アニメ「メイドインアビス 烈日の黄金郷」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「メイドインアビス 烈日の黄金郷」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


「平家物語~感想」で述べていた2022年(2022年冬、春、夏、秋)ベストアニメを決める上でこれを未視聴の状態では語れないだろう作品の残り一つが今作「メイドインアビス 烈日の黄金郷」です。

 


本当はもっと早くに(放送終了直後くらいに)一気観するつもりだったのですが…、あれ、そういえばメイドインアビスって劇場版があったよな、劇場版を観てからの方が良いのかな?

と気になって調べたら、もろに劇場版の続きの話らしいという事が分かりちょっと後回しになっていたのです。

 

 

で、今回「メイドインアビス 烈日の黄金郷」を観るに当たり「劇場版メイドインアビス深き魂の黎明」も観た上での劇場版も含む感想となります。

 


メイドインアビス」…この作品を一言で表すなら『容赦ない』作品ですね。
劇場版はそりゃR指定付くわと感じる…きついお話。


1期からだいぶ経っていたので細かい設定・エピソードは忘れていたのですが劇場版、2期と観ている内に、あぁこういう作品だったなぁと記憶の奥の方にこびり付いている・印象に残る強い、独特な雰囲気の作品だった事を思い出しましたよ。

 


劇場版を観終わって、2期の第1話を観始めてあれ?誰だこれ?これなんの話だ?と思って観ていたのですが、第1話が終わる頃にはもうこの「メイドインアビス」の世界に見事に惹きこまれてましたね。
いや、ホント凄いですね。この作者は天才だわ…凄い才能を持ってる~漫画・アニメ等の多くの創作が溢れる中で本当の創作が出来る稀有な人材、本物のクリエイターだな~と感じる…今作の様な作品を観るとやっぱクリエイターは偉大だわと感じる訳なのですよ。

 


作品全体の世界観、アビスの設定、雰囲気、そして主人公であろうと容赦なく平等に襲ってくるアビスのルール…主人公・物語のために設定を曲げる事をしない容赦のなさがこの作品にはあります。


またこの作品はアビス関連の「設定」だけではないのですよね。本当にその「世界」が細かく設定されているのでその「世界」に住んでいると感じられる住人達の思考だったり会話の流れだったりが納得が生まれる結果となっている…、
そういう「世界観」-「アビスの設定」からその「世界」の「住人達」まで設定が及んでいる・納得できる構築が成されているのが素晴らしいですね(設定周りはよく考えられているけどキャラやお話に納得がない・面白くないという作品が往々にしてある中、
この作品は世界観・設定周りだけでなくキャラやお話の構成も巧いですからね、そういう意味で稀有な人材、本物のクリエイターだと感じるのです)。

 


今作「~烈日の黄金郷」のお話、ファプタやイルミューイの話は重い・きつい内容ではあるのですがキャラや世界観の設定がきっちり描けているからその展開自体には納得はあるのですよね。
作者が本当に一つの「世界」を創っている事に感嘆する訳ですよねぇ。ホントにこの作者の創作能力は偉大だわと感じる…何年何十年掛かっても良いから作者の創るこの「世界」を観ていたいと感じる。

 


そしてもちろん作者の「世界」をアニメーションで表現しているアニメスタッフも素晴らしいですね。
いや原作は読んだ事ないから分からんけど、音や細かな動きが加わる事でより作者の創った「世界」が感じられる様になっているのではないでしょうかね。

その「世界」に深く入り込むため・没入するために1話1話観るよりかは一気観の方が向いてる作品じゃないかな。

 


ヘヴィな内容ではあるものの納得があり(これで納得が無かったらただの胸糞悪い作品になるのですが)強く惹かれた素晴らしい作品でしたね。
作品の評価としては、間違いなく「良」評価作品です。

 

 

ただねぇ作品の良し悪しとは別に個人的な好き嫌いで「良」評価止まりになってしまうんですよね。
それはやはり自分が「真のエンタメ作品は何度でも観たいと思う作品」だと考えているのでちょっと内容のヘヴィな今作は何度も観たい、観た後に清々しい気持ちになるとはちょっと外れるかなというところから「良」止まりなんですよね。
ホントこれは原作・作品の良し悪しではなく個人的好き嫌いが大きい所ではありますがね(もう少し詳しくいえば、作者の精緻を以って創られた「世界」自体は充分な「納得」が感じられる造りであり好きです。そしてその「世界・世界観」の雰囲気から作られる重い・きつめの話も納得はあるのですが…頭ではその重い展開を理解・納得はできても
心で納得できない・きついなぁと感じる、心がスッキリとは晴れないという個人的な感情というお話。…作品自体は間違いなく好きなのですよ)

 


以上