「HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)」休載記念(皮肉)ということでHUNTER×HUNTERについて気になる点、不満に思う点を述べたいと思います。
【HUNTER×HUNTER世界の時間の流れ・1日について】
暗黒大陸編に入ってからの話って正直よく読み込めていないのですが…「暗黒大陸」って今までHUNTER×HUNTERの世界の全てだと思われていたもの(現実の世界地図をシャッフルした様な地図)の外側に実は海を隔ててさらに広大な世界が広がっているという設定なのですよね…。
今までHUNTER×HUNTERの世界の全てだと思っていた世界は実は本当の世界(以下「真の世界」)のほんの一部でしかなったという…(ゴン達が居た世界は「真の世界」の湖の中に浮かぶ島に過ぎなかった)。
でもこれってよく考えると(よく考えなくても)「時間」の流れがよく分からんくなるのよね。。。
HUNTER×HUNTERの世界って基本的には現実の世界と同じ世界観?というのか、「銀河」という言葉が出てきたり「木星」が出たりします(果てはキリスト教やユダという言葉も出てきます)。
上記のことから考えても惑星・天体という考え方は普通にあると思われ亀の上に世界が広がっている、という様な世界観ではないと感じます(断言はしないけど)。
HUNTER×HUNTERの世界が現実の世界と同じ様に地球という惑星・天体上での物語であるならば、これまでの話(ハンター試験編~キメラアント編、選挙編)の1日の時間ってどうなってるの?という疑問が出てくるのですよね。
これまでの○○編の中でも「1日が24時間」みたいな設定はそこかしこで出ていたはず…。しかし、これまで(ハンター試験編~キメラアント編、選挙編)繰り広げられてきたお話が「真の世界」(世界の外にさらに暗黒大陸が広がっている世界)のほんの一部(湖に浮かぶ島の中)でしかなかったということで世界(真の世界)は地球と比べるとはるかに広大な惑星・天体だったということなのですよね。
地球と比べてより広大であるはずのHUNTER×HUNTER世界の惑星・天体の1日(自転周期)が同じ24時間と考えるとおかしいというか違和感があるのですよね。
これをどうにか納得できる様に考えるならば、現実の世界地図をシャッフルした様な地図のあの世界(湖に浮かぶ島の中の世界)は、現実の世界と比べてめちゃくちゃ小さい(縮小された)世界なのでは?(「湖に浮かぶ島の中の世界全体」で日本列島くらいの面積しかないとか)ということなのかな、と。
それかHUNTER×HUNTER世界の「1時間」「1分」「1秒」の感覚が現実の(我々の)世界の「1時間」「1分」「1秒」とは違うとか…(例えばHUNTER×HUNTER世界での「1秒」が現実の(我々の)世界の10秒に相当するとか)。
(でもそうするとゴン達というか子供・人間、生物の成長速度がおかしい(現実の/我々の世界とは異なる)ことになりますね)
またはただ単にゴン達の居る惑星・天体の自転速度がめっちゃ早いとかですかね。
暗黒大陸なんて後付け設定も良い所なんで深く考えずに設定しちゃったのかなという気がしますね。
【王位継承編でゴロゴロ出てくる念能力者について】
そもそも今更マフィアが出てくるのもよう分かんというかどうでもイイと感じるのですよね。
いや、マフィアってヨークシン編で十老頭という全世界のマフィアのトップ10人が出てきていてそのマフィアトップ10のお抱え念能力者・陰獣がマフィア界の念能力者最強(武闘派)10人な訳なのよね…。その武闘派念能力者である陰獣が旅団メンバーにあっさりやられてんだからさぁ今更マフィア連中の(十老頭以下のマフィアの)念能力者を登場させて強者・脅威感を出させてもなんか説得力に欠けるというか十老頭って何だったの?と感じるしカキンマフィアが特別(十老頭・陰獣以上)なら納得を作って欲しいと感じたのですよね。
また、カキンの王子たちも含めてですが「念能力に目覚めてすぐなのに強すぎ問題」もありますね。
カキン王子達の才能がゴンキルを超える1億人に一人の才能だったとしても簡単に強くなり過ぎじゃない?と感じるのですよね。
1000万に一人の才能であるゴンキルでさえ鍛錬を繰り返して(GI編でのビスケ修行回やアリ編での修行回/クッキィちゃん付き)少しずつ強くなっているのにわずか数日で急成長しているみたいな描写にあまり納得がないのですよね。
(まぁこの辺りは幽白でのC級D級妖怪だった(と思われる)鈴駒や鈴木が僅かな期間でS級妖怪にまでなっているのと同じ納得のなさがありますね)
念能力って才能と日々の積み重ねだと思っているのだけど(ネテロの正拳突きをはじめ、日々の研鑽・積み重ねの結果いまの強さを得たであろう爺さんキャラ・ゼノやネテロが最強格である理由)、大した鍛錬・研鑽もなく強くなれてるのに納得がないのですよね。
(キメラアント編でのアリ…ピトーやプフやユピー、メルエムが最初から(生まれたばかりで)強いのは、人間何百人分を食べさせて生まれた(圧縮生成した)結果だからという納得があるのですが、王位継承編でゴロゴロ湧いてくる念能力者の脅威・強者感に納得がないのですよね)
これを納得しようと考えるなら、脅威・強者感を出して描かれてい入るが実際肉弾戦/戦闘になったら実はてんで弱い…ツェリであっても現状の強さは実はビノールトやべラム兄弟クラスでしかない(それでも充分強いと思うけど)、とかだったらまだ納得があるのですがどうでしょうね。
もしかしたら冨樫義博は肉体の強さは関係しない純粋な念能力(発)の脅威を描きたい/念の鍛錬・研鑽レベルは関係しない「ジョジョ」の様な「純粋な能力バトル」ものを描きたいのかも知れませんが今更それはもう無理かなと感じますけどね…。
(話は少し脱線しますが、「ジョジョ」(スタンド能力バトル)が「HUNTER×HUNTER」(念能力バトル)と違い『純粋な能力バトルとして優れている点』は、「敵の登場順が前後してもバトルが成り立つ」という点なのですよね。
例えば、ゴンキルがGIへ行く前に(ビスケの修行を受ける前に)キメラアントと遭遇していれば成す術がなかった/バトルが成り立たなかったでしょうね。しかし「ジョジョ」はラスボスを除けば基本的には主人公や仲間が修行して強くなるとか覚醒して強くなる(一部例外あり)ということがないので、敵の登場順が前後してもバトルが全然成り立つのですよね…それが純粋に能力バトルが描けていることだと考えています)
いやね、修行して少しずつ強くなる/成長するってのもそれはそれで全然良いのですよ。ただ納得をしっかり作って欲しいなと。
人を一人殺せば強くなる(レベルアップする)とかそんなので簡単に強くなられても…レベルカンストでどれくらいの強さになるのか分かりませんが(もし仮に旅団メンバー並みに強くなるとかだったら)全く納得がないのですよ。
(それ言ったら旅団なんてこれまで十数年間で何人殺してんだよ、と。全く釣り合いが取れてないというかノーリスク(とは言わないけど)ハイリターンで手軽に素早く強くなれる感じに納得がない)
最後にどうでも良いことだけど、王位継承編の話の中で出てきた特質系の割合、少な過ぎじゃないかな?
3000人に一人って…。ハンター協会の会員数が600人じゃなかったっけ?ハンター協会員には特質系が一人もいない計算になるよ。
いやまぁハンター協会員数600人というのはライセンス持ちの正規のハンター(念能力者)だけの数だから、もぐりのハンターは数に入っていないのだろうけどさぁ…、
(3000人というは赤子から老人までハンター志望有無関係なく全人類での特質系の割合ということなのだろうけど…それでも)少な過ぎじゃないかなと感じるね。
(パリストンのキメラアント5000体の中でも一人~二人しかいない計算になるね)
まぁあくまで個人調べ・感覚によって算出された数値みたいだけど…、600人に一人くらいで良かったんじゃないかな?
【旅団の過去編について】
王位継承編の中で旅団の過去が描かれましたが…、正直俺は萎えたというか要らないと感じたのですよね。。。
旅団は極悪非道の集団、で良いのですよ、過去編を描くにしても実は悲しい過去があって今の旅団になってます…とかは要らないのですよね。
クラピカの復讐の動機、行為の正当性が揺らぐようなことは必要ないと思う訳なのですよ。
というか旅団初登場時は絶対にそこまで考えられてなかったであろう後付け設定だと思うし…。あくまで主人公サイドのクラピカの仇敵の極悪集団という設定のみだったはず…。その証拠にというか当時の冨樫義博のインタビュー記事か何かでなぜ旅団の人気があるのか分からないと答えてられてたと記憶してます…。
ヨークシン編・旅団編を描く中で作者の中で色々と設定が変更されたり加えられたりしているのでしょうが(例えばフランクリンの性格…、指を切り落としたら威力が上がる気がしたという覚悟で実際に切り落とすその考え方・行動、そして初登場時ヨークシンへ向かう道中でノブナガと喧嘩したり、と短絡的というかあまり考えないで行動に出ちゃう様な性格が描かれていたのですが、途中からは理知的なキャラの描かれ方になっていて明らかにストーリー進行の中でキャラが変わっているのですよね)ヨークシン編・旅団編時に旅団の過去が考えらえていたとは思えないのですよね。
YOUTUBEの動画かなにかでビデオテープ(「はじめはただ欲しかった」のシーン)の伏線が回収されたとか冨樫すげぇとか紹介しているものがありましたが…違うでしょ、あんなの伏線回収なんて言わないよ…。
これを伏線回収なんて言ってる奴は「バクマン」読んだ事ないのかな?冨樫義博がやってることって「バクマン」作中でシュージンや川口たろう(サイコーの叔父)がやってた「これまでのコミックス(自分の描いた漫画)を全部読み直して伏線として描いていなかったシーン、コマを無理やり伏線として盛り込んだ」という手法なのですよね…。
「はじめはただ欲しかった」のシーン…このシーンを描いたときに既に王位継承編の中で描かれた旅団の過去話(サラサやカタヅケンジャーのお話)が出来上がっていたとは到底考えられないのですよね。ということから考えてもおそらく冨樫義博は自分で描いたHUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)を全巻読み直して使えそうな設定、シーン/コマを無理やり伏線として仕立て上げたのだと思います(漫画家の中には自分の作品を読み返すことをしない作家も在る様ですが冨樫義博は読み返す派なのでしょうね…まぁ時間もたっぷりあるだろうし)
俺が考える「伏線」というのは、前もってそれとなくヒントを出しておいて伏線回収/答え合わせの時に「なるほど!」と納得を感じる造りになっているもの…前もって示されたヒントから推理・考察が可能な納得のある描き方こそが伏線だと考えています。
「るろうに剣心」を例に俺が伏線と考えるシーンを挙げると、
宗次郎の縮地…宗次郎初登場時に走行中の馬車に追いついて宗次郎がこともなげに扉を開けるシーンが描かているのですよね。そのシーンを読んだ当時はるろ剣世界のキャラだったらそれくらい出来ても不思議じゃないな程度に思っていたのですが、縮地という答え合わせが示されてから考えたら「なるほど!」と…最初から宗次郎の能力の一端・ヒントが示されていたのかと驚いたのですよね。
(翻ってHUNTER×HUNTERの「はじめはただ欲しかった」のシーン…このシーンから王位継承編で描かれた旅団の過去を推理・考察することなんて不可能ですからね…まぁ当時の作者の頭の中にもなかっただろうから推理・考察なんて出来なくて当然なのですがね)
もう一つ例を挙げるなら、双龍閃…これは伏線というには微妙ですが納得・説得力を持たせる設定に繋がっているのですよね。
刃衛編で使われた二段抜刀術・双龍閃が、飛天御剣流奥義、天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)の最強の二撃目…飛天御剣流の抜刀術は全て隙を生じぬ二段構えという設定に「なるほど!」と納得・説得力を持たせる効果となっているのですよね。
(もし双龍閃の設定がなかったとしたら、「奥義」だから(特別だから)という理由だけでも天翔龍閃の二撃目設定は受け入れられるのでしょうが、双龍閃の設定があることでより納得・説得力が強くなっているのですよね)
長期シリーズのアニメ(連続4クール)なんかでも使われる手法ですが、例えば5つの機能を有するアイテムが示され内4つの機能については最初から考えられている(設定済みである)が残る一つについては未定(未設定)で放送中・制作中に考えて設定・構成しているというやり方。
おそらく冨樫義博のお話の造り方もこれと同様で「はじめはただ欲しかった」の様な意味ありげなシーンを前もって描いておく(他には「隠者の書」や「闇のソナタ」や「ジャイロのエピソード」なんかも同じと思われる)という遊びを作る/余白・余裕をもたせておいて、後になってからそれらを用いて調整するという手法なのですよね。
(だから俺から言わせれば伏線ではない、無理くり繋げてるだけという印象)
HUNTER×HUNTERに限らずですが、YOUTUBEで伏線回収が凄いみたいな動画を見るのですが、俺から言わせればそれは伏線じゃねえよというのが8割ですよ…伏線回収がスゴイ、エグいというのならもう少しまともなものを見せてくれよ、というお話。
以上