アニメ「葬送のフリーレン」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「葬送のフリーレン」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

 

世間的には2023年秋(2024年冬)アニメを代表するトップアニメな評価の作品だった様ですが俺的には「薬屋のひとりごと」同様そんなにはハマれなかったのですよね。

 


いやね、正直に言うと漫画「シャングリラ・フロンティア」のコミックスを買った時(2021年当時)に今注目の作品みたいな感じで平積みされていたこの「葬送のフリーレン」も1巻だけ購入したのですよね。
当時既刊3~4巻くらいまでは出ていたのですが俺が基本的に小学館嫌い/極力購入したくないので1巻のみの購入としたのですよね(「シャンフロ」は当時既刊分全巻を買って読んだので感想を上げていますが「フリーレン」の方は1巻のみの購入だったので感想を上げていませんでした)。

で、当時読んだ感想は、魔王討伐後の勇者一行の話というあらすじを見たので、世界が平和になった後の勇者の境遇・扱いを描いてく作品かなと想像していたのですよね。
それが…魔王討伐後の勇者の様子がゆっくり描かれる様なことはなく一気に80年後の世界になって「え?想像してたのと違う、そんな感じの作品なんだ」と予想を裏切られた感じだったのですよね。

 


そして次に引っかかったのがエルフの時間感覚の設定について。
1000年を超える寿命を持つエルフにとって10年間というのは人間で言う1年くらい(100分の1)の感覚でしかない/10年という時間が「僅か」でしかないという感覚(という設定)にちょっと疑問があるのですよね。
いや、(人間と)同じ時間の流れの中に居るのだから/同じ時間を共有している訳だから別にヒンメル達と過ごした時間が「僅か」という感覚であるはずがないと考えるのですよね。

いやね、寿命の違いは分かりますよ、理解しますよ。もし10年、50年、100年を同じことの繰り返し/代り映えのしない日々を過ごしていたのだとしたら1000年を超える寿命を持つエルフにとっては「僅か」という感覚にもなるかと思います。
しかし、フリーレンがヒンメル達と過ごした10年(他者と深くかかわって過ごした長い年月)は独りで過ごしていた時より明らかに新しい刺激や発見、初めての経験等が多く、代り映えのしない同じことの繰り返しの日々の人生よりも密度が濃かったはずなのですよね。
その10年(ヒンメル達と過ごした濃い10年)を独りで過ごしていた10年、50年、何百年と同じ様に並べて「僅か」みたいな感覚で言うのは違うんじゃない?と思ったのですよね。

フリーレンが独りで過ごしてきた年月とは明らかに密度が違う/他では得難い経験、得る物の多かった年月だと考えられ、要は時間の長短ではなく内容の濃さの問題だと思うのですよね。

 

 

それを…作者が頭の中で考えた設定(エルフは長命ゆえ感覚が鈍い、感情の起伏も薄いみたいな設定)だけで創っているためか、上述した様にヒンメル達との10年間はフリーレン人生の中でも明らかに高密度の経験をしているはずなのに独りで過ごしてきた時と同じ感覚・感情でフリーレンを描いていることに疑問・納得がないのですよ。

 

 

 

と、俺的にはそういう気にある点/納得できない点があったので、なんか話題作みたいだけど(既刊は3~4巻くらいまであるみたいだけど)もう買わなくて良いかな、俺的にはハマらなかったなぁという感じだったのですよ。

 


まぁアニメの感想としても同じ、ですね。
フリーレンのキャラクターに納得がない、弱いと感じるのですよね。

 

 

 

あとは、強さ設定についても疑問。
終盤、一級魔法使い/受験者がぞろぞろと出てきてそいつらは皆そこそこ強そうなのですが、もしこの一級試験編で登場したキャラが中盤に出てきた魔族たちと戦ったらどうなるのか?という疑問。

一級魔法使い/受験者たちでもアウラやその部下の魔族を撃退できるのであれば魔族の脅威ってそんな大した事ないね、という感じになっちゃうのよね。
フリーレンやフェルン、シュタルクだったからこそ退けられたのか…そこら辺の強さ設定がよう分からん(描けていない)から疑問、納得がないのですよね。

 

 

 

お話の構成としても、物語の本筋(ヒンメルに会う/話をする)からどんどん逸れて行ってなかなか進展しないし、一級試験編でこんな新キャラぼこぼこ出す意味あったんか?ますます本筋から離れる事になるんじゃないか?と疑問、納得がないのですよね。

 

 

いやね、決してマイナス評価になる様な作品ではないのですよ。作画も安定して良かったし特に悪い所はないのですが…取り立てて褒める所も無いという感じ。
と、世間的には高評価の作品だった様ですが俺的にはそこまで評価する様な作品ではないという認識。

 

 

 

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

 

余談ですが、
上記の通り「可もなく不可もなく」評価となるので今作の「葬送のフリーレン」や前回感想を書いた「薬屋のひとりごと」を2023年秋アニメとして扱ったとしても「2023年ベストアニメ」には入らない、影響がなかったよ、というお話をしておきますね。

 

 

以上