ドラマ脚本、原作改変問題について②

まずは、島本和彦さんがコメント(ポスト)された件について(内容についてではないです)。
前回「小学館の看板/大御所/ベテラン漫画家が先頭に立って物申して欲しいと思う」という事を書いたのですが、そこに島本さんの名前を挙げていませんでしたね。
いや、もちろん島本和彦さんの事は存じ上げてますよ。熱い漢だという事も知っています。ただ、個人的に…自分の小さかった頃/週刊少年サンデーを読んでいた頃に、本誌で島本さんを見かけた事がなかった(サンデー本誌での連載作品を読んだ事がなかった)、というのがあって自分の中で「小学館(週刊少年サンデー)の看板/大御所/ベテラン漫画家」の中に入れ難かったのですよね、、、なんかスミマセン、と思ったというお話。

 

 

小学館の大御所/ベテラン漫画家」の中で表立ってコメント(ポスト)されたのは島本和彦さんが初ではないかと思いますが、おそらく他の「小学館の看板/大御所/ベテラン漫画家」(高橋さん、あだちさん、青山さん辺り)もきっと水面下では(ツイッター等を利用されていないので我々が分からない/知り得ない状況だっただけで)動かれていたはずだと信じてます。(高橋留美子さんの公式ツイッターがありますがあれは高橋留美子さん個人が運用・利用されている訳ではない様ですからね…)

 


そして、その島本さんのコメント(ポスト)の後のタイミングだったと思いますが小学館の編集部の一部局から声明が出されました。
(「小学館」本社としては後追いする形で「調査、再発防止を進める」と公式HPで発表した、みたいな記事を見た気がしたけど…よく分からない、もう一度正式に発表して欲しいわ…。

(今件について文末に追記しました)

)

 

 

 

その小学館編集部からの声明には思う所がない訳ではないのですが…、まぁ後は…小学館(編集部)側はドラマ製作サイドには原作者・芦原さんの意向を伝えていたと声明を出したのだから、それに対してドラマ製作側(日テレ/テレビ局側)がどう応えるかを見守りたいですね。

 

 


続いて、当該ドラマの脚本家の声明について。
「原作者・芦原さんの意向について初めて聞いた、知らなかった」という旨のコメント。
ここにきてまだ分かっていないのかと呆れました…。
原作者の意向を事前に聞いていた/知ってた、知らないの話ではない。。。
なぜ、貴方は原作者が心血注いで描いた作品を(原作を)改変した脚本を書いたのか、その理由を全く説明していない。
貴方が当該ドラマの脚本を書き上げるのに何ヶ月を費やしたのか知らないが、原作者(漫画家)は確実にそれ以上の時間・何年~何十年の積み重ねの結果完成している原稿・原作(作品)である事を全く理解・認識していないと感じられます。
ドラマ製作の尺的(時間的)都合、経済的(予算的)都合等もあるかも知れませんが、製作都合上エピソードをカットする・纏める、キャラのセリフをカットする・変更する等の必要が発生した場合は、作品愛・リスペクトを持って接していれば原作者に相談・確認するというのは至極当然の事/プロの仕事として当たり前だと思うのですが…。。。

 

「原作」を「公式」に「お借りして」おきながら…、、、もし誰かに「好き勝手にやっても良い・改変しても良い」と言われていたとしても、原作を変更する必要に迫られた際に(原作・原作者に対するリスペクトを持っているなら)「原作を変える事になるが問題がないか原作者に確認してくれないか」とならない事に納得がない(好き勝手にやっても良いと言われたから確認しなかったみたいな旨をもし宣うのであれば、そんな言われた事だけやる、気が回らない・子供の使いみたいな事やるのは決してプロの仕事ではないよ)。「公式」に「借りてきた」「原作」を自分の好き勝手に変えるのはプロのやる事ではないよ…、それはもう作者非公認/非公式の二次創作・同人誌と何ら変わらないよ。

 

 

ドラマ製作(漫画からの実写製作)の都合上どうしても改変が必要であったのならば、そこには原作者も納得するだけの相応の改変理由があったはずですよね!!!
原作者の意向を知ってた、知らないの話ではないのですよ。
なぜ・どういう理由で原作を改変したのか、そこは「原作者の意向についての伝達の有無、認識」とは関係なしに貴方の言葉で語れるはずですよね。
原作者を納得させるだけの(原作者が作品に注いだ熱を覆すだけの)理由・道理があるはずでそれを語るべきだと自分は考えるのですが…。

これ以上は個人攻撃になるので止めたいと思います。

 

 


続いて、著作権・著作物の話。
今回の件とは関係なく前に著作権・著作物についての記事を読んだ事があります。
その記事を思い出して感じるのは、漫画家・作家(著作権者)は出版社に対してもっと強くものを言っても良いのでは?という事。

 

 

出版社って、漫画家・作家(著作権者)の創作物(著作物)を委託されて販売しているのですよね。
漫画家・作家(著作権者)が個人では(大規模に)行えない印刷、流通、宣伝、販売等を出版社が代行して行う(出版社が一時的に諸々の費用を担う)事で本来は漫画家・作家等の著作権者だけが得る創作物(著作物)の販売利益を分け合うお互いWINWINな関係で対等であるべきはずなのですよね。


それが現在は雑誌掲載・連載とビジネスに組み込まれてどうしても出版社が上みたいな立場になってしまってますが…。

 

しかし、今の時代はWEB発の漫画や小説が人気となり、出版社側が「うちから出版させてください」みたいな本来あるべき姿(お互いWINWINな関係)になってきている気もします。
ホントもっと時代が進めば(紙媒体が減れば減るほど)出版社の持つ大規模な印刷、流通は不要となり漫画家・作家(著作権者)が個人で全国にデータで(印刷不要で)販売できる様になると思いますよ(仕組み・システム含めての話)。
(まぁ上記の様な(紙媒体消滅)場合でも出版社の形態が電子書籍大手メーカーへと移行するだけかも知れませんがね)

 


出版社とは何の縁もしがらみもないので無責任に言ってる訳ですが、漫画家・作家(著作権者)側は出版社側に対し変に卑屈にならなくても良い・なるべきではないと思います
(かと言って、漫画家・作家(著作権者)様が出版に創作物(著作物)を販売させてやっているんだ、まで行くとダメだと考えますが)

 

 

今回の様な問題が起きた時(同じ志を持つ仲間の思いが蔑ろにされた時)、漫画家・作家(著作権者)側はもっと声を上げて良いと思うのです。
しかし表立って声を上げるのは怖い(余程の大御所でない限り)…、出版社側から連載の打ち切りや以降掲載させてもらえなくなったり、もし他社へ行ったとしても腫れ物扱いされたりするのでは…今後商業誌では描けないかも…という不安もあるのではないかと思います。

そういうリスクを回避、不安を無くすためにも前回述べた様に、漫画家一人ひとりが個別に声を上げるのではなく漫画家が一丸となって皆で声を上げていく(~皆で渡れば怖くない的な)…、「漫画家協会」を窓口となって(個人が分からない様に)協会員の声(漫画家の声)を集め協会員の総意として「漫画家協会」が発信するなどして漫画家・作家(著作権者)の権利を護っていって欲しいと考えています。

 

 

 

 

 

ドラマ製作側(日テレ/テレビ局側)の対応の発表がまだ出されていませんが、小学館編集部からの声明を読んで少しは光も見えた気がしたのでそろそろアニメ感想に戻ろうと思います。
(ここ最近は悲痛、憤懣でそんな気になれなかった)

 


アニメ「推しの子」の第2期の製作が決定している訳ですが…、そこでの舞台編(以前述べた通り原作既読なので第2期で描かれる展開は知っているのですが)またそのタイミングで必ず今件が話題に上る事になると考えています。

 

「推しの子」の第2期の舞台編が始まるまでに、日テレ/テレビ局側、小学館が誠実な納得のある対応を示していないとまたそこで確実に燃え上がる事になるだろうね(少なくとも「推しの子」第2期まではこの問題が風化する事はないと考えています)。

 

 

取り敢えず今件については一旦これで終わりにして後はいち漫画ファンとして事の成り行きを見守りたいと思います。
(よほど腹に据えかねる事が発表されたらまた書くかもですが…)

 

 

以上

 

 

 

 

追記…

某スポーツ紙の記事によると、小学館本社としては「調査、再発防止を進める」と発表はしたがそれを社外に発信しない方針に変更はない、らしい…。以前漏れ出た「社内向け説明」の内容がやはりそのまま小学館としての公式の方針という事のようですね……。

調査・報告・追及の結果を「公表」しないという事は「社内で」「内々で」「調査、再発防止」を進めた体で終わらせる、有耶無耶にさせる、風化を待つ気満々な感じがしますね。。。

これは、このまま終わらせちゃいけないわ…。

編集部から出された声明で良い感じに進むかも…と騙されちゃいけない、お茶を濁されちゃいけないわ、と感じましたね。。。