アニメ「ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

 

先日感想を上げた「私の推しは悪役令嬢。」やちょっと前の「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」の様な悪役令嬢モノの亜種作品とは異なる、オーソドックスな悪役令嬢モノな作品でしたね。

 


転生(他の肉体に魂だけが移り変わる)ではない、悪役令嬢ではない(何も知らない、考えていないバカ王女である)、等の一般的に言う「悪役令嬢モノ」とは異なる要素はありますが…、俺の中の悪役令嬢モノの定義…自分自身の破滅ルート回避を目的に行動する/自分が死なない様にする為あれこれ手を尽くす系のお話の造りになっている事/合致する点がこの作品は紛れもなく悪役令嬢モノになるのですよね。

 

う~ん、、、転生ではない、悪役令嬢ではないという差異要素はありますが、基本的には「自分が死にたくないから」という目的で行動するオーソドックスな普通の「悪役令嬢モノ」の今更やられても…という感じなのですよね。

 


もう2023年も終わりになりますが、今年観た悪役令嬢モノ(亜種含む)の中で一番面白かったのは「悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。」(以下「ラス為」)になりますね。
「ラス為」が多くの悪役令嬢モノと異なる点は主人公が「自分が死にたくないから」という目的で行動していない点なのですよね。
(アニメ「悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。」~感想
でも同じ事を語っていますが)
「自分が死にたくないから」/「自分の為」ではなく、自身が転生したキャラ(肉体/器)が本来(ゲーム上で)は多くの人を不幸にし苦しめていた設定を知っているが故に少しでも不幸を減らそうと悲劇を無くそうと行動する、そして自分がもし(ゲーム開始時点に時が及んだ瞬間に)ラスボス女王へと変貌してしまったら自分を殺して欲しいとまで言っている…、そんな「自分が死にたくないから」/「自分の為」ではないという点が他の悪役令嬢モノ作品と異なり面白かったのですよね。

 

それに引き替え今作「ティアムーン~」は一般的な普通のごく当たり前な何の変哲もないオーソドックスな悪役令嬢モノ…、特に見るべき点がなかったのですよね。
「はめフラ」より前に放送・アニメ化されていれば多少は面白く観れたかもしれませんが…、今更一般的な普通の(以下略)悪役令嬢モノをやられても、という感じなのです。

 

 


また、王女の性格というか考え方というかキャラクターの描写についても疑問が…。
生まれ変わり?というかリセット後も王女のキャラクターは基本的には変わっていないのですよね。そりゃあ飢えや痛みや恐怖、苦しさを体験/実感し(またその中で優しさにも触れ)多少は反省、下々の者の気持ちを理解する事はあったかと思いますが、基本的は王女のキャラクターはそう変わっていないのですよね。

 

一度、最底辺・絶望・死を経験する訳ですがそこから(リセット後)王女の性格が180度変わる、という事はなく基本的なキャラクターの変化はなく(あったとしても20~30度程度の変化と思われる)「自分が死にたくないから」/「自分の為」に行動するのですが、リセット後は王女の言動がなんやかんや良い風に勘違いされ上手く事が運ぶ、という感じなのですよね。

 

おそらくその「なんやかんや良い風に勘違いされ上手く事が運ぶ」という所が面白味、楽しさになるのでしょうが(オバロの「さすアイ」味も感じる)、王女のキャラにあんま変化がないという描かれ方になんか納得が足りないのですよね…。いやまぁ分かりますよ、あまり真面目に王女が破滅ルート回避のためにキャラ変すると(王女が超真面目キャラに変わってしまうと)お話がシリアスになり過ぎる、それを嫌って、話が重くなり過ぎない様に/ポップに破滅ルート回避を描きたいが故の「なんやかんや良い風に勘違いされ上手く事が運ぶ」という展開なのでしょうがね…、それは理解するのですが、、、なんか王女あんま反省してねえじゃん、みたいに思えて俺は納得が足りないと感じてしまうのですよね。

 


なので俺の評価としては、悪役令嬢モノの変化球を描こうとして失敗していると感じちゃったのですわ。

 


色々と否定的な事を書きましたが貶めすほど酷くはないので
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

以上