アニメ「Engage Kiss」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「Engage Kiss」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


最終回での主人公の過去回想(記憶返還)があった事で、俺の中でなんとか盛り返したというか、なんとか「不可」評価を脱した作品。
最終回前まの俺のこの作品の評価は「群青のファンファーレ」と変わらない「不可」評価でしたからね。


何がそんなにダメだったかというと「群青のファンファーレ」と同様に主人公のキャラというものを全く描けていなかったからなのです。
主人公は所謂ヒモである事、クズ野郎な性格である事は描かれてはいるのですが、それはキャラではなく表面的な属性付けみたいなもんなのですよね。
なぜヒモ・クズ野郎な性格になったのか?元々はクズではない性格だったのか?過去の何かの出来事が主人公を変えてしまったのか?
主人公は女性からモテるキャラとして設定されている様なのですが、それだけモテるという事はただのクズではないなにかしら他の魅力があるのだろう、その内主人公の魅力が語られるものと想像して観ていたのですがいつまで経っても主人公の魅力が語られる事はなく最終回まで行ってしまったのですよ。


…なので主人公のキャラクターというものがろくに語られないという構成が「群青のファンファーレ」と同類で「不可」評価候補だった訳なのです。


最終回で多少は挽回した様な事を書きましたが、それは主人公の過去が描かれ全てに納得したという訳ではありません。
まぁ別に最終回でヒモ・クズになった理由が描かれたという訳ではありませんでしたからね…。
最終回での内容で多少の納得を感じた部分は「記憶を代償に力を引き出す」という契約と「記憶返還」に関してですね。

 

ヒロインが主人公へ記憶を返還するという展開を観たとき「え?戦いの中で実際に力を引き出して使ってたじゃん、そこで消費されてるはずの記憶がなぜ返還できるの?おかしいだろ、その設定、展開」
と感じたのですが…、実はヒロインが主人公から抜き取った記憶は使われておらず替わりにヒロイン自身の昔の記憶を消費していた事が明かされます。
その説明に、あぁ少しは考えて話を作ってたんだなぁという思いから多少の納得を感じて「不可」評価から脱したという程度の話なのですよね。

(いやね、これまでの何も考えていない様な構成・脚本から設定もメチャクチャ・支離滅裂なものかと想像していたから多少は考えてたんだなと驚いたのですよ)

 

主人公の性格形成が語られてない事への不満や主人公の魅力がどこにあるのか(別に戦闘能力がずば抜けているとか頭脳明晰であるとかではない様子)語られていない事の不満は相変わらず残る訳で
なぜ主人公がモテるのか、なぜこんなクズキャラ設定の主人公にしたのか納得がないまま終わるのですよね。


また主人公のキャラに限らず、ろくにキャラが描かれていない様な主人公をなぜか好きになる女性キャラ達も訳が分からない・納得がない=キャラが分からない、となっており、この作品のキャラ造りが壊滅している事も作品の評価を下げる要因の一つとなっていますね。

 

お話の構成、設定も上手くなく主人公のキャラが語れないままお話が詰まらない展開をするのも相まってそこそこイライラしながら観ていた感じでした。

そういう事もあり、

作品の評価としては、「不可」寄りの「可もなく不可もなく」となります。


以上