アニメ「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

ぶっ飛んだ設定で現実にはあり得ない設定ですが、そこはまぁ良いです。そういう設定、導入のアニメだと思います。
導入・設定以外のところで色々ダメなところを語っていきたいと思います。

 

おしゃれっぽいタイトルからちょっと期待していたのですが、蓋を開けてみたら、長ったらしいでタイトルでどういう作品か説明する系のラノベ作品と中身は同じで「出落ちで終わってる作品」でした。
1話2話辺りがピークで後はもう惰性で12、13話まで続いた作品、中盤から終わりの展開はそうなるよな、という予定調和な終わり。


まず、作中でヒロインが序盤で主人公に対し何度か問う「なぜ私にそんなに優しくするのか」…。
劇中では明確な答えはなく吉田は当たり障りのない答えをするのみです。

 

これは、たとえばもう一人同じ状況で同じ様な娘が現れたらまた拾うのか?(二人目)
更にもう一人同じ状況の娘が居ればそれも拾うのか?(三人目)
ヒロインだけが特別なのか…
そこに対する答えが要るよな…答えないのはおかしいよな、と感じるのです。
しかし、「お前だから拾った、お前だから優しくする」と答えた場合、
それはそれで「最初から狙っていたのか…」と、なんか格好の良い事ばかり言ってる出来た優しい大人な男を見せていたけど、実は最初からヒロインを狙って拾ったという危ない男になってしまうのです。

まあそこら辺の作り込みが甘いのよねという話。。。


あと、9話辺りで語られるヒロインの過去の話の構成も色々とダメダメ。
家族との確執、友達がいじめにあっていた事はこれまでにもちょろっと触れられていましたが、その詳細が語られる9話…その内容にガッカリです。
家族…母親との確執・家出の原因が弱い、弱すぎる…「友達のいじめ、そして自殺」と「家族との不仲・母親との確執」、これほぼ無関係じゃん!とビックリしましたよ。

 

友達のいじめに気付いてヒロインが声を掛け、そこでヒロインがその友達に対し「私はずっと一緒に居る」と約束するシーンがあったのですが、
ここでもし、その約束の直後に、母親が世間体を気にして(大事になる前に深く関わり合いになる事を止めさせるために)娘とその友達を強制的に引き離す、
娘を隔離する・別荘かなんかに無理やり連れて行くという事をやっていて、その間にいじめが酷くなり自殺した…という展開ならば、母親を憎むというのに納得が出来るのですが…
「あなたが自殺の原因じゃないの?」みたいな言葉だけで家出なんて弱すぎるでしょう。。。
(以前から関係が良くなかった様ですがその辺り(幼少の頃からの親子関係)詳しく語られてないので全く「納得」がありません。
また、平日は母親から早く帰る事を求められたり、休日は外出を認められなかったりという設定もあまり納得できません。
娘を愛していないというのなら過干渉じゃなく無関心になるんじゃないの?と納得がないのです)

あと、この友達も酷いと思うけど…。わざわざヒロインが屋上にくるのを待って目の前で飛び降りるなんて、実は根っこのところで恨んでたんじゃないの?とさえ思えます。
そういう設定なのか、それともそこまで考えないで設定・構成しているかよう分からんですが…。


そして最終回のあの終わり方…。
もっとはっきりしっかり描けばよいのに…。二人は結婚して幸せになりました、まで描けばいいじゃん…。
うさぎドロップ(ノイタミナアニメ版じゃなく漫画版)の大吉とりんを見てるこちとら、「ひげを剃る~」の関係性の二人やその展開に驚く事はありませんよ。
なんか濁したかのようなその終わり方にガッカリです。


キャラクターの細かい設定やストーリ展開、そしてあの最後まではっきり描かない終わり方…色々とダメダメでしたね。ちょっと期待していただけにガッカリでした。

 

作品全体の感想としては、可もなく不可もなくとなります。


以上