録り貯めしていたアニメ「HIGH CARD」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。
構成という構成が驚くほどに出来ていないダメな作品。
不思議な能力を秘めたトランプのカード52枚を集める組織、そこに所属する主人公…そして対立する組織との戦い、みたいな話がメインに描かれるものと考えていました。
なので当然主人公が属する組織の仲間紹介回、そして仲間との絆／信頼を深める話が描かれるものと期待していました。
しかし描かれたのは紹介回のみ…キャラによっては紹介回すら出来ていないキャラも(あの植物使いの兄ちゃんや爺さん等)。
…当たり前の物語構成ならば、仲間の能力説明、キャラクター(性格)紹介の各キャラの当番回があり、その後に主人公との絆／信頼を深める様な深掘り回があるのですが…この作品にはそれがない。だからチーム／仲間感、結束感が薄い仕上がりになってしまってるんですよね…最終話の展開の中で仲間意識がある感じを出してましたが説得力、納得が圧倒的に足りないのですよね。
いやホント紹介回すら描かれない仲間キャラが居るという構成がまず信じられない・意味が分からない(深掘り回がない事はあるのですが紹介回すらないというのはねぇ…構成が下手とかいう以前の問題だわ)。
あと、本編内でちょこちょこ主人公と不死身兄ちゃんとのバディ物感を出そうとしてんだけど、二人の信頼・バディ感を深めるエピソードが全くと言って良いほど描かれていないのよね(唯一、不死身兄ちゃんの秘密を知る回(第6話か第7話)は秘密を知る事で相棒への理解が深まると言えるけど…あの話は主人公だけではなくもう一人居たからね…、純粋にバディ感を強める話とは言えない)。
そんな状態で二人の間に強い絆・想いがあるバディ感を出されても全く納得がないのですよ…ホントどういうつもりでお話の構成してんだろ。。。
他には、8話か9話かで孤児院の院長から主人公はもうここに帰ってくるな的な事を言われるのですが、普通の思考ならば額面通りにはその言葉を受け取らずその裏にある意味を考えようとするのですが、この主人公はというと(頭が弱いとかそういう話ではなく)、人間らしくない・まるで機械か何かの様にそのままの意味として受け取る(相手とのこれまでの関係性、どういう状況で発せられた言葉かという事を考えもせずに)…活きたキャラとして描けていないのですよね。。。納得がない…。
そしてこれは構成というか最終話の展開、設定についてですが、
あの最後の展開…、4カードを3カードへって、、、(役が強ければそれだけ代償も大きくなるという設定らしいですが)、
いやいや普通に考えたら、役が弱くなったら効果も弱くなり代償も大きくなる(大きな対価が必要となる)んじゃないの？
で、強い役ならば効果が強くなり代償も少なくて済む(小さな対価で済む)…、難しい役を揃えたらそれだけ恩恵があるというのが普通じゃないの？感じたのよね。
だから最終話のあの展開で納得を作ろうとするなら、ジョーカーのカードを使って5カードにしてノーリスク(対価なし)で最大効果を発揮してハッピーエンドみたいな展開が納得のある形になると思うんだけど。。。
役を減らして効果は薄くなりましたけど代償も減りましたって…、、、それじゃあ強い役をそろえるより弱い役を狙った方が良いみたいになるじゃん。
あと、4カードから3カードってランクというか役の強さ的にかなり下がってんだけど一体どれ程の効果あったのか疑問よね。
次に設定とその見せ方について。
物語終盤で急に出てきた、役を作るという設定…。
いや、まずねカードが持ち主を選ぶ、カードは1人一枚しか使えないみたいな話を物語冒頭にしてたのに、中盤～終盤だったかで普通に敵が2枚のカードを使ったりしていて、え？一枚制限の設定どこ行ったの？からの、ポーカーの役を作るみたいな設定。。。何なんだ？何言ってんだ？もう意味分からん、考えるだけ無駄かなとカードの設定、仕組み、ルールの説明／見せ方が下手、というか観てるこちら側が納得できる様な設定説明、構成、見せ方が何も考えてられていないんですよね、腹立たしいほどに。
キャラ紹介が出来ていない問題から始まり、物語のキーであるはずのカードの設定説明も出来ていないと…何から何まで構成が出来ていない残念な作品でした。
酷く貶めすほどではないので、
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。
以下雑感
カード／能力が52枚は多過ぎだろ…3期も4期も5期もやるつもりか？
あと、2が最弱らしいけど、それなら最強はスペードのAではないの？あの刀使いが最強という事なの？
そういう描き方(刀使いが最強という描き方が)されていた様には思えんのだけど、カードの序列もよう分からん…。
以上
