アニメ「黒の召喚士」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「黒の召喚士」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


なろう系の異世界転生最強系主人公物作品。
「召喚士という職業」と「転生前の記憶と引き換えに転生時のボーナスを増強している」という点で他作品との差別化を図っているのかな?

まぁ、なろう系作品の中ではまだマシな方という感想。
決してプラス評価になる様なポイントがある訳ではなく、他の多くのなろう系作品の出来が結構ひどい有様のため相対的に良く感じられるというだけです。


まず、主人公の強さがよう分からん、強さ設定に納得がない。
スキルポイント倍化の特性を得ている様ですが、それって別に成長の度合いが早いというだけで他者を圧倒できる・無双できる様な強さの設定になっていないのよね…。
また、主人公は召喚士という職業ですがラストバトルでの戦いっぷりを観ていると後衛・サポートという役割には思えず前衛で物理でガンガンに戦っているんですよね…、召喚士って職業意味あんの?
なんか他の作品との差別化のために無理やり付けた職業、みたいな申し訳程度の設定でしかない様に感じるのよね。

強さ設定に納得がないからラストバトルもなぜ主人公が勝ったのかよう分からんのよね、納得がない。
作者の中で明確な強さ設定、強さの数値化が出来ていないのでしょうね(もしくはそれを上手に表現できていない)。
別にその数値を表に出さなくとも良いのです、裏でしっかり作者が設定を持っていさえすれば良いのです。
そう、自分の中でしっかりと納得を作るために裏設定として持っていれば良いのです。。。

 

しかし、多くのなろう系最強系主人公物作品では作者によるしっかりとした強さ設定・強さの数値が出来ていないんですよね。
いやね、この作品(に限らず他の多くのなろう系作品)でも「レベル」というメタ設定は出てきますが、それがしっかりとした強さ設定につながっていないんですよね。
例えば、レベル差が10以上あればちょっとやそっとでは覆せない強さの隔たりがある、という設定説明でもあれば多少は納得も生まれるのですが特にそういう説明もないのです。

それになにより「レベル」というメタ設定を主人公や他の登場人物達も他者のステータスを「確認」できるという設定がダサい、というか受け入れられないんですよね。
「レベル」というメタ設定は「ファンタジー世界」の設定ではなく「ゲームの世界」の設定なのよね、どう考えても…。
いくら魔法という不思議な力が存在する様な世界観であっても経験値という数値やスキルポイント、レベル、そしてそれらが表示されるコンソールなんて
「ファンタジー世界」の設定ではなく「ゲームの世界」なんですよ(スキル/特性としてスキルポイント倍化や経験値倍化、経験値共有があるという事は敵を倒した時の経験値が設定されていて
経験値が一定量貯まるとレベルアップしてスキルポイントが得られる、という設定ってファンタジーの世界観ではなくゲームの世界観設定になってしまうのですよね)、というお話。


そういう変な事(ファンタジー世界のはずがゲーム世界の様)になるから「レベル」なんていうメタ設定を主人公達が「確認」できる様な設定にしてはダメなのよ(裏設定で作者が持っているだけなら良いけど)。
作中で強さを表すなら例えばDBの戦闘力の様な例えばハンター×ハンターのオーラ総量の様な物で数値化で強さを表せば良いのですよ。
…「レベル」というメタ設定を表に出してくるような作品(今作含む)は軒並み強さ設定が出来ていないですね。
世界観がブレてしまうのにそこに気付かずメタ設定を盛り込む作者の作品に納得が生まれるわけありませんよね…。


あと他に気になった点といえば、転生者/転移者多過ぎ。
なんだ、この作品に登場する女神は地球と今作の舞台となる異世界の2つの世界しか管理していないのか?
もっと何百何千という世界(星)を管理してたら同時代に転生者/転移者が重ならない様に調整できると思うけど…、2星(2世界)しか管理してない、できない神なんだろうなあ。。。


と色々と気になるとこはありますが、酷く貶めすほどではないので
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

以上