録り貯めしていたアニメ「HIGHSPEED Etoile」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。
脚本、シリーズ構成が仕事をしていない…仕事をしていないは言い過ぎですが、酷い。。。
まず、第1話。
物語の説明、導入となる重要な最初の第1話で主人公がほとんど出てこない。
「サイバーフォーミュラ」みたいなレースが行われているという説明があった後、レースに出場しているキャラ(キャラクター/性格、キャラの立ち位置/状況、設定等の説明もないまま)も何も分からない状態でいきなりレースが始まりその何も分からないまま始まったレース映像に大半が費やされます…。
(しかもレース中はメットをしているのでろくに顔も分かりゃしない)
それにレース映像自体も面白くない…。この作品はCGアニメでありレースも全てCGで描かれています。そのレース映像にスピード感、レースの緊迫感、迫力というものが全く感じられずただCGで描かれた絵が動いているだけ、というセンスの欠片も感じない残念な映像・演出だったのですよね…。直近のアニメ作品で同じモータースポーツアニメの「オーバーテイク!」がありますが、フォーミュラ最高位と思われる今作「HIGHSPEED Etoile」のマシンよりF4(フォーミュラ4)であるはずの「オーバーテイク!」の方が映像・演出、見せ方のセンスの違いから断然速く断然迫力を感じましたよ。
そして、続く第2話では主人公失格になるというエピソード。一瞬キングを抜いたけど周回遅れだったというお話。なんかたとえ周回遅れでもキングを抜いた主人公スゴイ!みたいな感じで作中で話題になっていた様だけど、主人公が周回遅れだったから相手にしていなかった/本気で競っていなかった、だから抜けたということじゃないの?となんか納得を感じないエピソード。
更に続いて、第3話ではクイーンと出会い、触れ合いが描かれるけど…、いやいやいやまだ主人公のキャラもろくに描けていないよ、まずは主人公のキャラを交換・教官の持てるキャラとしてしっかり描いてからでしょ…。
で、第4話では3レースほどが描かれるのですが内容はダイジェストであり、またそこではレーサーとしての主人公の成長などが描かれるということもなく、以降はキングと触れ合いのエピソードとなります。いやいやいやだからまずは主人公のキャラやレーサーとしての成長なんかを描いてからでしょ…。主人公をメインに描かないうちからクイーンやキングのことなんてどうでも良いわ…。何じゃこの構成。。。
そして、第5話にしてやっとまともなレースシーンが描かれます…第5話ですよ、、、シリーズ構成アホかと。。。
以降の話数ではキング、クイーン以外の主人公のライバル?となるレーサーたちの当番回みたいな感じでお話が展開されます…。
この作品って「タイバニ」の様に作中のキャラクター(レーサー)がリアル企業のロゴを付けて登場するのですが、まぁぶっちゃけ企業(スポンサー)向けのための無理やり作った当番回だと感じるのよね…。
これまで(第5話まで)主人公含め各キャラクターの紹介なんて行なわれていない訳だからさぁいきなり当番回みたいなのぶっ込まれても受け付けられないんだよ…シリーズ構成アホかと。。。
(キング回、クイーン回にしてもそう…。主人公のキャラ魅せもろくに行われない内にキングとクイーンの紹介・深掘り回みたいなのを見せられてもさぁ…)
おそらくこれってスポンサーに対して、キング、クイーンは豪華枠、金髪キャラ、ロリッ娘キャラは次点枠、主人公と同期の二人は廉価枠ですよ、みたいな感じで設定・説明されてんだろうね。
出番・活躍、役回り的にスポンサーの枠が設定されていて金髪キャラ、ロリッ娘の枠は廉価枠より見せ場を作らないといけないから…という設定・流れからの金髪キャラ、ロリッ娘キャラの当番回だったのだろうね。
いや、、、そうとしか思えないほどスポンサーへの配慮というか体面を保つための急にぶっ込まれた(各キャラの紹介もない中での)当番回だったからね、、、シリーズ構成アホかと。。。
で終盤のお話について。
主人公のマシンが終盤にマニュアル車に変わるのですが…、なんかそれだけで結果出してくるんですよね。いや、意味分からん納得がない(足りない)。
誰でもマニュアルにしたら速くなるの?だったら何故そうしない?主人公だけ特別?主人公にはマニュアルが合っていた?それはバレエやってたと個と関係あるの?
あと主人公は物語終盤でアウトインアウトを覚えたみたいなことを言っているのですが、え?今更?主人公がゲームで1位を取っていた時はどうやっていたの?(非リアルなゲームで非現実な走行をして1位を取っていたということ?)
更に主人公がレース中に事故って気を失い以降の走りをAIがやったって、それは有りなの?レギュレーション本当にクリアしているの?どのチームでもやっていることなの?運営も認めてるの?と疑問なのですよ。
また主人公がそのこと(AIが操作・走行した)を知った際「じゃあ自分要らないじゃん」みたいに当然の反応を示すのですが、その解決が(AIは安全を無視した走りはできない、人間が必要みたいな話でしたが)それで良いの?と納得が足りない感じ。
なによりAIに運転させたことがズルじゃないのか?と観ているこちら側としてはモヤモヤしたままだったから、それで解決した感じにされても…と納得が足りないのですよ。
観ていく内に段々と主人公のキャラは分かってきて(分かってくるのは第5話以降徐々にですが)、最終盤のクイーン、キングとのレースは素直に楽しめましたよ。
主人公のキャラも分かってきて最終盤の展開も面白かっただけに、なぜこんなシリーズ構成アホか。。。になったのか。
これはなんかプレイスメント/スポンサー募ったのが誤り・原因な気がする。
終盤の展開だけを決めていてあとはスポンサー向けのお話をねじ込むように作った、入れ込んだ造りにしたからこんなアホなシリーズ構成になったのかな、と。
で、その結果シリーズ構成メチャクチャな作品が出来上がってしまってんだからさぁ制作スタッフもスポンサーも誰も得しない、やっただけ損したみたいな目も当てられないことになってんだよ。
なんか勿体ない残念な作品でした。
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。
以下雑感
物語途中でキャラ達が昔のフォーミュラレーサーについて語るシーンがあったのですが、無冠の帝王やコンピュータみたいなワードが出てきて、これはもしかして今作の元ネタとなった「サイバーフォーミュラ」のキャラ、ランドルやハイネルのことを言っているのかなと思ったのですが、ネットで検索したらなんかリアルのレーサーのことっぽいですね…。まぁ不死身?不死鳥?とかは「サイバーフォーミュラ」の誰のことだ?と分からなかったのですがね(事故で引退したキャラクターならいたけど)。
(不死鳥は「オーバーテイク!」でも出てきたニキ・ラウダのことっぽいね)
いやあ、もしかして暗に「サイバーフォーミュラ」の世界と繋げているのかもな…だったら面白いのになと考えたのですがね。。。
以上