アニメ「ピーチボーイリバーサイド」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「ピーチボーイリバーサイド」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


桃太郎をベースにした話だという前知識はあったのでどんなんだろ?と思って観ていたのですが、なんか色々とう~んな感じの作品でした。

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

まず、主人公・姫のキャラクターがよう分からんし好きくない…。鬼や亜人との共存を謳っていながら、言う事聞かない鬼は力尽くで排除して、言う事聞く鬼とだけ仲良くしましょ、で共存訴えてるのが偽善過ぎてヤバい…。
これは、作者が意図して描いているキャラクターなのかもしれんけど、その場合、どう解決すんだろ?鬼は人間の怨念云々の設定~では絶対きれいに話が終わらんぞ?
主人公・姫の偽善独善エンドになるとしか思えんのだけど(若しくはよりバッドな終わりか)…とそのキャラ設定、鬼の設定からの今後の展開に不安しか感じません。

 

あとは、ウサギや他の仲間キャラの設定(鬼以外の設定)についても、どうなの?的な疑問があります。
それは、この話が「桃太郎をベースにしている」(劇中で語られた内容では、桃太郎のその後のエピソードであるという設定でした)という、「お伽話」設定についてです。
「お伽話」がベースに在る、という事は、仲間のウサギキャラも「お伽話」のキャラかと考えていました。
あのウサギキャラは木槌を持っていたので、ウサギと木槌から想像される「お伽話」でカチカチ山のウサギかなと最初考えました。
ですが、途中から(劇中の説明やテレビCMでの原作漫画の説明で)、桃太郎が外国に行ったという設定、が分かり、ウサギと木槌が出てくる外国の童話で分らんくなりました。


他の出てくるキャラも外国の童話の登場キャラではないらしく、ただのファンタジー世界の登場人物のようです。どうやら「お伽話」設定は桃太郎だけのようですね…
と「お伽話」ベースの話に期待していたのにちょっとガッカリです。『桃太郎の「続編」』という意味あるのかね?『桃太郎を「モチーフ」にした作品』で良いんじゃないの?と疑問なのです。

 

あと、二代目桃太郎の設定もよう分からんね。最初、初代桃太郎と血縁関係だと思ってたけど血の繋がりないみたいね。
それなのになぜか継承される「桃太郎」の能力。桃から生まれた~みたいなのは関係ないのね…よう分からん。
あとキジとサルは居らんのか?それとも姫の(サルトリーヌ)が猿鳥犬で3匹表してんのか?よう分からんね。

 

 

で、ここまでがお話やキャラクターの話です。以降は放送期間中話題になっていたシャッフル放送について語ります。

 

まず、この作品に限らずの話ですが、「シャッフル」自体は別に良いと思っています。
それが作品のため、視聴者のため、というのがあればたとえ原作とは違う時系列の並びであっても「覚悟」を持ってやるのであれば良いと思うのです。
しかし、この作品にはまずこの「覚悟」がない。原作とは違うが「作品のため、視聴者のため」に敢えてやった、「これがベストだ」と考えてやった、という「覚悟」がないのです。
その証拠(この作品に「覚悟」がない証拠)に別媒体では「時系列順で放送する」という事をやっている様です…なんじゃそりゃって話ですよ。


「作品のため、視聴者のため」にシャッフルが「ベスト」だと考えて放送したのなら全部そうすべきなのです…これはBDやDVDでの収録も然りです。
以前、ハルヒのアニメがシャッフルで放送されましたが、多分あれもパッケージ版は時系列順で収録してたと記憶しています…そういう事やっちゃダメなのよ…「覚悟」が見えないのよ…最初からやるなよ…と感じるのです。

 

やりたい事の意味は分かるけどね…話を「締める」のならあの12話で放送した話が良かったんでしょうけど。
普通に原作通りの話で並べて放送したら話が締まらないと考えたのでしょうが、そこをどう締めるか考えるのがシリーズ構成でしょうに…。
アニメの「脚本」ってただ原作を書き写すだけの仕事なの?違うでしょ?そこ考えないで「シャッフル」で解決だ!と思っているのがまずダメよね。

 


そして、次に並び替えるにしてもその順番についての問題があります…。

 

たとえば、前回を強烈な引きで終わって、次回の始まりはその続きを敢えて描かず(その数日後などを描いて)、その後、回想という形で前回の引きからの続きを描く手法はあります。
そういうのは全然有りだと思っています。前回の続きはどうなったの?あれ?1話飛んだかなと気にはなりますが、視聴者側もまぁなんとか理解は出来ます、追いつきます。

 

しかし、この作品のシャッフルのやり方はわけ分らんぞ。
3、4話辺りのシャッフルはまぁ可愛いもんだと思っていました、が、その後のシャッフルが酷い。
なにが酷いかというと、キャラの関係性が変化する前のエピソードと変化した後のエピソードをゴチャゴチャに入れ替えてはいけないですね。

 

最初に挙げた例(前回の強烈な引き~続きを敢えてやらない)でも、この時系列シャッフルではキャラの関係性は変わってはいないのです…変える様なシャッフルはやったらダメなのです。
ある程度の関係性が確立した上でのシャッフルであれば良いですが、関係性が「確立している時期」の話と「していない時期」の話をシャッフルでやられたら原作未読で初見で観てる側はもう訳分りませんよ。
しかし、この作品はそれをやってしまっているのです、アホの所業です。


ただ12話の話を最後に持って行きたいだけ、の思いでシリーズ構成を放棄して何も考えないでシャッフルしているのがダメなのですわ。
ホントに「作品のため、視聴者のため」なの?シリーズ構成考えるの諦めて自分たちが楽したいだけの「自分達のため」になってない?と問いただしたいですね。

 


と、別媒体では時系列順、とシャッフル放送に「覚悟」がない事、キャラがメチャクチャになる構成でシャッフルしている事の2点でこの作品のシャッフルは不可評価のシャッフルですね。


以上