アニメ「魔道祖師」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「魔道祖師」(前塵編、羨雲編)を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


作画のレベルが凄い作品…特に背景美術の作画が劇場版のufotable並みで感嘆の声が漏れるほど高いレベルです。
中国人の名前だろうけど、誰が美術監督なのか確認したかったのですがクレジット出てないのよね…。いや、人物のアニメーションより背景美術が異常に美麗でそちらにばかり目が行く…。
驚いたね、ホント誰の仕事だろ、凄いわ。。。この背景美術だけでも観る価値がある作品ですよ。

 

で、作品全体の感想ですが、この異常ともいえる背景美術のレベルが引き上げてるのもあって「良」作品ですね。

 

が、かと言って別に背景美術のみで「良」作品と評しているのではありません。
主要キャラ(主人公と白服の友達、紫服の弟…名前覚えられんからこう書く)の深掘りは良く出来ていて、ちょっと不要なほどの話数使ってキャラの深掘りは充分に描かれています。
(なんか3話くらいから急に過去話始まるのよね…そしてその過去話が2、3話では終わらず1クールの4分の3ほどを使って描いてるのよね…まぁ元々1クール設定の作品ではないのでしょうね)

また、脚本も良くて(セリフ回しもカッコ良い)、ドラマの作り方のシリーズ構成も良くてレベルの高い作品です。

 

ただ問題がない事もない…。
それは、設定が出来てない、強さ設定が良く分からないという問題。

 

作中の設定で、仙道を使う仙門4派とその盟主みたいな派閥の関係が描かれているのですが、その力関係、強さ設定が良く分からないのよね。

作中、派閥同士の模擬戦が行われ盟主の派閥は最下位となり、それに腹かいた盟主は難癖付けて他の派閥を滅ぼすのですが、そんな模擬戦最下位だった様な力量の連中に敗けるの?おかしいだろ設定的に…、と納得がありません。

 

あと、そんな難癖付ける盟主になぜ他の4派は反抗せんのかよう分からん…、逆らえん理由あるの?

盟主側に一人バカ強いのが居るみたいだけどそいつ一人だけなの?あとは雑魚なの?そいつが居るから盟主になれてるの?とそこら辺の強さ関係がよう分からんのです。


他に、仙道で空飛んでたりしてるけど、出来る事、出来ない事の区別がよう分からん。何が出来ると強いと認められるのか、強者を強者たらしめてるのは何なのか「納得」が描かれていないのです。
(まぁこれは当作に限らず中国実写ドラマでもそうなのですがね…不意撃たれて優勢だったのが急にやられたりする展開が多い気がする)
と、シリーズ構成としては上手いけど、強さ設定に「納得」がない、造れていないという問題はあります…この辺りの納得のなさが「優」作品になり得ない所以。。。

 

あと惜しむらくは、それなりにキャラが出てくるのですが、キャラの幅が狭い、という問題もありますね。
基本、すかしたキャラが多い気がして、そしてそのキャラの描き方に区別がない。他のキャラとしては粗暴キャラなんかも居ますが、これもほぼ区別なく描かれています。
主要キャラ以外のキャラ付けをもう少し頑張れたらよかったのに、という点が残念ですね。


高い作画レベル(特に背景美術は異常)、主要キャラ深掘りも出来てる、シリーズ構成、脚本も上手い、

強さ設定等に納得がない部分、主要キャラ以外のキャラの幅が狭い問題などはありますが、基本的には面白い作品です。
未だ物語は完結しておらず続きもある様なので楽しみに待ちたいですね。

 

以上