アニメ「異世界のんびり農家」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「異世界のんびり農家」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


観ていてなんだか懐かしみを感じた作品。
辺境の地に何故か集まった世界最強戦力+ハーレム要素、という構図が「天地無用」を思い出すんですよね。

 

「天地無用」の
地球という辺境の星(柾木家)に集まった、宇宙最強の力を持つ樹雷皇家の皇女、その宇宙最強皇家に対抗できる力を有した(鷲羽の宝玉有り)宇宙海賊、樹雷や宝玉の力の源である三命の頂神の内の二柱(訪希深は柾木家に住み着いてる訳ではないので除外)等々…という全宇宙を相手にしても戦える恐ろしい程の最強戦力が揃っている事(その中でも主人公・天地が一番特異な存在な訳ですが)、そして天地という主人公を中心としたハーレム形態が今作と似ているなと観ていて感じたのですよね。

 

また、アニメ「天地無用! GXP」(「天地無用! 魎皇鬼」の外伝・スピンオフ的作品…だったのですが、小説版は「天地無用! 魎皇鬼」の続編というか正史みたいになってますね)内での敵キャラが主人公・山田西南の母星である地球にちょっかいを掛けようとして天地達にボコボコにされて(そんな辺境の星に宇宙最強戦力が揃っている事を知る由もなく)這這の体で逃げ帰ったというエピソードを、
今作「異世界のんびり農家」の主人公の村の周りの魔族やドラゴン達があの村やべぇ、手を出すなと慌ててる様子を見て思い出したんですよね…。

 

 

 

そんな「天地無用」の懐かしみを感じた作品でしたが、もう少し細かく物語の内容について語ると…、


まず、万能農具が便利過ぎですね。しかしまぁ「納得がない」という事ではなく上手く逃げてるなぁと感じたのですよ。

 

農業をやりたい主人公に一番必要なものって「農業に関する知識」だと思うのですが、おそらく作者は農業について造詣が深い訳ではないのでしょうね。
専門的な事は描けないから、足りない知識の分は全て万能農具が補ってくれている、という設定にしてしまっているんですよね。
(まぁ作者があまり詳しくないなら(農業に関する知識がないなら)、最初から農業メインの話を書かなきゃ良いのにとは思う訳なのですが…、設定で無理やり逃げたなと感じるのですよね)


しかし、万能農具の「設定」で逃げた事でメインとして描くべき「農業」要素が薄っぺらくなっているんですよね(作者があまり詳しくないなら(農業に関する知識がないなら)…以下略)。

 


そして、物語終盤以降(村が充分に大きくなって以降)は「農業」関連の話自体がなくなる(少なくなる)のですよね。最終話はもう子供が産まれる話メインになって締めてるし…。

 


「設定」で逃げた事によるしわ寄せが確実に出てきているのにそれを上手く処理できていない(しわ寄せが起きている事に気付いていないのか、気付いていても処理できる能力がなかったのか)…まぁここがなろう系と言われる所以かな。

 


と、「~農家」をタイトルに関していながら農業の内容が薄っぺらくなっている事、そして終盤の構成が農業メインになっていない事、という構成のダメさがありますが、
(酷く貶めすほど/イライラするほどではないので)作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

 

以下雑感

 

どうでも良いけど細かい所で気になるのがあの蜘蛛のモンスター。
最序盤で仲間になるのですが、なぜ初見から主人公と仲良くしているのかよう分からんのよね。この蜘蛛は色々と便利キャラで結構重要なポジションに居ると思うのですが(特に序盤)、なぜ主人公になついているのかよう分からんのですよね(主人公と犬についてエピソードがありましたが、蜘蛛はエピソードなかったよね?)、と納得がないのですよね。
(先代魔王と互角に戦ったという話を聞いて、お前そんなに強かったんかい!と驚いたのですが、そんな蜘蛛が主人公になつくに至った理由が欲しかったですね)

 

以上