アニメ「英雄王、武を極めるため転生す」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「英雄王、武を極めるため転生す」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


色々と中途半端だった作品。
1クール作品としての最終回の物語進展の中途半端さ、各キャラクターの描写の弱さ・キャラクターの関係性の薄さ、強さ設定の(見せ方の)中途半端さ等が目立ったのですね。

 


主人公は外見は美少女ですが中身は某戦闘民族的な思考の爺さん(転生前は英雄王と呼ばれていた爺さん・王様)という設定となっております。
まぁ主人公については戦闘狂要素と若者の成長を見守る爺さん的なキャラが見えるけど、それ以外の仲間キャラがちょっとキャラクターとして弱いのよね。物語進行上の設定・役割しか与えられていないキャラになってる。
可愛いビジュアルのキャラがたくさん出るけどキャラクターとして描けていない勿体なさ…ビジュアル面以外でキャラの魅力を描けていない。。。
ちょい癖のある感じだけどキャラデザ自体は好き(キャラデザ・大藤玲一郎さんだって)なのよね、俺。だからこそ勿体ないと感じる。

 

 

主人公の幼馴染にしても学園での仲間にしても表面的な属性のみ、上辺の設定のみでキャラの魅力が薄いんですよね。
それに主人公と幼馴染、主人公とその他の仲間達の関係性も薄く感じる。それは中身が爺さんである主人公の達観した感じがそう感じさせるのかもねぇ…。
「主人公→幼馴染、主人公→その他の仲間達」への想いと「幼馴染→主人公、その他の仲間達→主人公」に対する想いの強さの違い・温度差が感じられて関係性が薄く見えちゃうのよね。
主人公が仲間/親しい者・近しい者を作るという展開・構成にするのならば、もう少し主人公のキャラを達観キャラではなく親しみを感じるキャラにした方が良かったかもね。

 


次に、物語の構成・進展について。
ハイランダーという主人公の前世の頃にはなかった支配階級の存在。
その支配下級の誕生の謎や黒幕的な存在は最終回まで語られる事はなくただただ主人公の前に現れた強敵を戦闘狂の主人公がワクワクしながら倒したという感じで物語が終わりました。
(まぁ主人公がその謎や黒幕的な存在を倒す事を目的としていない~目立つ事、名を上げる事、地位や名誉を得る事でついて回る責任によって行動が縛られる事を嫌っている~のでそういう展開にならないのも多少は理解しますが)

1クール物の作品として物語を締めるのなら、序盤でいかにもな感じで描かれたハイランダーという象徴悪を追い詰めるorせめて謎を(ある程度・一部でも明かす)展開まで持って行けないのかな?とその物語進展の中途半端さ・シリーズ構成に残念なのですよ。

 


で、最後に強さ設定が微妙という問題。
主人公が強いのは分かるんだけど、その強さの程度が分からん。どれくらいなの?底はどこなの?
せめて主人公が分り易く「私はまだあと2回変身を残している」的な事を言ってくれたらその強さ(の底)を多少なりとも感じられるのですがねぇ…。
いやね、強さの理由は作中で描いてあるのでそこはまぁ納得はするのですが、その強さがどこまで通用するのか?どれ程の相手までなら余裕で倒せるのか?既に世界最強の実力でどんな相手も本気出せば倒せる程なのか?
そこら辺がよう分からんのですよね。もう少し強さ設定・対比を感じられる様な作りに出来ていれば良かったのにねぇ。。。


作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。


以上