アニメ「最果てのパラディン 鉄錆の山の王」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「最果てのパラディン 鉄錆の山の王」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


地味だけど良い、普通に面白く楽しめた作品。
いやね、1期も観てるんだけど…なんだかロードス島を思い出させる様な雰囲気の作品でした。
1期の頃はそんなにロードス島雰囲気は感じなかったのだけど…、おそらく1期に比べて「転生」要素が薄まったからでしょうね。
2期では「転生」の要素はほぼぼ歩皆無でしたからね、うん、もうこの作品は転生要素無しでスタートしても全然良かったんじゃないかと思うくらい正統派ファンタジーな作品なのですよね。
(まぁ主人公の強さ…スペシャルである理由が「転生」にあるので「転生」モノである意味はあるのですが…、この作品を創る作者なら「転生」でなくとも主人公の強さ・スペシャルである理由を・納得を充分作れたはずと考えますが)

 

 


最果てのパラディン~」は粗製乱造されている他の多くのなろう系作品と違い、地味ではありますがゆっくり丁寧に(物語構成/設定、作画/アニメーション共に)作品世界が描かれていて良い作品になっていますね。
(なろう系作品の多くは、物語に深みがなく良く言えばテンポが良い、悪く言えばご都合展開の中身スカスカな作品なのですよね)

 

 

 

良い作品ではあるのですが、気になる点もあります。

「最果てのパラディン(第1期) ~感想」でも同じことを述べているのですが、敵の設定、強さ設定の問題について。


第1期で「神」を倒しているのですが、今作「~ 鉄錆の山の王」での敵は「ドラゴン」になるのですよね。
いやね、神とも戦ったみたいな「ドラゴン」らしいのですが、やはり「神」を倒した後に「ドラゴン」出されても…という感じは否めない。

またその「ドラゴン」が強い理由は何なのか?何を以って「神」に匹敵すると言われているのか、その強さの理由・説明に納得がない/足りないと感じるのですよね。
例えば「神」の戦闘力が53万ならば「ドラゴン」も同じくらいの戦闘力であるとか、本来「神」にしか出来ないことがこの「ドラゴン」も出来るとか、なにか理由・説明、設定が欲しいと思う訳なのですよ。

 

 


そして今後の展開(強さ設定)についても不安が残るという点。
最後、主人公はドラゴンの力を獲得するという展開になり、元々強かった主人公が更にに強くなった訳ですが、「神」も倒して「ドラゴン」も倒して更に主人公は今よりパワーアップして…今度の敵はまた更に強くするの?インフレ展開まっしぐらじゃなない?
仲間との力の差が更に開いて仲間の意味が薄くなる(さすがに空気みたいな扱いにまでなることはないだろうけど申し訳程度に活躍・役割が与えられる程度になりそう)…、主人公一人で良いんじゃない?みたいにならないか、と不安なのですよね。

 

 


あとは、主人公が「キャラ」として弱いのですよね。
「善性」のキャラではあり好感は全然持てるのですが、あくまで「善性」というだけでキャラとして深みが足りない、魅力があまり感じられない、弱いのですよね。
(俺的には主人公のキャラよりもエルフ小僧のキャラの方が魅力を感じる)

 

 


最後に、物語全体的な感想として…、
一つ一つ小さいエピソード、シーンでは良く思える(悪く感じない)のだけど全体として見た時、ドラマ・盛り上がりが弱い、地味だと感じるのですよね。
(構成自体は悪くないのですが、なんかもう一度あのシーンみたい、の様な感じに残念ながらならないのですよね)

 

 

 

決して悪くはない、良い作品ではあるのですが…、マイナス点はないけど大きくプラスになる点もないという感じの、
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上