アニメ「ギヴン」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「ギブン」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


好きくない作品。もういい加減「BL」という作品が嫌いになってきますよ…。


断っておきますが、それは別に「BL作品」が気持ち悪い等の理由ではありません。

 

過去の日記でも何度か語っている事ですが物語構成・設定で自分が重きを置いているのは「納得」なのです。


多くの「BL作品」にはこの「納得」がないのが嫌いなのです。

「納得」がない、というのは
「BL作品」は同性愛…性的マイノリティを扱った作品となりますが、その性的『マイノリティ』の描き方が出来ていないのが嫌いなのです。


性的マイノリティ、それは『マイノリティ』であるが故の苦悩であり、「自分はおかしいのではないか」、「『普通』にならなきゃ」と苦悩するシーンが要るはずなのに多くの「BL作品」にはそこがないのです。


(対して「百合」作品についてはその苦悩が描かれている気がします)

 

ほんの少し申し訳程度に悩むシーンはありますが、大した苦悩もなく(話数を跨いで悩み続ける事なんてまずありません)すんなり受け入れる、そこに「納得」がないのです。
(これが「百合」作品の場合は、シリーズ終盤まで主人公が苦悩しています)

 

「BL作品」の面白さ・見所が「そこ」にはない(マイノリティの苦悩描写にはない)とするならば、
「BL作品」という物が、性的『マイノリティ』を描いた作品でないのならば~ただ男同士がイチャイチャしているのが観たいだけならば~
現実世界を舞台にして描くのではなく、同性愛がマイノリティではない異世界・ファンタジー世界を舞台にすれば良いのです。
男同士が付き合うのが当たり前の世界、マジョリティの世界を創って物語を作れば良いのです。

 

男女のペアリングがマジョリティである現実世界を舞台にするならば、『マイノリティ』であるが故の苦悩を描かなければ、不自然で気持ち悪く作品として物語構成、設定に「納得」がなくなるのです。

 

これまで「BL作品」だからと偏見を持って観ないのは良くない、と選り好みせずそれなりに多くのBLアニメ作品を観てきましたが(最近観たので覚えいる作品だと「抱かれたい男1位に脅されています。」があります)、ほぼ全てにおいて、この『マイノリティ』であるが故の苦悩を描くという「納得」がない作品ばかりなのです。


基本食わず嫌いはせずにどんなジャンルのアニメ作品でも観るのですが、最近はどうせこの「BL作品」もまた他の「BL作品」と同じだろうな…「納得」がない作品だろうなと諦めが入っててその内に最初から観ないという選択になるかもな…と考えています。

 

…この「ギヴン」も ご多分に漏れず、ギター弾きの青年が一瞬自分の感情に驚く程度でアッサリ同性愛を受け入れます。これまでの価値観が崩壊する様な出来事・感情が沸き起こっているはずなのに、激しく苦悩するといった描写はなく受け入れるのです。


あとは、バンドメンバー全員が同性愛者(確定ではない?)という描き方もイライラしますね。性的マイノリティものは「マイノリティ」だからこそ描ける事があるのに、出てくる主要キャラ「全て」が同性愛者「マイノリティ」なんて…、もうBL好きファンを喜ばせるためだけの特に深い意味のない設定(現実世界・リアルを舞台にしながらそこにリアルがない、ただカップリングを複数出して受けを良くしたいというだけ)であり、それが透けて見えて嫌なのです。

 


「中身がない」「納得がない」作品ばかりだとジャンルそのものが軽んじられますよ。
もういい加減「『マイノリティ』であるが故の苦悩」を描くか「『マイノリティ』ではない異世界」で描くか「納得」のある作品を創る事をしませんか?


(2020年10月06日22:50mixi日記投稿分)