構成となっているのです。

 

話が少し他所へ逸れましたが、「月とライカと吸血姫」も、最終ゴールから逆算して造られた綺麗に構成された物語になっているのです。

 

おそらく作者の牧野圭祐さんの頭の中には、まず最終ゴールとして11話の、レフが宇宙から地球を観た感想を全世界へ向けて述べる場面で、非公式ではあるが先に宇宙へ飛んでいたイリナの言葉をなぞるシーンがあったのだと思います。

そしてそのイリナの言葉をレフになぞらせるためには、イリナが先に宇宙に飛んで無事に帰ってきて主人公と話す必要があった訳で…、
さらに二人の関係性を描くためにイリナの訓練とその中でのレフとの関係性の変化が丁寧に描かれれるという小説1-2巻分の流れが逆算して描かれています(小説未読ですが)。


…そしてその中で吸血鬼に対する差別・偏見なども描かれています…これはこの小説のテーマと思われる「異なる文化、異なる宗教、価値観を持つ異民族に対する差別」意識に対する問いというか答えというか…、後のレフの暴露演説にも繋がる綺麗な構成となっています。

 

レフが宇宙から地球を観た感想「地球は青いヴェールに包まれている」というラジオから聞こえてきた言葉に感動したであろう共和国国民。。。しかし、その言葉は実はレフより先に宇宙へ飛んでいたイリナの言葉であった…。。。
レフは祭典の場で、自分より先に宇宙へ飛んでいた人物がいる事、そしてそれが差別・偏見の目で見られてきた吸血鬼である事を暴露します。
祭典の場にはイリナ自身も現れ演説しますが、共和国民からは罵倒を浴びせられる事となります。しかし…、イリナを罵倒した多くの共和国民は気付いていないのでしょうが、ラジオから聞えてきた宇宙から地球を観た感想のその「言葉」、
共和国民レフを誇りに思った・共和国を誇りに感じたその「言葉」は自分達が蔑んできた吸血鬼の「言葉」、同じ「言葉」なのでした。

(この「地球は青いヴェールに…」はガガーリンの「地球は青かった」の様に、レフの言葉として後世にも語り継がれる言葉になるのでしょうが、実は吸血姫イリナの言葉であった…といつかわかる日が来るのでしょうかね。。。)

 

同じ言葉で、感動を共有し意思疎通が図れる…それなのに何故、身体的特徴や文化、価値観の違いで差別・偏見・弾圧が生じてしまうのか…。。。
自分は今作「月とライカと吸血姫」のテーマを上記の様に受け取りました。

 

そう考えたとき、1クールの作品としてしっかりとしたテーマもある綺麗に構成された物語として、
自分的には「月とライカと吸血姫」が2021年ベストアニメとなるのです。


ホント、この様な最初から最後までが綺麗に計算された構成が成されている本作は間違いなく2021年ナンバー1の良作・名作ですよ。。。2期(共和国編)があるなら楽しみにしたいですね。

しかし、もし2期があるとして、先に原作を読んでしまうか何も知らないまっさらな気持ちで迎えるかの判断は難しい所ですね…。

 

以上