アニメ「鴨乃橋ロンの禁断推理」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「鴨乃橋ロンの禁断推理」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

 

家庭教師ヒットマンREBORN!」の作者によるミステリ漫画が原作の作品。
この作者さんはそういうキャラ造りが上手いのか作品全体の雰囲気がライトでポップな感じのテンポの良い作品になってますね。

 

純粋にギャグやツッコミが面白い・笑える訳ではないけれどそのポップさやテンポの良さが観ていて楽しくなる作品なのですよね。
なので作品としては嫌いじゃないのですよ。


しかし、納得のないというか不満な点もあります。

 

まずはBLUEという組織とその動向について。
この作品世界はデスノートのLの様な探偵が事件に介入できる、そんな世界観の様ですね…、そこはまぁ物語としての導入・設定なので全然構いません。
で、主人公はそんな(探偵が当たり前に事件に介入出来る様な)世界観に存在する探偵養成学校BLUEの中でも最高の頭脳を持つ天才とされていましたが、事件を解決する中で犯人を自殺に追い込んでしまったということがあり探偵の資格をはく脱されてしまいます。
(犯人を自殺に追い込むのは本人は無自覚であり、なんか催眠・暗示なのかギアスみたいな不思議能力で以って相手を操るみたいな感じ)

 

そこまではまぁ良いのですが(お話、設定としては納得できるのですが)、BLUEという組織が主人公が探偵活動を行っていたら死の制裁を与えるみたいな組織だという設定に納得がないというか意味が分からんのです。

主人公が自殺に追い込んだのはあくまで犯人(おそらく殺人犯)でなのですよね。また、主人公自身が手を下した訳ではない(不思議能力で言葉によって自殺に追い込んだだけ)のですよね。
翻ってBLUEがやっている事は、探偵(養成学校)組織でありながら主人公が探偵活動を行った(かも)というだけで私的に死刑を執行しようとしている…、やってる事に正義が感じられない、なんかもう闇の組織みたいでメチャクチャで意味分からんと感じるのですよ。

何か作者があんまり深く設定を考えてなかったのかなぁと感じる…、というのも終盤はそのBLUEも態度を軟化させるというか過激派組織の印象が薄くなって方向転換・軌道修正してるみたいだったからね。。。

 

 

 

あとは、作中のミステリー部分・トリックは作者が考えてるのか知らんけど…、ちょっと雑というか粗いというか、本格ミステリーとは言えない感じよね。
(まぁだからこそ俺はライトでポップな感じのテンポの良い作品と評しているのだけど)


一つ例を挙げるなら、第1話の連続殺人事件…殺害方法についてはともかく犯人は毎回毎回どうやって何の手掛かりも残さず被害者を移動させることが出来たのか(未解決事件として犯行を重ねることが出来たのか)、そこには全く言及がないのですよね。殺害方法のところで思考が終了してると感じる。

 

他にも、犯行の動機やトリックの不確実性、犯人を追い詰めるための証拠の弱さなど問題はあるのですが…、そこはまぁ作品全体の雰囲気として「雑さ・粗さ」は「ライト・ポップ」と置き換えてあまり深く考えずに観た方が楽しめるというものですね。

 

 

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

以上