アニメ「私の推しは悪役令嬢。」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「私の推しは悪役令嬢。」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


悪役令嬢モノの亜種な作品。
主人公自身が悪役令嬢に転生する訳ではなく、また自分自身の破滅ルート回避を目的に行動する訳でもない(悪役令嬢モノのパターン…自分が死なない様にする為あれこれ手を尽くす系ではない)…、主人公がゲームプレイ当時好きだった悪役令嬢と懇意になる・悪役令嬢の幸せを願って主人公が行動する、という普通の悪役令嬢モノとはちょっと異なるパターンとなります。

 

直近で似た系統の話となると「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」(以下「ツンリゼ」)になりますかね。

で、その「ツンリゼ」と比較で言うと…「ツンリゼ」の方が数倍面白いですね。今作「私の推しは~」は色々と足りない部分が見えてきますね。

 

 

 

まず一番問題なのは、何故主人公はゲームに登場する(今作「私の推しは悪役令嬢。」のヒロインポジの)あの悪役令嬢にそこまで心酔・傾倒しているのか、というある意味一番重要な部分に納得がないのですよね。
いやね、作中でも描かれてはいるのですが(なんかそのプライドの高さというか生き様に惚れたみたいな感じ)…その描写だけでは主人公の思いの強さ/熱量に対して納得が足りない・弱いと感じるのですよね。
物語の根幹となるその部分/エピソードについてもう少し丁寧に、深く、尺を使って描いて欲しかったなと感じる訳なのですよ。
その納得の足りなさを感じる構成に残念・ガッカリだったのですよね。

 

 


また、納得の無さついでに言うと、最終回で明らかになるのですがこのヒロインポジの悪役令嬢には今後破滅ルートが待っている、みたいな描かれ方がされているのですよね。
この破滅ルート設定に納得がないのですよ…。今作に登場するこのヒロインポジの悪役令嬢の娘は他の作品の悪役令嬢と比べるとそこまで「悪役」ではないのですよね。
主人公も惚れるほどのプライド・矜持を持って行動しているキャラなので、他の多くの悪役令嬢が勧善懲悪的に/因果応報的に罰を受ける、破滅ルートが訪れる、というのに納得がないのですよね。

 

「死」という破滅ルートが訪れる程の悪行を行っているのであればまぁ納得もあるのでしょうが、今作のヒロインポジの悪役令嬢ってそこまで(「死」という破滅ルートが訪れる程)の悪行って行ってないはずよね?それなのに…、というそのキャラクター設定、物語構成・展開に納得がないと感じるのですよ(そもそもゲームとして、ヘイト役としての悪役令嬢のキャラ設定がおかしいというお話になるのですよね)。

 

 


あとは、主人公の強さ設定?に納得がない。
主人公はゲームをやり込んでいるはずなのに、これから起こるイベントに対応するため手を尽くす/最強を目指す、みたいな事をしないのかなというのが気になったのですよ。
最強になった主人公が無双する、のではなく主人公の強さが中途半端・主人公の対応・行動が中途半端だと感じるのですよね。事前に準備しとけよ、最善を尽くせよ、とそこら辺にも納得がないのですよ。。。

 

 


他には…、最終盤の展開というかシリーズ構成についても。
最終回の主人公の決意はどういう事なの?相手の気持ちより自分の気持ちを優先するというストーカー気質宣言なの?
そして、悪役令嬢との関係の中途半端さというか1クール作品として無理やりご都合で終わった感…。
きっちり最後まで描き切って終わるとか自然な納得のある流れの展開をして欲しかったと感じるね。

 

 


と、「ツンリゼ」と比べキャラクター設定・描写、物語展開、世界観設定諸々において劣っているな(「ツンリゼ」>>「私の推しは悪役令嬢。」)と感じる作品でしたとさ。

 

 

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

 

以上