ドラマ脚本、原作改変問題について④(日本テレビ ドラマ制作における指針について)

2024年7月22日に日本テレビから「日本テレビ ドラマ制作における指針」が公表されました。

 

5月31日に「調査報告書」が公表されてからおよそ2ヶ月経って出てきたのがこのペラ紙一枚の「~ドラマ制作における指針」だけって…。

(俺がこの「~指針」を初めて見たのはツイッター(現「X」)上だったのですが、ツイッター上に記された指針はあくまで指針の要約みたいなものかと考えていたのですよね…、それがまさかツイッター上に記載されていた情報がすべてであり本当にあのペラ紙1枚のみの資料だったとは…)


まず、こういった「~指針」が出てくるのが遅いし、「調査報告書」が公表されてから2ヶ月間なにやってたの?ホントに反省してるのか?真剣に考えているのか?と思えるほどの物理的に中身のない(2ヶ月もかけて出来たのがこの1頁のみの資料)「指針」であること、そして「指針」の内容についても何を今更ということばかり/内容がない/薄っぺらい指針であること(詳細は後述します)…、、、

とこんなものをわざわざ公表した理由、それはおそらく6月末に行われた日本テレビ株主総会で「調査報告書」の内容について突っ込まれたから急遽やっつけで作ったそれ故の結果なのだと考えます。
(「調査報告書」を公表したきりで、2ヶ月間反省も何もしていなくて真剣に考えることもなしに株主総会で言われたから何かアクションを起こさなければと焦って急いで適当に当たり障りのない具体性・詳細もない薄っぺらい内容の資料を作ったのでしょうね)

 

 


【指針】についてツッコんで行こうと思います。
「これまでの制作プロセスを見直し~原作を尊重し~」の文言について。
え?本気で言ってるの?それって今更見直さないといけないことなの?「原作を尊重」って当たり前にやること/やってたことだろ?
日本テレビ側はこの文書で公式に認めちゃってるみたいだけど「見直し」ってことはこれまで意図して・意識して「原作を尊重」していなかった/しなくて良いと認識していたってことなのだよね?だからそれを「見直す」って言ってるのよね?
…まぁ上記は3割くらいは揚げ足取りみたいな穿った見方をした文句ですが、、、ホント上っ面だけ/言葉だけで「原作を尊重」なんて今更当たり前の事を言って終わりにしてんじゃねえぞという思いなのですよね。。。

 

 

前段でもちょろっと触れましたが内容がない/中身が薄っぺらい【指針】…「原作を尊重」してドラマ制作するための適正な制作プロセスの構築の具体案・詳細が示されていないのがイラっとする(上っ面だけ/言葉だけの【指針】で終わらてんじゃねえぞ)。
「調査報告書」公表後から2ヶ月間ホントにこの件について真剣に考えていたのか?(おそらくというか絶対に考えてない)本気で考えてたらこんなペラ紙1枚のはずないよなぁ?(指針はあくまで方向性、考え方を示すざっくりしたものというのは理解していますが…それでも今更な内容と2ヶ月間という期間を経て出てきたものがコレ、と考えると…)
真摯に向き合っていたなら、『「原作を尊重」してドラマ制作するための適正な制作プロセスの構築』の具体案・詳細としてたとえば「原作許諾契約書」の雛形・フォーマットなんかも今回一緒に公表できるんじゃないの?
どうせ2ヶ月間反省も何もしていなくて真剣に考えてもなかったらフォーマットもなにも出来てないんでしょ…。

テレビ局側/ドラマ制作側が本当に本気で誠実に「原作を尊重」してドラマを作るつもりなら「原作許諾契約書」の雛形・フォーマットの中に、『もし原作者からNGが出た場合、いついかなる場合においても原作サイドへの非は問わずテレビ局側/ドラマ制作側の責任で放送/配信の契約を解約できる(受け入れる)』旨の文言を「原作許諾契約書」の基本型/基本方針として組み込んでみせれば良い(なんなら契約書のフォーマットではなく指針の中に記載してもらっても良いけど)。


テレビ局側/ドラマ制作側が原作者側・原作サイドにそこまで強い権限を与えることが出来る(本来持ってる「著作者人格権」ではありますが)、テレビ局側/ドラマ制作側がこれまでの態度を改め下手に出ることが出来れば本気の誠意は感じられるかな…まぁ出来ないだろうけどね…。

いや、上記は2割くらいは冗談(実現可能性は低い)ですが、ホントそれくらいやって欲しいと思っていますよ。


もし上記契約内容の結果、原作付きを扱うことはリスクになる、と判断して漫画・小説原作のドラマが減ることになればそれはそれで構わないと思っています…、、、ドラマ制作の結果で原作者が命を落としてしまう様なことになるくらいなら原作付きドラマなんかなくなれば良い(俺は元々ドラマ観ないし)。

 

 

 

SNSの運用、対策について。

前(脚本家のSNS投稿)の時も弁護士には相談してたんでしょ?

で、予見可能性を指摘できない弁護士がどうすることも出来ないって言って大事になってんだから、もう少し具体的な案を示せよ(指針の中でなくても良いから別紙で具体案・詳細を示せないものかねぇ…そういう資料を示せない辺りで本気でやる気がないんだろうな、と感じる)

 

 

 

人材育成について。
いやいやいや、経験豊富/ベテランに育成させたらダメでしょ…。それじゃ今までの悪習の繰り返しになるだろ。
まずやらないといけないのは意識改革だと思ってるよ。テレビ局側の特権意識の改革。
「調査報告書」を読んでいても感じたテレビ局側/ドラマ制作側の特権意識、上から目線の物言い…まずその意識改革からだろ。

「原作」がなければ「原作者」が漫画/小説の物語を創り出さなければ今のテレビドラマ/映画作品の7割8割はないんじゃないの?(全作品中の原作付き作品の割合の本当の/詳しいデータは知らんから感覚で言ってるけど…)

もし「原作/原作者」がいなければ当然その分の仕事が減るのだから今の7割8割の映像関係の人は飯が食えなくなるということを理解・認識して自分たちが抱いている特権意識を改めた方が良いよ…。

 

 


2ヶ月あったんだからさぁ本気で考えてたのならばあんな上っ面の薄っぺらい指針のペラ紙1枚だけってことはないでしょ…もう少し具体性・詳細な案(契約書フォーマットや今事件の反省を踏まえての具体的対応・詳細な対策案)等も出そうぜ。
取り敢えず日テレ側には早々に「原作許諾契約書」に盛り込む基本方針を公表してくれるのを期待して待ってるわ。。。

 

 

以上