録り貯めしていたアニメ「月が導く異世界道中 第二幕」を一気観しました。
(嘘です、毎週観ていました)
以下、多少のネタバレを含む感想となります。
第1期を「良」評価としている作品の続編「月が導く異世界道中 第二幕」。
いや~、やはり俺の目に狂いはなかった…第1期での俺の評価~この作者はしっかり納得を作ることが出来る作者だな~は正しかったと感じた作品でしたね。
それを感じたのは物語序盤、女性勇者・響が召喚されて初めてコボルトとの戦闘を行った際、魔物とは言え、二足歩行する人型(獣人?)の敵を斬ることに最初躊躇するのですよね。
そうだよね…現代日本のJKがいきなりファンタジー世界へ召喚されて(たとえ力を与えられたとしても)、今まで剣を握ったこともなく生物相手に剣を振るった事もないのに何の躊躇いもなく斬り殺すなんて出来ないよね…、俺だって無理だわ。
日常が戦場のような場所に身を置いているとか屠殺経験があるとかの設定なら躊躇いもなく斬り殺せるかもだけど普通はそんな状況下・経験ないだろうからね、このシーンに納得があるのよ。
いやね、なろう系の中の多くは上述した納得がない/作れていない作品が多いからね。例えば俺が感想書いた中で作品名を出して挙げると「異世界迷宮でハーレムを」や「骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中」なんかは、ゲームの世界が現実/リアルになったという設定で主人公もそれを認識・自覚してるのだけど(ゲームではない…現実/リアルであるとの感覚を認識していながら)人間相手に躊躇うことなくいきなり斬り殺してるんですよね。そして相手を斬り殺した後も罪悪感や恐怖に苛まれるという描写も何もない…、そういう所に全く納得を感じない、、、多くのなろう系はそんな程度なのですよ。
自分がもし、異世界召喚/ゲーム世界が現実に…みたいな状況下で敵と遭遇したら果たしていきなり何の躊躇いもなく遠慮もなく全力で相手を斬り殺せるか?そこに想像が及ぶか及ばないか、納得を作れるか作れない(気付かないか)の作者のセンスの差なのですよね。
次に、冒険者ギルドのレベル設定について。
これも俺が多くのなろう系作品の感想の中で度々述べていることなのですが、『ステータス画面が表示される、レベルというメタ設定がある、スキルを獲得するアナウンスが流れる等々の異世界転移・転生モノ作品は例外なく駄作である』という俺の持論。
今作「月が導く異世界道中」においても冒険者ギルドでレベルの設定/認定が出てくるのですね。
しかし、ここにも(多くのなろう系作品とは違い)理由、納得が作られていました。主人公・真が召喚される前の時間軸において召喚された過去の勇者(現代日本からの召喚者)が自らのゲーム知識を基に冒険者ギルドのレベル設定を作った/設定を根付かせたということみたいなのですよね。
だから異世界/ファンタジー世界でありながらゲームっぽいメタ設定が存在しているということなのですよね。
他の多くのなろう系は、この辺り(異世界/ファンタジー世界でありながらレベルというメタ設定が存在している等)について納得のある説明、設定がなにもなされていない…それがダメ/納得を作れていないことに気付かないのがダメなのですよね。
上述した2点からも分かる様に、「月が導く異世界道中」の作者は他の多くのなろう系と違いしっかり納得を作ることが出来るセンスのある作者なのだということですね。
と、ここまで褒めポイント書きましたが残念な点もあります。
今作は2クール作品だったのですが、ちょっと無駄に長い、引っ張り過ぎかなと感じたのですよね。
物語序盤に響と智樹の二人の勇者の事が語られたので主人公・真と二人の勇者との邂逅が物語のメインになるのかなと考えていたのですが…、最終盤で真と響が出会った程度だった(響は真に気付いていない)のですよね。
俺はてっきり物語中盤くらいで二人の勇者と出会って対立なり共闘なりする展開となり終盤へ向けて大きく変化が起こるみたいな構成かなと思っていたのですよね、それが最終盤まで(最終盤でようやっと)出会いと引っ張るとはね…。
いやね、別に1話1話が面白くない訳ではないのですが学園の生徒の話(主人公メンバー外の話)に尺を取り過ぎじゃないかと感じたのですよね…。
で、これは引き延ばしかと思ったのですが…ちょっと漫画版を読む機会があったので読んでみたところアニメではカットされている話が結構あるっぽいのですよね…、カットしてもなおこの冗長感だったのか。。。
(ちなみに、アニメでカットされたその話も面白い感じだった)
その冗長感ゆえか、物語全体として観たとき盛り上がり所って最後のソフィアとのバトルくらいだったのですよね…中盤辺りに同じくらいの盛り上がりを作って欲しかったかな。。。
あと、これは残念というほどではないのですが、商人ギルド長との商人バトルの話。
力(武力)はあっても中身は高校生だからね、商人としては海千山千のザラ相手に手も足も出ないという展開。
これを見て、おっ「月が導く異世界道中」はそのお話の中で追放系の要素もやっちゃうのかな面白いな、と思ったのですよね。
ザラから亜人相手にでも商売してろと言われて街を出ていく真→亜人の国や魔族の国で評判になる真の薬→人間がクズノハ商会の薬を手に入れようとしたら亜人の国経由で高くついてしまう→なぜクズノハ商会を追い出したと国や教会から責められるザラ→ざまぁ
みたいな展開があるのかと期待していたのですが、なんか武力を見せつけて黙らせちゃった感じだったのがちょっと残念だったのですよね。
あとどうでも良い事なのですが、作中で水戸黄門のBGMが流れたのですよね、なんか嬉し懐かしかったわ。
(真が黄門様で、巴が助さん、澪が格さん、ライムが風車の弥七、モンドは飛猿、識はうっかり八兵衛になるのかな)
冗長さがちょっと気になったのがありますが基本的には面白く毎週楽しみに観ていた(月曜の楽しみとしていた)作品で、
作品の評価としては、「良」寄りの可もなく不可もなくとなります。
3期も楽しみにしてますわ。
以上