アニメ「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

SF色が強いだけのアニメ。
SF設定面白く好きだけど、それだけなのよね…エンタメ色が薄い作品となってしまってます。

 

具体的に問題点を述べると、
誰が主役かわかんない、主役が主役らしい活躍してない(主役中心となって話が回っていない)、そして、中盤くらい(7話くらい)まで観てもこの話がどこに向かうのか分からんかったです。
ロボットで怪獣と戦う話になるのか、急に湧いて出た怪獣から逃げるパニックムービー的な話になるのか…

 

最初は小さな町で始まった怪獣騒ぎが、あれよあれよと世界規模の話になり、
そうなると必然、国や軍が出てきて主人公が中心にならない、どうしても大局に流される事になるのよね。
(ここでもし主人公が特別な能力を持っていて国や軍の中に居ながらも中心となる話になればエンタメにはなるのですが…(そうした方が良いといっている訳ではないです、それをやるとSF色が薄れ一気にファンタジー色濃くなってしまいます))

 

主たる目的・確固たる信念もなく大勢に流される主人公の話を見せられてもきついのです。エンタメとして話の進むべき方向性を見せ、主人公達の行動がその方向へ向かっている事を示すべきなのです。
話の方向性が示されず、怪獣の影響が世界規模になって、もはや主人公達でどうにかできるレベルを超えた話になりどう風呂敷を畳むつもりだろうと観ていて不安になりました。

 

SF要素が強いのは良いのですが、エンタメである事を忘れてはダメですよね。
SF設定のみ~そのSF設定を説明するのに必要なキャラクターを配置したのみ~では盛り上がれないよ。
設定や脚本を考えたのは「円城塔」だろうけど、監督はそれを唯々諾々と受け取るだけではなくエンタメとして昇華させなければならない、
主役・メインキャラのキャラクターが弱ければそれを指摘・補強すべきだし、1クールシリーズ物として主役が主役として機能していない、と感じたら監督が手を加えてでも
、軌道修正・作品全体の舵を取りエンタメ化すべきなのです。それがなくSF色が強いだけの作品になっているのが残念な作品でした。
一部、エンタメ化しようとしている努力が見えたのがロボ・ジェットジャガーですが(なんかこの戦闘ロボ周りの設定だけが他のSF設定と比べ浮いて見えたのはそのせいかなと感じています)、
求めているのはそういう一部のエンタメ化ではなく作品全体として、シリーズ構成としてのエンタメ化なのよね。それが出来ていない結果がエンタメ色が薄い作品となっているのですよ。

 

あとちょっと気になったのは主人公(男)、主人公(女)がちょっと優秀過ぎないか?と。片田舎に居る様な人物じゃないと思うのですが…、まぁあれくらい優秀じゃないと物語に関われないからの設定何でしょうけどね…。
ま、関わるといっても終盤ちょこっと取って付けた様な見せ場あるくらいの活躍ですがね…そこら辺の主人公の配置の仕方も問題なのよね。


シリーズ構成としてのエンタメ希薄の問題はありますが、それ以外のところ…作画面・アニメーションとしてはもう素晴らしい以外何も言う事ないですね。
オレンジのCGの凄さ、ボンズのレベルの高さを改めて感じ褒める以外にないですね。
特にオレンジのCGは他のところのCG技術よりも頭一つも二つ分も飛び抜けてる感じで感嘆するしかないです。

 

(あと、キャラデザで気になった、というか面白かったのが主人公(女)。ズレた黒縁デカ眼鏡と紫髪…どことなくアラレちゃん雰囲気がありますが、EDの映像…あれは
確実にアラレちゃんに寄せに行ってますよね。まぁただのお遊びでしょうけどね…)


最後、モスラが出て話を締めるのかと思ったら出てきませんでしたね。その前兆らしきものはあったのですが、2期?に続くのかな?

作品全体の感想としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上